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食品等の輸入と食品衛生法

国際手続
この記事は約32分で読めます。

 食品衛生法は、飲食によって生ずる健康被害の発生を防止し、国民の健康を保護することを目的として、食品等の製造、輸入、加工、調理、貯蔵、運搬及び販売等の段階における衛生管理を定めています。輸入食品等を扱う事業者にとっては、どの手続が必要で、どこに注意すべきか理解しておくことが欠かせません

 本記事は、食品衛生法の規定のうち、食品等の輸入に関係する部分だけを実務で使いやすい形で整理します。

輸入手続の概要

 輸入者は、厚生労働省検疫所に食品等の輸入届出を行い、その食品等について、審査・検査を受ける必要がある。

輸入手続の流れ

食品等輸入手続について|厚生労働省の図より一部改変

審査・検査の対象

 厚生労働省検疫局の審査・検査の対象には、食品だけでなく、食品の加工・製造に用いる器具や食品の提供に用いる容器・包装・食器も含まれる。

食品等輸入の届出から通関までの流れ

1.食品等輸入届出申請書類の準備

 輸入しようとする食品等を載せた船舶・航空機が到着する前に、食品等輸入の届出に必要な書類を準備する。

2.輸入届出

 食品等輸入の届出は、輸入しようとする食品等が通関する場所の厚生労働省検疫所の長に準備した書類を提出して行う(施行規則第32条第1項)。

 食品の種類によっては厚生労働省検疫所以外にも届出が必要である。

  • 野菜・果実などの植物系の食品 →→→→→→ 農林水産省植物防疫所
  • 畜産物系の食品及び一部の水産物系の食品 → 農林水産省動物検疫所

 農林水産省植物防疫所・動物検疫所における検査申請を規定する植物防疫法並びに家畜伝染病予防法については、本ブログの別記事を参照されたい。

3.検疫所における審査

 植物防疫所・動物検疫所で検査合格した食品及び植物防疫所・動物検疫所での検査対象ではない食品等は、厚生労働省検疫所の審査・検査を受ける。

4.輸入届出済証の発給

 審査・検査を合格した食品等の輸入者には食品等輸入届出済証が交付される。

 食品等輸入届出済証を取得した輸入者は、通関手続を行うことができる。

■検査制度

 輸入食品等の検査には、モニタリング検査、検査命令、指導検査及び行政検査がある。

 モニタリング検査)

  • 計画的に国によって実施される輸入食品等の検査
  • 輸入者は検査結果の判明を待たずに輸入食品等を輸入する(通関させる)ことができる。
  • 違反となった場合には速やかに輸入食品等の回収等の措置を講じる必要がある。

検査命令

  • 輸入の都度、輸入者に対して命じられる輸入食品等の検査
  • 検査結果判明後に適法と判断されるまで輸入(通関)は認められない。

指導検査

  • 国から実施を定期的に指導される輸入者による輸入食品等の自主的な検査
  • 検査結果判明後に適法と判断されるまで輸入(通関)は認められない。

行政検査

  • 国によって必要に応じて実施される輸入食品等の検査
  • 検査結果判明後に適法と判断されるまで輸入(通関)は認められない。

食品等事業者の基本的な責務

【一言サマリー】

 第3条は、食品等事業者の責務を定めている。

食品等事業者の責務(法第3条)

□取扱い商品のリスク管理(第1項)

食品事業者の範囲:

  • 食品や添加物の採取、製造、輸入、加工、調理、貯蔵、運搬、又は販売を営む事業者
  • 器具や容器包装の製造、輸入、又は販売を営む事業者
  • 学校、病院その他の施設において継続的に不特定若しくは多数の者に食品を供与する事業者

 ポイント:食品等を取り扱う輸入業者は、食品等事業者に含まれる。

食品事業者の努力事項:

  • 販売食品等の安全性の確保に関する知識及び技術の習得
  • 販売食品等の原材料の安全性の確保
  • 販売食品等の自主検査の実施その他の必要な措置の実施

努力の目的:取り扱う食品、添加物、器具・容器包装(以下、「販売食品等」)の安全性を自らの責任で確保するため

□記録の作成・提供及び販売食品等の廃棄等(第2項・第3項)

食品等事業者の努力事項:

  • 販売食品等・その原材料の販売者の名称その他必要な情報を記録し、保存するよう努力する。
  • 販売食品等に起因する食品衛生上の危害の発生を防止するため、次の措置を適確かつ迅速に講ずるよう努力する。
    • 第二項に定める記録の国、都道府県等への提供
    • 食品衛生上の危害の原因となった販売食品等の廃棄その他の必要な措置

定義(法第4条)

