ペット(犬・猫)と一緒にイタリアまたはスペインへ渡航する際に必要な書類や条件について、各国の公式情報をもとに分かりやすく解説します。なお、日本出国前の準備については、別記事「ペットと一緒に海外移住したいときの準備と手続き」をご参照ください。
EU加盟国入国までの流れ
- Step 1マイクロチップの装着
1回目の狂犬病予防接種よりも前にマイクロチップをペットに装着します。
- Step 2狂犬病予防接種(1回目)
ペットに1回目の狂犬病予防接種を実施します。
- Step 3狂犬病予防接種(2回目)
1回目の狂犬病予防接種から30日以上経過した後に2回目の狂犬病予防接種を実施します。
注意: 2回の狂犬病予防接種の有効期間にオーバーラップがないと、その予防接種は無効になります。
- Step 4狂犬病抗体検査
2回目の狂犬病予防接種の有効期間中に狂犬病抗体検査を実施します。
- Step 5輸出検査申請
日本出国の少なくとも10日前までに輸出検査申請を行います。
注意:希望する動物検疫所で輸出検査を受けるには、余裕をもって輸出検査申請することが必要です。また、渡航先の国によっては輸出検査の受検期間を指定している国もあるため、検査日の予約には注意が必要です。
- Step 6駆虫薬投与(該当する場合のみ)
投与から24時間後~120時間後までに渡航先国へ到着するように駆虫薬を投与します。
- Step 7輸出検査
日本を出国する前に動物検疫所において輸出検査を受けます。
- Step 8搭載および出国
この例は、日本帰国の予定があるペットを対象としています。日本帰国に必要な予防接種・抗体検査等(Step 1~Step 4)を完了した犬猫は、イタリアおよびスペインへ入国するための条件も満たしています。
イタリア入国に必要な条件と書類
ペットの条件
イタリア保健省の情報によると、日本からペットをイタリアへ連れて行く際の主な条件は以下のとおりです。
- 入国可能なペットは最大5頭まで
- 12週齢以上
- ISO11784/11785規格のマイクロチップ装着
- マイクロチップ装着後の狂犬病予防接種(不活化ワクチン又は組換えワクチン)
- 狂犬病予防接種後、免疫獲得までの期間を経過していること(日本では30日間)
日本国内のみで飼育されていたペットには、狂犬病抗体検査は不要です。
イタリアの一部団体によると、マイクロチップがISO11785規格のみに準拠している場合にはそのマイクロチップを読み取れるマイクロチップリーダーを飼い主が持参することが推奨されていますが、日本国内で装着されるマイクロチップは、ISO11784/11785規格に準拠していますので安心です。
必要書類
- EU様式動物衛生証明書(イタリア入国前10日以内に動物検疫所で署名・公印取得)
- 狂犬病予防接種証明書
- マイクロチップ証明書
日本への帰国手続
イタリアから日本へペットと一緒に帰国する際は、日本の動物検疫所に提出する「動物衛生証明書」が必要です。手続きの流れは、次のとおりです。
- 現地の動物病院において輸出前検査を受け、獣医師署名済みの動物衛生証明書(Form ACなど)を取得
- 署名済みの動物衛生証明書にイタリア政府の獣医官の署名と公印を得て「輸出国政府機関発行の証明書(輸出証明書)」を取得
「輸出国政府機関発行の証明書」および「輸出証明書」に関しては、イタリア国内居住地の地域保健所(ASL: Azienda Sanitaria Locale)にて手続きを行います。
輸出国政府機関発行の証明書(輸出証明書)の発行には、対象のペットが居住地の行政に登録されていることが必要です。
スペイン入国に必要な条件と書類
ペットの条件
スペイン農水食料省の公式情報によると、日本からペットをスペインへ連れて行く際の主な条件は以下のとおりです。
- 入国可能なペットは最大5頭まで
- 12週齢以上
- ISO11784/11785規格のマイクロチップ装着
- マイクロチップ装着後の狂犬病予防接種(不活化ワクチン又は組換えワクチン)
- 狂犬病予防接種後、免疫獲得までの期間を経過していること(日本では30日間)
日本国内のみで飼育されていたペットには、狂犬病抗体検査は不要です。
必要書類
- EU様式動物衛生証明書(スペイン入国前10日以内に動物検疫所で署名・公印取得)
- 狂犬病ワクチン接種証明書
- マイクロチップ装着証明書
なお、スペイン政府はペットの入国が可能な空港を指定しています。日本からの渡航では、マドリッド空港やバルセロナ空港が通常の入国地点となります。これらの空港で、上記の書類を税関に提示し、検査を受ける必要があります。
日本への帰国手続
スペインから日本へペットと一緒に帰国する際は、日本の動物検疫所に提出する「動物衛生証明書」が必要です。手続きの流れは、次のとおりです。
- 現地の動物病院において輸出前検査を受け、動物衛生証明書を取得
- 動物衛生証明書にスペイン政府の獣医官の署名と公印を得て「輸出国政府機関発行の証明書」を取得
輸出前検査を実施する動物病院や獣医官の所在については、スペイン国内滞在地の「consultorio veterinario veterinario autorizado」に問い合わせるとよいでしょう。
なお、獣医師が発行する動物衛生証明書は、紙媒体ではなく電子ファイルで提供される場合もあります。その場合、獣医官は電子署名を付与します。日本の動物検疫所は、スペイン政府のデータベースに登録された電子署名付きの証明書を「輸出国政府機関発行の証明書」として認めています。
以上、イタリア保健省およびスペイン農水食料省の公式サイトに掲載されている情報を基に紹介しました。ペットを連れてイタリア又はスペインへ移住したいけれど、ペットの渡航準備をすべて自分で行う時間がない方、サポートが必要な方は、行政書士渡邉光一事務所にご相談ください。

