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一般社団法人って会社と何が違うの?

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 名前に社団法人や財団法人が付いている組織を見かけますが、社団法人や財団法人とは何でしょうか。一般社団法人や財団法人は、共通の目的を実現しようとする人の集合体であり、一般社団・財団法人法に基づいて法人になるもののことです。この記事では一般社団法人の設立について説明します。株式会社と異なり、一般社団法人は社員に剰余金を配当したり残余財産を分配することができません。その代わり、非営利型一般社団法人になると税制上の優遇措置があるため、一般社団法人は文化振興事業や社会的課題に取り組むソーシャルビジネス等に向いています。

一般社団法人の特徴

一般社団法人、一般財団法人、NPO法人の違い

 設立に関する一般社団法人、一般財団法人、及びNPO法人の違いを下の表で説明します。

一般社団法人一般財団法人NPO法人
設立手続き設立登記のみ設立登記のみ所轄庁の認証と設立登記
設立時に必要な資産*不要300万円以上不要
設立に必要な人数2人以上1人でも可10人以上
認可・認証なしなしあり(認証)
活動内容特に制限なし特に制限なし公益の増進に寄与する活動に限定
所轄庁への報告義務なしなしあり
*「不要」とは、設立の要件としては不要であるという意味です。

 上の表に見られるように、NPO法人の設立には所轄庁(都道府県知事又は政令指定都市の市長)の認証が必要ですが、一般財団法人の設立にはそのような認証認可は不要です。

一般社団法人の種類

 一般社団法人は、合同会社や株式会社のように事業を行って利益を行っても構いません。ただし、この記事の最初の段落で述べたように、社員に剰余金を配当したり残余財産を分配することができません。逆に、非営利的な活動を組織の主な活動にする場合、収益事業から生じた利益にのみ課税がなされ、寄付金や会費収入等は非課税になります。この点が一般社団法人の利点です。そのため、一般社団法人は、文化・芸術の研究振興活動や社会福祉活動といった、必ずしも営利を目的としていない活動に従事する団体に向いていると考えられます。このような税制上の優遇措置を受ける一般財団法人は非営利型一般社団法人と共益活動型一般社団法人であり、それぞれに要件があります。ただし、共益活動型を含む非営利型一般社団法人では収益事業のみが法人税の課税対象ですが、収益事業を行っていなくても地方税である法人事業税住民税の均等割が課税されます。(R06.04.10追記)地方公共団体によっては申請によって特定NPO法人に法人住民税の均等割を免除する団体もあります。ここが非営利型一般社団法人と比較したNPO法人のメリットと言えそうです。

非営利型一般社団法人になるには

 非営利型一般社団法人になるには

  1.  主たる事業として収益事業を行わないこと、
  2.  剰余金の分配を行わないことを定款に定めること、
  3.  解散したときの残余財産を国、地方公共団体、又は公益的な団体に贈与することを定款に定めること、
  4.  各理事について、三親等以内の親族が3分の1を超えて含まれないこと、並びに
  5.  2及び3の定款の定めに反する行為を行うことを決定したことがなく、又は行ったことがないこと

という要件があります。

共益活動型一般社団法人になるには

 共益活動型一般社団法人になるには

  1.  社員(会員)に共通する利益を図る活動を行うことを目的としていること、
  2.  主たる事業として収益事業を行わないこと、
  3.  定款等に社員が負担すべき会費の定めがあること、
  4.  定款に特定の個人又は団体に剰余金の分配を行うことを定めていないこと、
  5.  定款に解散したときの残余財産を特定の個人又は団体に帰属させることを定めていないこと、
  6.  各理事について、三親等以内の親族が3分の1を超えて含まれないこと、並びに
  7.  特定の個人又は団体に特別の利益を与えたことがないこと

という要件があります。

収益事業とは

 収益事業とは政令で定める以下の事業であり、事業場を設けて継続的に行われる事業のことをいい、それには物品販売業、不動産販売業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、通信業、運送業、倉庫業、請負業、印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業、料理店業その他の飲食店業、周旋業、代理業、仲立業、問屋業、鉱業、土石採取業、浴場業、理容業、美容業、興行業、遊戯所業、遊覧所業、医療保険業、技芸教授業、駐車場業、信用保証業、無体財産権提供業、労働者派遣業が挙げられます。

 例えば、ある技芸(茶道、華道等)の教室が属する流派の各教室が合同して非営利型一般社団法人を設立し、その目的を流派の紹介・広報活動等に定めて会費を集めている場合、それは収益事業に当たらず、その集めた会費は課税対象外ですが、その非営利型一般社団法人の研修会において参加費を得て技芸を教授する場合、その部分は収益事業に当たり、その集めた参加費は課税対象になります。

 今回は、一般社団法人の特徴を説明しました。次回の記事では一般社団法人の機関と設立について解説します。

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