 「添加物」とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物をいう。

 「器具」とは、飲食器、割ぽう具、及び食品・添加物の採取、製造、加工、調理、貯蔵、運搬、陳列、授受又は摂取に使用され、かつ、食品・添加物に直接接触する機械、器具その他の物をいう。

 「容器包装」とは、食品・添加物を入れ、又は包んでいる物で、食品・添加物を授受する場合そのままで引き渡すものをいう。

 「営業」とは、業として、食品・添加物を採取し、製造し、輸入し、加工し、調理し、貯蔵し、運搬し、若しくは販売すること又は器具・容器包装を製造し、輸入し、若しくは販売することをいい、「営業者」とは、営業を営む人又は法人をいう。

輸入の届出

【一言サマリー】

 第27条は、販売する・営業に使用する食品等(食品等には乳幼児向け玩具も含まれる)の輸入届出について定めている。

届出義務(法第27条)

義務者:販売する・営業に使用する食品等を輸入しようとする者

義務の内容:輸入の都度、厚生労働大臣に届出を行わなければならない。

ポイント:不特定又は多数の人に「無償」で配布することも販売行為に含まれる。

届出が不要なケース:

  • 自家消費用
  • 試験研究用(社内や研究所での試験研究に用いる場合)
  • 社内検討用(社内での検討に用いる場合)
  • 展示用(展示会での配布は禁止)

施行規則第32条(法第27条関係)

輸入の届出に必要な書類

  • 食品等輸入届出書(以下、届出書という)
  • その他の関係書類
    • 原材料及び製造工程に関する説明書(加工食品等必要に応じて)
    • 衛生証明書(食肉、食肉製品、乳、乳製品等必要に応じて)
    • 試験成績書(個別の規格基準があるもの等必要に応じ)

□輸入届出書の提出義務(第1項本文)

義務者:販売する・営業に使用する食品等を輸入しようとする者(法第68条第1項において準用する場合の玩具の輸入者を含む。)

提出先:貨物が通関する場所の厚生労働省検疫所の長

提出時期貨物の到着予定日の7日前の日以降

届出書の内容:

  1.  氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)
  2.  貨物の食品、添加物、器具、容器包装又はおもちゃの別、品名、積込数量、積込重量、包装の種類及び用途並びに貨物に記号及び番号が付されているときはその記号及び番号
  3.  貨物が食品であって、当該食品が着香の目的以外の目的で使用される添加物(一般に食品として飲食に供されている物であって添加物として使用されるものにあっては、法第十三条第一項の規定により基準又は規格が定められているものに限る。)を含むときは、当該添加物の品名
  4.  貨物が加工食品であるときは、その原材料及び製造又は加工の方法
  5.  貨物が加工工程後も組み替えられたDNA又はこれによって生じたタンパク質が残存する加工食品として食品表示基準別表第十七の下欄に掲げるもの(同令第二条第一項第三号に規定する業務用加工食品を含む。)であるときは、同令第三条第二項の表の別表第十七の下欄及び別表第十八の中欄に掲げる加工食品の項の下欄の1の一から三までに規定する場合(その原材料が同欄の5本文の規定により同欄の5に規定する遺伝子組換えに関する表示が不要とされた場合を除く。)に応じ、それぞれ同欄の1の一から三までに規定する事項
  6.  貨物が食品表示基準第二条第一項第十四号に規定する対象農産物であるときは、同令第十八条第二項の表の対象農産物の項の下欄の1の一のイ又はロに規定する場合に応じ、それぞれ同欄の1の一のイ又はロに規定する事項
  7.  貨物が添加物であって、当該添加物が添加物(着香の目的で使用されるもの及び一般に食品として飲食に供されている物であって添加物として使用されるものを除く。)を含む製剤であるときは、その成分
  8.  貨物が器具、容器包装又はおもちゃであるときは、その材質
  9.  貨物(加工食品以外の食品を除く。)の製造者又は加工者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)
  10.  貨物の製造所又は加工所の名称及び所在地(加工食品以外の食品の場合は、その生産地)、積込港、積込年月日、積卸港及び到着年月日
  11.  貨物(加工食品以外の食品に限る。以下この号において同じ。)の輸出者(当該輸入者に貨物を輸出する者をいう。)の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)並びに当該貨物を包装する者(当該貨物が包装される場合に限る。)の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)
  12.  貨物搭載の船舶又は航空機の名称又は便名
  13.  貨物を保管する倉庫の名称及び所在地並びに搬入年月日
  14.  貨物に関する事故の有無及びあるときはその概要

 貨物の保税地域への搬入前に輸入届出書を提出する場合では、第十四号に掲げる事項を除く。

提出時期の例外:貨物に関する事故が発生した可能性がある場合 ⇒ 貨物の保税地域への搬入後に輸入届出書を提出

□届出書提出の特則(第1項ただし書き)

