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肥料を生産、輸入、又は販売するには(肥料登録・届出制度)

ビジネス

登録・届出制度

普通肥料に係る登録

普通肥料の種類

 普通肥料の大分類は13種類であり、これらの大分類の中に複数の小分類が存在し(合計で140種類)、各種類ごとに規格(公定規格)が定められています。普通肥料を登録する場合、登録しようとしている普通肥料がこれらの規格のどれかに合致していることが必要になります。すなわち、登録された普通肥料は、その肥料が属する分類の公定規格を満たしています。

 公定規格は、「肥料の種類」、「含有すべき主成分の最小量」、「含有を許される有害成分の最大量」、及び「その他の制限事項」の4項目から構成されています。この公定規格の対象となっている主成分を保証成分といいます。各種普通肥料の公定規格は、独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)のホームページからダウンロード可能です。公定規格内の保証成分は以下のとおりです。

窒素りん酸加里
(カリウム)
アルカリ分けい酸苦土
(マグネシウム)
マンガンほう素石灰硫黄
TN
窒素全量
TP
りん酸全量
TK
加里全量
AL
アルカリ分
SSi
可溶性けい酸
SMg
可溶性苦土
SMn
可溶性マンガン
CB
く溶性ほう素
TCa
石灰全量
TS
硫黄全量
AN
アンモニア性窒素
CP
く溶性りん酸
CK
く溶性加里
WSi
水溶性けい酸
CMg
く溶性苦土
CMn
く溶性マンガン
WB
水溶性ほう素
SCa
可溶性石灰
SS
可溶性硫黄
NN
硝酸性窒素
SP
可溶性りん酸
WK
水溶性加里
WMg
水溶性苦土
WMn
水溶性マンガン
CCa
く溶性石灰
WP
水溶性りん酸
WCa
水溶性石灰
く溶性=クエン酸溶解性

 特殊肥料にも有機質の肥料がありますが、普通肥料の分類中の有機質肥料との違いは、原料や加工の違いのようです。

 肥料の品質の確保等に関する法律(以下「肥料法」と呼びます)では普通肥料を次の7種類に分類しています。

  1. 化学的方法によって生産される普通肥料(第iii号~第v号までに揚げるもの及び石灰質肥料を除く)
  2. 化学的方法以外によって生産される普通肥料であって、窒素、りん酸、加里、石灰及び苦土以外の成分を主成分として保証する普通肥料(第iv号に揚げるものを除く)
  3. 汚泥を原料として生産される普通肥料その他のその原料の特性から見て銘柄ごとの主成分が著しく異なる普通肥料であって、植物にとっての有害成分を含有するおそれが高いものとして農林水産省令で定めるもの(第v号に揚げるものを除く)
  4. 含有している成分である物質が植物に残留する性質からみて、施用方法によっては、人畜に被害を生ずるおそれがある農産物が生産されるものとして政令で定める普通肥料(以下「特定普通肥料」といい、第v号に揚げるものを除く)
  5. 特定普通肥料であって、第iii号の農林水産省令で定める普通肥料に該当するもの
  6. 前各号に揚げる普通肥料の一種以上が原料として配合される普通肥料(前三号に揚げるものを除く)
  7. 前各号に揚げる普通肥料以外の普通肥料(石灰質肥料を含む)

 生産業者は、各普通肥料の公定規格を満たすように当該肥料を生産することを求められます。

生産及び輸入に係る登録

生産に係る登録

 肥料法では第i号から第vi号までの普通肥料については農林水産大臣の登録を受け、第vii号の普通肥料については都道府県知事の登録を受けることになっています。上記大分類のうち4番の有機質肥料、7番の石灰質肥料、及び5番の一部の副産肥料(菌体肥料等)が第vii号の普通肥料に相当します。

 また、都道府県をまたがっていない農業協同組合などが第vi号の普通肥料を業として生産する場合は、その肥料を生産する事業所の所在地の都道府県知事の登録を受けることになっています。

輸入に係る登録

 業として普通肥料を輸入する者は、普通肥料の銘柄ごとにその普通肥料について農林水産大臣の登録を受けます。ただし、その普通肥料が以下の登録申請を必要としない普通肥料である場合、又はその普通肥料の製造元の外国企業が生産業者として日本国内の登録を行っていた場合は輸入に際しての登録が免除されます(肥料法第四条第4項)。

