この記事は、ペットの犬猫とアイルランドに入国するときに必要な書類と知っておきたい情報について、アイルランド農業食料海洋省のホームページで公開している情報を基に説明します。日本を出国するまでの手続きについては本ブログの記事「ペットと共に海外移住したいときの準備と手続き」をご覧ください。まず、アイルランドはEU(ヨーロッパ連合)ですので、ペットの犬猫とアイルランドに入国する前提として、EUが課す要件をご覧ください。
ヨーロッパ連合が課す要件と書類
ペットの要件
日本からEU諸国へ連れていくことができるペットの犬猫の要件は次のようになっています。
- ISO11784規格又はISO11785規格のマイクロチップの装着が必要である
- 12週齢以上のペットには狂犬病ワクチン(不活化ワクチン又は組換えワクチン)の接種がマイクロチップの装着後に必要である
- 狂犬病抗体価検査を狂犬病ワクチン接種から30日以降、ワクチンの有効期間内に実施する
- 日本で出生してから日本国外へ出ることなく在住していたペットには狂犬病抗体価検査は不要である
- 狂犬病抗体価検査の結果が基準値(0.5IU/mL以上)に満たないペットには追加の狂犬病ワクチンの接種が必要である
- エキノコックス(多包条虫)の駆除のためにEU諸国へ入国する24時間前から120時間前までにプラジカンテル又は同等の駆虫薬でペットの犬を処理する(猫には不要です)
エキノコックス(多包条虫)の駆除のための処理は、マルタ、フィンランド、(EUから脱退していますが)英国、アイルランド、又は(EU加盟国ではないですが)ノルウェーへ行く場合に必要になります。
必要書類
日本からEU諸国へペットを連れて行くときの必要書類には次の書類が挙げられます。
- 獣医健康証明書
獣医健康証明書はEU書式による証明書です。この健康証明書は、日本の動物検疫所での輸出検疫時に作成してもらいます。この健康証明書は、EU諸国入国の10日以内に作成されることを要します。この健康証明書には、マイクロチップのコード番号、狂犬病ワクチン接種の詳細、狂犬病ウイルス抗体検査の結果等を記載します。
以上が、EUが課す要件になります。しかしながら、EU加盟国によって要件が変わることもあるので渡航前に確認が必要になります。アイルランドが課す要件を次ページ以降に示します。
ペットの犬猫とアイルランドへ入国するための要件と書類
ペットの要件
アイルランド保健省のホームページによると日本からアイルランドへ連れていくことができるペットの犬猫の要件は次のようになっています。
- ISO11785規格のマイクロチップの装着が必要である
- ペットの週齢は狂犬病ワクチン接種前に12週齢以上である
- 狂犬病ワクチン(不活化ワクチン又は組換えワクチン)の接種がマイクロチップの装着後に必要である
- 日本で出生してから日本国外へ出ることなく在住していたペットには狂犬病抗体価検査は不要である
- 接種した狂犬病ワクチンのデータシートに記載されている免疫獲得までに必要な期間がアイルランド入国前に経過していること(日本の場合、初回の狂犬病ワクチン接種から1か月間)
- 狂犬病ワクチン接種後の免疫有効期間内に狂犬病ワクチンの追加接種を受けた場合、追加接種を受けたペットは初回のワクチン接種における免疫獲得必要期間を待たずにアイルランドに入国できる
- エキノコックス(多包条虫)の駆除のためにアイルランドへ入国する24時間前から120時間前までにプラジカンテル又は同等の駆虫薬でペットの犬を処理する(猫には不要です)
アイルランド入国の要件を満たしているペットは、狂犬病抗体価検査の部分を除いてEUの要件も満たしています。
必要書類
日本からアイルランドへペットを連れて行くときの必要書類には次の書類が挙げられます。
- 獣医健康証明書
- トランジットしたEU加盟国で入国検疫を受けた場合、その証明書
- 輸入検査をオンライン予約した記録
獣医健康証明書はEU書式による証明書です。この健康証明書は、日本の動物検疫所での輸出検疫時に完成してもらいます。この健康証明書は、アイルランド入国の10日以内に作成されることを要します。マイクロチップ証明書や狂犬病予防接種証明書も英文で用意しておくと日本帰国時の手続きのためにも役立つと思います。輸入検査をオンライン予約した記録について以下で説明します。
ペットと共にアイルランドへ入国するための手続き
アイルランドへペットを連れて行くときの手続きは次のとおりです。
- 一回の入国につき入国を認められるペットの数は最大で5頭である
- ペットは飼主と共にアイルランドに到着することを要する
- ペットは飼主の代理人と共に到着することも可能であるが、飼主のアイルランド到着から5日以内に到着することを要する
- アイルランドへの到着時に輸入検査を受けるため、アイルランド検疫局に輸入検査をオンラインで予約する
輸入検査を受けるため、アイルランド検疫局に輸入検査を予約したときの記録をプリントした書類を持参することが必要です。検査を受けることができる空港は限られていますが、日本からアイルランドへ行く場合はダブリン空港を使用する人がほとんどだと思いますのでこの点は問題にならないでしょう。検疫所の職員の就業時間は朝7時から夜9時までです。この時間帯を過ぎると空港で検査を受けることができません。検査手数料が必要ですが、手数料の額を見つけることはできませんでした。