この記事では、ペットの犬猫とイタリア又はスペインに入国するときに必要な書類と知っておきたい情報について、イタリア保健省とスペイン農水食料省のホームページで公開している情報を基に説明します。日本を出国するまでの手続きについては本ブログの記事「ペットと共に海外移住したいときの準備と手続き」をご覧ください。ペットの犬猫とイタリア又はスペインに入国する前提としてのEU(ヨーロッパ連合)が課す要件については、「ペットの犬猫とEU諸国へ入国するための準備と手続き~フランス・ドイツ編」からご覧ください。
ペットの犬猫とイタリアへ入国するための要件と書類
ペットの要件
イタリア保健省のホームページによると日本からイタリアへ連れていくことができるペットの犬猫の要件は次のようになっています。
- 一回の入国につき入国を認められるペットの数は最大で5頭である
- ISO11784規格又はISO11785規格のマイクロチップの装着が必要である
- ペットの週齢は狂犬病ワクチン接種前に12週齢以上である
- 狂犬病ワクチン(不活化ワクチン又は組換えワクチン)の接種がマイクロチップの装着後に必要である
- 日本で出生してから日本国外へ出ることなく在住していたペットには狂犬病抗体価検査は不要である
- イタリア入国前の狂犬病ワクチンの接種から少なくとも21日間を経過してからイタリアに入国する(日本の場合、初回の狂犬病ワクチン接種から30日間の待機)
イタリア保健省のホームページには以下のような記載は見当たりませんが、イタリアのペットトラベルに関する団体のホームページによると、ペットにISO11785規格のマイクロチップを装着している場合にはそのISO11785規格のマイクロチップを読み取れるマイクロチップリーダーの持参が飼主に求められています。
必要書類
日本からイタリアへペットを連れて行くときの必要書類には次の書類が挙げられます。
- 獣医健康証明書
獣医健康証明書はEU書式による証明書です。この健康証明書は、日本の動物検疫所での輸出検疫時に作成してもらいます。この健康証明書は、イタリア入国の10日以内に作成されることを要します。マイクロチップ証明書や狂犬病予防接種証明書も英文で用意しておくと日本帰国時の手続きのためにも役立つと思います。
日本に帰国するとき
ペットと一緒にイタリアから日本に帰国するための日本側の検疫の手続きについてはこちらの記事をご覧ください。日本に帰国するときに輸出前健診を受け、健康証明書にイタリア政府の獣医官の裏書をもらいます。輸出前健診を行ってくれる動物病院と獣医官の所在についてはイタリア国内居住地の地域保健所(ASL)に尋ねてみてください。
こうして裏書を得た健康証明書が日本の動物検疫所に提出する輸出国政府機関発行の証明書になります。