生産及び輸入に係る届出

 普通肥料の生産であっても登録を必要としない場合もあります。肥料法では次のように規定されています。

  1. 普通肥料で公定規格が定められていないもの
  2. 専ら登録を受けた普通肥料(第iii号~第v号までに揚げるものを除く)が原料として配合される普通肥料(農林水産大臣が定める方法により加工されるものを含む)であって、配合又は加工に伴い化学的変化により品質が低下するおそれがないものとして農林水産省令で定めるもの
  3. 専ら登録を受けた普通肥料(第iv号及び第v号に揚げるものを除く)及び登録を受けた普通肥料(第iii号に揚げるものに限る)若しくは特殊肥料又はその双方が原料として配合される普通肥料(農林水産大臣が定める方法により加工されるものを含む)であって、配合又は加工に伴い化学的変化により品質が低下するおそれがないものとして農林水産省令で定めるもの
  4. 登録を受けた普通肥料(第iv号及び第v号に揚げるものを除く)若しくは特殊肥料又はその双方に、地力増進法第十一条第一項に規定する土壌改良資材(肥料であるものを除く)のうち農林水産省令で定めるもの(以下「指定土壌改良資材」という)が混入される普通肥料(農林水産大臣が定める方法により加工されるものを含む)であって、混入又は加工に伴い化学的変化により品質が低下するおそれがないものとして農林水産省令で定めるもの

 これらの肥料のうち肥料bから肥料dまでを指定混合肥料と呼びます。肥料bから肥料dまでに含まれる肥料をテーブルで表すと次のようになります。

指定混合肥料に含まれる肥料の種類

第一成分第i号の肥料第ii号の肥料第iii号の肥料第iv号の肥料第v号の肥料第vi号の肥料第vii号の肥料特殊肥料
第二成分以降
第i号の肥料肥料b

肥料b







肥料b

肥料b



第ii号の肥料肥料b

肥料b







肥料b肥料b

第iii号の肥料
肥料c

肥料c

肥料c





肥料c

肥料c


第iv号の肥料















第v号の肥料















第vi号の肥料肥料b

肥料b







肥料b

肥料b



第vii号の肥料肥料b

肥料b







肥料b

肥料b



特殊肥料
肥料c

肥料c

肥料c





肥料c

肥料c


土壌改良資材

肥料d


肥料d


肥料d






肥料d


肥料d


肥料d

肥料の品質の確保等に関する法律施行令(以下「肥料法施行令」と呼びます)によると、指定混合肥料bのうち、水以外の造粒促進材料を使用する造粒その他の農林水産大臣が認める方法により加工された普通試料を「指定化成肥料」と呼び、それ以外の指定混合肥料bを「指定配合肥料」と呼びます。

 指定混合肥料の生産業者は、その事業を開始する1週間前までに登録申請の代わりにその指定混合肥料についての届出を農林水産大臣又は都道府県知事に対して行います。

 指定混合肥料の輸入業者は、農林水産大臣にその指定混合肥料についての届出を行います。

 生産業者が農林水産大臣と都道府県知事のどちらに指定混合肥料について届け出るかは、以下の表のように肥料の種類によります。

 また、都道府県をまたがっていない農業協同組合などが指定混合肥料を業として生産する場合は、その肥料を生産する事業所の所在地の都道府県知事に対して届出を行います。

指定混合肥料の種類と届出先

使用原料等原料である普通肥料の区分届出先
肥料b普通肥料+普通肥料第i号、第ii号、及び第vi号農林水産大臣
肥料b普通肥料+普通肥料第vii号肥料を含む場合都道府県知事
肥料c普通肥料+特殊肥料第i号~第iii号(硫黄及びその化合物のみ)、及び第vi号農林水産大臣
肥料c普通肥料+特殊肥料第vii号都道府県知事
肥料d普通肥料+土壌改良資材第i号~第iii号(硫黄及びその化合物のみ)、及び第vi号農林水産大臣
肥料d普通肥料+土壌改良資材第vii号都道府県知事
肥料d特殊肥料+土壌改良資材都道府県知事

