この記事は、アイルランド農業食料海洋省の公式ホームページの公開情報をもとに、日本からペットの犬や猫をアイルランドに連れて行く際に必要な書類や手続きについて解説します。
日本出国までの準備については、別記事「ペットと一緒に海外移住したいときの準備と手続き」をご参照ください。
アイルランドへの入国条件
ペットの要件
- ISO11784/11785規格のマイクロチップの装着
- 12週齢以上である
- マイクロチップの装着後に狂犬病予防接種(不活化ワクチン又は組換えワクチン)
- 狂犬病予防接種後、免疫獲得までの期間を経過していること(日本では1か月間)
- 犬の場合、入国の24~120時間前にエキノコックス(多包条虫)の駆除を実施
狂犬病予防接種の有効期間内に追加接種を受けたペットは、免疫獲得期間を待たずに入国可能です。
日本国内のみで飼育されていたペットには、狂犬病抗体検査は不要です。
必要書類
- EU様式動物衛生証明書(アイルランド入国前10日以内に動物検疫所で署名・公印取得)
- トランジットしたEU加盟国での検疫証明書(該当する場合)
- アイルランド検疫局への輸入検査オンライン予約の記録
- マイクロチップ装着証明書および狂犬病予防接種証明書(日本帰国時に有用)
入国手続きのポイント
- 入国可能なペットは最大5頭まで
- ペットは飼主と共にアイルランドに到着すること
- 飼主の代理人が同行する場合は、飼主到着から5日以内にペットが到着すること
- アイルランド検疫局に輸入検査をオンラインで予約
- ダブリン空港など指定空港で輸入検査を受検
検疫局の職員対応時間は7:00~21:00です。この時間帯以外には空港で検査を受けることができません。
検査手数料が必要ですが、具体的な手数料は不明です。
イギリスへの入国はアイルランド経由で可能?
現在、日本からペットと一緒に直接イギリスへ飛行機で渡航することはできません。代替手段として、ユーロトンネルやフェリーを利用する必要があります。
アイルランドとイギリス間には「コモントラベルエリア(CTA)」という制度があり、両国の市民は自由に行き来できます。外国人もこの制度の恩恵を受けることができますが、長期滞在目的でイギリスに入国する場合は注意が必要です。
例えば、アイルランドのダブリンからイギリス・ウェールズのホリーヘッドへはフェリーで約104km。入国審査は警察官が簡易的に行うため、観光目的なら問題ありませんが、学生ビザなど長期滞在を目的とする場合は、正式な入国審査が受けられるルートを選ぶ方が安心です。
日本への帰国手続き
アイルランドから日本へペットと一緒に帰国する際は、日本の動物検疫所に提出する「動物衛生証明書」が必要です。手続きの流れは、次のとおりです。
- 出国の2か月以上前に、Regional Veterinary Office(地域獣医局)へ連絡
- かかりつけ獣医師による輸出前検査を受け、動物衛生証明書を取得
- Regional Veterinary Officeで動物衛生証明書に獣医官の署名と公印を得て「輸出国政府機関発行の証明書」を取得
以上、アイルランド農業食料海洋省の公式サイトに掲載されている情報を基に紹介しました。ペットを連れてアイルランドへ移住したいけれど、ペットの渡航準備をすべて自分で行う時間がない方、サポートが必要な方は、行政書士渡邉光一事務所にご相談ください。