 知事登録の普通肥料同士を、又は知事登録の普通肥料に特殊肥料若しくは土壌改良資材を混合して生産した混合肥料が、都道府県知事に届け出る指定混合肥料になります。

 指定混合肥料の生産においては何をどのように配合しても許されるわけではなく、肥料の安全性や品質を維持するために配合のルールが決められています。さらに、指定混合肥料に配合することが許される肥料及び土壌改良資材も具体的に決められています。

仮登録

 普通肥料で公定規格が定められていないもの(肥料a)については登録申請ではなく、仮登録申請を行います。

販売に係る届出

 登録又は届出した普通肥料(指定混合肥料を含む)を販売する場合、販売業務の開始日から2週間以内にその肥料を販売する事業所ごとに都道府県知事に販売業務の届出を行います。届け出内容に変更があったとき、及び事業を廃止するときも都道府県知事に対して届出を行います

登録申請先・届出先のまとめ

 登録申請先・届出先を事業形態・肥料の種類ごとにまとめると以下の表のようになります。

登録申請先・届出先のまとめ

事業形態登録申請又は届出の別農林水産大臣知事
生産登録申請・第i号~第vi号の普通肥料・第vii号の普通肥料
・都道府県をまたがっていない農協等
が生産する第vi号の普通肥料
届出・右記以外の指定混合肥料・知事登録の普通肥料を使用する
指定混合肥料
・都道府県をまたがっていない農協等
が生産する指定混合肥料
・特殊肥料
輸入登録申請・第i号~第vii号の普通肥料
届出・指定混合肥料・特殊肥料
販売登録申請
届出・普通肥料
・指定混合肥料
・特殊肥料

普通肥料の登録及び仮登録の申請

 普通肥料の生産及び輸入については、実際にその普通肥料の生産又は輸入を実施する1週間前までに農林水産大臣又は都道府県知事を対して登録申請を行います。

 普通肥料には140種類の規格が存在します。登録申請をするには、まず、登録を希望する肥料の原材料と生産工程からその肥料がどの種類の普通肥料に分類されるのか把握します。次に、その肥料の中の肥料成分や有害成分の量が公定規格に適合しているか確認します。確認がとれた肥料について農林水産大臣又は都道府県知事に登録申請をすることになります。

知事登録普通肥料の場合

 知事登録の普通肥料は、有機質肥料、石灰質肥料、苦土肥料(鉱石を粉砕して製造したものに限定)、複合肥料(有機質又は石灰質肥料を原料として生産される肥料であって、農林水産大臣登録の肥料を原料に含まないもの)、及び都道府県をまたがっていない農協等が生産する普通肥料です。

登録申請先

 都道府県知事あての登録申請の場合、生産事業所がある都道府県の部局が申請先になります。

 実際に登録申請をする前に、登録を希望する肥料について申請先と相談しましょう。書類等を正式に提出する前に提出書類に不備がないか確認してもらえるか申請先に聞いてみましょう。

提出書類等

 生産事業者が都道府県知事に提出する登録申請書の内容は次のとおりです。

  1. 氏名及び住所(法人は名称、代表者の氏名、及び主たる事務所の所在地)
  2. 肥料の種類
  3. 肥料の名称
  4. 保証成分量その他の規格
  5. 生産する事業場の名称及び所在地
  6. 保管する施設の所在地
  7. 肥料法施行規則第四条第一号~第四号に揚げる事項(生産工程の概要等;添付書類としてもよい)

 提出する届出書の部数は2部です。上記内容の届出書に加えて次のような添付書類等を提出します。

  1. 肥料見本(約500グラム)
  2. 最寄駅又は幹線道路から生産事業所までの略図
  3. 申請者が個人の場合は住民票の写し(マイナンバー記載なしのもの)又は運転免許証の写し等、申請者が法人の場合では登記簿抄本等
  4. 登録を希望する肥料の種類によって必要な添付書類
  5. 生産設備を賃借して生産する場合では生産設備の賃借契約書の写し及び賃借する工場の見取図
  6. 収入印紙(手数料)

 必要な添付書類の種類は、登録を希望する肥料の種類によって異なります。例えば、植物に対する害に関する栽培試験(植害試験)の成績が添付書類として挙げられます。登録申請時の提出書類等については申請先に問い合わせてください。

大臣登録普通肥料について

登録申請先

 農林水産大臣あての登録申請の場合、独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)が申請先になります。登録申請は、書面による申請又はオンラインによる申請が可能です。書面による申請の場合では事業者の主たる事務所の所在地(生産業者の場合では工場の所在地でもよい)の都道府県を担当するFAMIC本部又は地域センターに申請します。

 実際に登録申請をする前に、登録を希望するする肥料について申請先と相談しましょう。また、提出書類についても正式に提出する前にFAMICの方でチェックしてもらえます。提出書類等に不備がないことをFAMICに確認してもらった後に正式に書類等を提出することになります。

提出書類等

 生産事業者又は輸入業者が農林水産大臣に提出する登録申請書と添付書類は、登録を希望する普通肥料の種類によって異なります。

汚泥肥料等以外の普通肥料であって、原料規格の原料を使用しない普通肥料

 登録申請書の内容は、汚泥肥料等以外の普通肥料であって、原料規格の原料を使用しない普通肥料については次の内容になります。

汚泥肥料等、魚廃物加工肥料、乾燥菌体肥料、副産動植物質肥料、菌体肥料、副産肥料、液状肥料(原料規格の原料を使用するもの)、吸着複合肥料(原料規格の原料を使用するもの)、家庭園芸用複合肥料(原料規格の原料を使用するもの)、及び化成肥料(原料規格の原料を使用するもの)はこのカテゴリーの普通肥料ではありません。

  1. 氏名及び住所(法人は名称、代表者の氏名、及び主たる事務所の所在地)
  2. 肥料の種類
  3. 肥料の名称
  4. 保証成分量その他の規格
  5. 生産する事業場の名称及び所在地
  6. 保管する施設の所在地
  7. 肥料法施行規則第四条第一号~第四号に揚げる事項(添付書類としてもよい)
    • 肥料法施行規則第四条第一号(第i号、第ii号、及び第vi号の普通肥料において、生産工程の概要)
    • 肥料法施行規則第四条第二号(肥料法施行規則第一条の普通肥料において、原料の使用割合、原料規格への適合性が確認できる事項、及び生産工程の概要)
    • 肥料法施行規則第四条第三号(魚廃物加工肥料において、原料の使用割合、原料規格への適合性が確認できる事項、及び生産工程の概要)
    • 肥料法施行規則第四条第四号(特定の添加材を加えた普通肥料において、その材料の種類及び名称並びに使用料)

(輸入業者は事項Eを記載しません)

 肥料法施行規則第四条第一号~第四号に揚げる事項に関しては、各号の事項について該当するものがなければ「該当なし」と記載します。生産工程の概要については、「肥料登録申請書における生産工程の概要の書き方」を参照して作成します。「特定の添加材」には次のものが挙げられます。

  • 固結防止材
  • 浮上防止材
  • 成形促進材
  • 乾燥促進材
  • 着色材
  • 摂取防止材
  • 飛散防止材
  • 腐敗防止材
  • 展着促進材
  • 凝集促進材
  • 分散促進材
  • 吸湿防止材
  • 悪臭防止材
  • 組成均一化促進材
  • 発酵促進材
  • 反応緩和材
  • 沈殿防止材
  • 粒状化促進材
  • 脱水促進材
  • 効果発現促進材
  • 硝酸化成抑制材

 書面による申請の場合、提出する届出書の部数は2部です。上記内容の届出書に加えて次のような添付書類等を提出します。

  1. 製造設計書(登録を希望する普通肥料の設計上の成分量を記します)
  2. 分析報告書(登録を希望する普通肥料の保証成分及び有害成分の分析値を記します)
  3. 植物に対する害に関する栽培試験の成績(汚泥を原料として生産された熔成けい酸りん肥、熔成複合肥料、及び熔成けい酸質肥料の場合に必要)
  4. (初めての登録申請の場合)申請者が個人の場合は住民票の写し(マイナンバー記載なしのもの)又は運転免許証の写し等、申請者が法人の場合では登記簿抄本等
  5. 石灰硫黄含剤との混合防止のための表示の念書(硫化水素発生事故を防止するための処置)
  6. 肥料見本(約500グラム)
  7. 登録を希望する肥料が牛等由来の原料を使用して生産している場合、製造基準適合確認書の写し(輸入業者の場合は輸出国証明書の写し)
  8. 登録書を輸送する封筒
  9. 収入印紙(手数料)
  10. 最寄駅又は幹線道路から生産事業所までの略図(ネットなどで事業所の場所を特定できない場合に提出する)

 肥料の見本を入れた容器には、「申請者の氏名又は名称及び住所」、「肥料の種類及び肥料の名称」、並びに「含有主成分量及び有害成分の含有量」を記載したラベルを貼ります。

汚泥肥料等以外の普通肥料であって、原料規格の原料を使用する普通肥料

 登録申請書の内容は、汚泥肥料等以外の普通肥料であって、原料規格の原料を使用する普通肥料については次の内容になります。

魚廃物加工肥料、乾燥菌体肥料、副産動植物質肥料、菌体肥料、副産肥料、液状肥料(原料規格の原料を使用するもの)、吸着複合肥料(原料規格の原料を使用するもの)、家庭園芸用複合肥料(原料規格の原料を使用するもの)、及び化成肥料(原料規格の原料を使用するもの)はこのカテゴリーの普通肥料です。

  1. 氏名及び住所(法人は名称、代表者の氏名、及び主たる事務所の所在地)
  2. 肥料の種類
  3. 肥料の名称
  4. 保証成分量その他の規格
  5. 生産する事業場の名称及び所在地
  6. 保管する施設の所在地
  7. 肥料法施行規則第四条第一号~第四号に揚げる事項(添付書類としてもよい)
    • 肥料法施行規則第四条第一号(第i号、第ii号、及び第vi号の普通肥料において、生産工程の概要)
    • 肥料法施行規則第四条第二号(肥料法施行規則第一条の普通肥料において、原料の使用割合、原料規格への適合性が確認できる事項、及び生産工程の概要)
    • 肥料法施行規則第四条第三号(魚廃物加工肥料において、原料の使用割合、原料規格への適合性が確認できる事項、及び生産工程の概要)
    • 肥料法施行規則第四条第四号(特定の添加材を加えた普通肥料において、その材料の種類及び名称並びに使用料)

(輸入業者は事項Eを記載しません)

 肥料法施行規則第四条第一号~第四号に揚げる事項に関しては、各号の事項について該当するものがなければ「該当なし」と記載します。生産工程の概要については、「肥料登録申請書における生産工程の概要の書き方」を参照して作成します。「特定の添加材」には次のものが挙げられます。

  • 固結防止材
  • 浮上防止材
  • 成形促進材
  • 乾燥促進材
  • 着色材
  • 摂取防止材
  • 飛散防止材
  • 腐敗防止材
  • 展着促進材
  • 凝集促進材
  • 分散促進材
  • 吸湿防止材
  • 悪臭防止材
  • 組成均一化促進材
  • 発酵促進材
  • 反応緩和材
  • 沈殿防止材
  • 粒状化促進材
  • 脱水促進材
  • 効果発現促進材
  • 硝酸化成抑制材

 書面による申請の場合、提出する届出書の部数は2部です。上記内容の届出書に加えて次のような添付書類等を提出します。

  1. 製造設計書(登録を希望する普通肥料の設計上の成分量を記します)
  2. 分析報告書(登録を希望する普通肥料の保証成分及び有害成分の分析値を記します)
  3. 植物に対する害に関する栽培試験の成績(乾燥菌体肥料(原料規格表第2中十五の項の原料を使用するもの)、菌体肥料、及び副産肥料(原料規格表第2中の、植害試験の調査が必要な原料を使用するもの)の場合に必要)
  4. 原料規格への適合性が確認できる事項(①試薬又は工業用薬品については安全データシート、②産業副産物についてはその主生産物と副産物の発生工程の図、③植害試験が必要なものについては植害試験の成績)
  5. (初めての登録申請の場合)申請者が個人の場合は住民票の写し(マイナンバー記載なしのもの)又は運転免許証の写し等、申請者が法人の場合では登記簿抄本等
  6. 石灰硫黄含剤との混合防止のための表示の念書(硫化水素発生事故を防止するための処置)
  7. 肥料見本(約500グラム)
  8. 登録を希望する肥料が牛等由来の原料を使用して生産している場合、製造基準適合確認書の写し(輸入業者の場合は輸出国証明書の写し)
  9. 登録書を輸送する封筒
  10. 収入印紙(手数料)
  11. 最寄駅又は幹線道路から生産事業所までの略図(ネットなどで事業所の場所を特定できない場合に提出する)

 肥料の見本を入れた容器には、「申請者の氏名又は名称及び住所」、「肥料の種類及び肥料の名称」、並びに「含有主成分量及び有害成分の含有量」を記載したラベルを貼ります。

汚泥肥料等

 登録申請書の内容は、汚泥肥料等である普通肥料については次の内容になります。

水産副産物発酵肥料は汚泥肥料等に含まれます。

  1. 氏名及び住所(法人は名称、代表者の氏名、及び主たる事務所の所在地)
  2. 肥料の種類
  3. 肥料の名称
  4. 使用される原料その他の規格
  5. 生産する事業場の名称及び所在地
  6. 保管する施設の所在地
  7. 植物に対する害に関する栽培試験の成績(添付書類とするため、「別紙のとおり」とする)
  8. 肥料法施行規則第四条第一号~第四号に揚げる事項(添付書類としてもよい)
    • 肥料法施行規則第四条第一号(第i号、第ii号、及び第vi号の普通肥料において、生産工程の概要)
    • 肥料法施行規則第四条第二号(肥料法施行規則第一条の普通肥料において、原料の使用割合、原料規格への適合性が確認できる事項、及び生産工程の概要)
    • 肥料法施行規則第四条第三号(魚廃物加工肥料において、原料の使用割合、原料規格への適合性が確認できる事項、及び生産工程の概要)
    • 肥料法施行規則第四条第四号(特定の添加材を加えた普通肥料において、その材料の種類及び名称並びに使用料)

(輸入業者は事項Eを記載しません)

肥料法施行規則第四条第一号~第四号に揚げる事項に関しては、各号の事項について該当するものがなければ「該当なし」と記載します。生産工程の概要については、「肥料登録申請書における生産工程の概要の書き方」を参照して作成します。書面による申請の場合、提出する届出書の部数は2部です。上記内容の届出書に加えて次のような添付書類等を提出します。

  1. 植物に対する害に関する栽培試験の成績(乾燥菌体肥料(原料規格表第2中十五の項の原料を使用するもの)、菌体肥料、及び副産肥料(原料規格表第2中の、植害試験の調査が必要な原料を使用するもの)の場合に必要)
  2. 有害成分の分析報告書
  3. 原料ごとの溶出試験の成績書
  4. 原料規格への適合性が確認できる事項(①試薬又は工業用薬品については安全データシート、②産業副産物についてはその主生産物と副産物の発生工程の図、③植害試験が必要なものについては植害試験の成績、④「金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める省令」別表第一の基準に係る調査が必要なものについては溶出試験の成績書)
  5. (初めての登録申請の場合)申請者が個人の場合は住民票の写し(マイナンバー記載なしのもの)又は運転免許証の写し等、申請者が法人の場合では登記簿抄本等
  6. 肥料見本(約500グラム)
  7. 登録を希望する肥料が牛等由来の原料を使用して生産している場合、製造基準適合確認書の写し(輸入業者の場合は輸出国証明書の写し)
  8. 登録書を輸送する封筒
  9. 収入印紙(手数料)
  10. 最寄駅又は幹線道路から生産事業所までの略図(ネットなどで事業所の場所を特定できない場合に提出する)

 肥料の見本を入れた容器には、「申請者の氏名又は名称及び住所」、「肥料の種類及び肥料の名称」、並びに「公定規格で規制されている有害成分の分析値」を記載したラベルを貼ります。

仮登録について

 普通肥料に類似しているけれども公定規格から外れる肥料については登録申請ではなく、仮登録申請を行います。汚泥肥料等に類似する肥料は仮登録の対象外です。

 仮登録申請書の内容は、汚泥肥料等以外の登録申請書の内容とほぼ同じですが、仮登録申請書では「肥料の種類」は不要であり、「施用方法」及び「栽培試験の成績」が必要です。添付書類としては次の書類等が必要です。

  1. 分析報告書(登録を希望する普通肥料の保証成分及び有害成分の分析値を記します)
  2. (初めての登録申請の場合)申請者が個人の場合は住民票の写し(マイナンバー記載なしのもの)又は運転免許証の写し等、申請者が法人の場合では登記簿抄本等
  3. 肥料見本(約500グラム)
  4. 登録を希望する肥料が牛等由来の原料を使用して生産している場合、製造基準適合確認書の写し(輸入業者の場合は輸出国証明書の写し)
  5. 登録書を輸送する封筒
  6. 収入印紙(手数料)
  7. 最寄駅又は幹線道路から生産事業所までの略図(ネットなどで事業所の場所を特定できない場合に提出する)

外国生産肥料の登録について

 輸入業者が外国で生産された肥料を輸入する場合、輸入業者がその肥料の登録又は仮登録を行います。しかしながら、外国で肥料を生産している外国業者が日本国内に責任者(国内管理人)を設置している場合ではその外国業者は、生産する肥料が普通肥料の公定規格に合致していればその肥料を登録することができ、生産する肥料が普通肥料に類似しているが公定規格から外れていればその肥料を仮登録することができます。この場合、輸入業者は、その外国業者が登録した肥料を輸入することができ、輸入業者が改めてその肥料を登録することを要しません。その代わり、輸入業者はその肥料の輸入を実施する1週間前までに農林水産大臣に対して一定の事項を届け出ます。ただし、その輸入業者がその肥料を生産する外国業者の国内管理人である場合にはこの限りではありません。

指定混合肥料の届出

 指定混合肥料の生産及び輸入については、実際にその指定混合肥料の生産又は輸入を実施する1週間前までに農林水産大臣又は都道府県知事を対して届出を行います。

届出先

 農林水産大臣あての届出の場合、生産・輸入業者が個人事業者であればその人の住所、法人であれば本社の所在地がある都道府県を管轄する地方農政局等が届出先になります。

 都道府県知事あての届出の場合、生産事業所がある都道府県の部局が届出先になります。

 実際に届出をする前に、届け出る肥料について届出先と相談しましょう。書類等を正式に提出する前に提出書類に不備がないか確認してもらえるか申請先に聞いてみましょう。

届出時の提出物

 農林水産大臣又は都道府県知事に提出する届出書の内容は次のとおりです。

  1. 氏名及び住所(法人は名称、代表者の氏名、及び主たる事務所の所在地)
  2. 肥料の名称
  3. 肥料法第四条第2項第二号から第四号までに揚げる普通肥料のいずれに該当するかの別
  4. 生産する事業場の名称及び所在地
  5. 保管する施設の所在地

(輸入業者は事項Dを記載しません)

 提出する届出書の部数は2部です。上記内容の届出書に加えて次の添付書類等を提出します。

  1. 申請者が個人の場合は住民票の写し(マイナンバー記載なしのもの)又は運転免許証の写し等、申請者が法人の場合では登記簿抄本等
  2. 最寄駅又は幹線道路から生産事業所までの略図
  3. 届出書の副本を郵送するための封筒(郵送を希望する場合)

(輸入業者は事項bを記載しません)

 届出書の提出者が希望する場合、2部提出した届出書のうちの1部が受領印の押印後に提出者の元に郵送されます。届出書の副本の郵送を希望する場合、宛先を記載し、切手を貼付した返信用封筒を届出書と共に提出します。

 指定混合肥料の生産業者には以上の添付書類に加えて届出先で異なる書類の提出が求められています。届出時の提出書類等については届出先に問い合わせてください。

まとめ

 長々と肥料登録制度について説明してきました。以上の内容をまとめます。

  • 肥料制度の目的は、肥料に含まれている肥料成分及び肥料の品質を確保し、肥料の公正な取引を促進することである
  • 肥料には、大きく普通肥料、特殊肥料、及び指定混合肥料の分類がある
  • 肥料の生産業者、輸入業者、及び販売業者は、それぞれ肥料を生産、輸入、又は販売する際に農林水産大臣又は都道府県知事に登録申請又は届出をしなくてはならない
  • 大臣又は知事への登録申請又は届出は、登録申請・届出の対象である肥料の種類によって異なる
  • 肥料登録には有効期間があり、延長を望む場合は更新を申請する

 事業者が肥料に関して行わなければならないことは、その肥料の種類によって異なってきます。肥料の届出・登録申請、又は販売業者としての届出の前に都道府県の関連部署やFAMIC、あるいは行政書士への相談をお勧めします。

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