特則の適用場面:貨物の保税地域への搬入前に輸入届出書を提出した場合であって、その後に貨物に関する事故があったときは

特則の内容:貨物の保税地域への搬入後直ちに、その概要を記載した届書を当該検疫所の長に提出しなければならない。

輸入届出書提出不要の食品:

  • 原塩
  • コプラ
  • 食用油脂の製造に用いる動物性又は植物性原料油脂
  • 粗糖
  • 粗留アルコール
  • 糖みつ
  • 麦芽
  • ホップ

輸入の届出は不要であっても、税関に対して確認願の提出が必要な場合があります。

□届出の変更(第2項)

変更届の提出先:輸入届出書提出先の検疫所長

変更届が必要になる届出事項:第1項の第10号から第13号までの各号に掲げる事項

変更届の提出時期:変更があったときは、直ちに変更届を提出する。

変更届の特則:第1項の第10号に掲げる事項の変更については、積卸港及び到着年月日だけが変更できる。

□計画輸入制度(第4項)

「計画輸入制度」とは
輸入の届出は、その都度行うことが必要であるが、同じ食品等を頻繁に輸入する予定である場合には、一定の条件のもとで「都度の届出」を省略できる制度があり、それを「計画輸入制度」と呼ぶ。

計画輸入制度の対象となる食品等:施行規則別表第十二の中欄に記載の食品等

計画輸入期間:施行規則別表第十二の計画輸入の対象食品等の右隣の欄に記載の期間

計画輸入制度の利用方法:計画輸入期間における輸入計画を記載した輸入届出書を提出する。

計画輸入制度の適用除外:輸入しようとする食品等が次の各号のいずれかに該当する、又はそのおそれがあるとき。

  1.  法第6条各号に掲げる食品・添加物
  2.  法第12条に規定する食品・添加物
  3.  法第13条第1項の規定により定められた基準に合わない方法による食品・添加物
  4.  法第13条第1項の規定により定められた規格に合わない食品・添加物
  5.  法第13条第3項に規定する食品
  6.  法第16条に規定する器具・容器包装
  7.  法第18条第1項の規定により定められた規格に合わない器具・容器包装

□計画輸入制度利用の特則(第5項)

特則の適用品目:別表十二の第三項中欄に掲げる食品等

特則の内容:輸入届出書の提出日以前の3年間の同一食品等の輸入実績を輸入届出書に記載して提出する。

輸入食品等の検査制度

【一言サマリー】

 第25条は国内で販売可能な食品等の要件について定めており、また、第26条は食品等の検査命令権限について定めており、第28条は立入検査及び試料収去の権限について定めている。

政令で定める食品等の検査(法第25条)

□販売等の制限(第1項)

検査が必要な食品等の範囲:下記のいずれかであって、政令で定めるもの

  • 第13条第1項の規定により規格が定められた食品・添加物
  • 第18条第1項の規定により規格が定められた器具・容器包装

検査の実施主体:下記のいずれか

  • 厚生労働大臣又は都道府県知事
  • 登録検査機関

制限の内容:政令で定める食品等は、検査合格しなければ下記の用に供してはならない。

  • 販売
  • 販売のための陳列
  • 営業のための使用

検査合格品:検査合格した食品等には厚生労働省令で定める表示が付される。

□審査請求の適用除外(第5項)

内容:検査の結果は、審査請求できない。

施行令第4条第1項(法第25条第1項関係)
「政令で定める添加物」はタール色素であり、その検査を行う者は、登録検査機関である。

ポイント:本条文は、政令で定められた品目以外のものについては食品衛生上の検査が不要であると述べているのではないことに留意されたい。

輸入食品等の検査命令(法第26条)

□知事の検査命令(第1項)

命令者:都道府県知事

命令発出の場面:次の各号に掲げる食品等を発見し、その食品等の製造業者・加工業者が引き続き各号に該当する食品等を製造・加工する可能性があるとき

  1.  第6条第2号又は第3号に掲げる食品・添加物
  2.  第13条第1項の規定により定められた規格に合わない食品・添加物
  3.  第13条第1項の規定により定められた基準に合わない方法により添加物を使用した食品
  4.  第13条第3項に規定する食品
  5.  第16条に規定する器具・容器包装
  6.  第18条第1項の規定により定められた規格に合わない器具・容器包装
  7.  第18条第3項の規定に違反する器具・容器包装

命令の内容:当該事業者に対し、下記の内容を命ずることができる。

  • 当該食品等について、都道府県知事又は登録検査機関の行う検査を受けるべきこと。

□大臣の検査命令(第2項・第3項)

命令者:厚生労働大臣

命令発出の場面:食品衛生上の危害の発生防止のために必要があると認めるとき

被命令者:第1項各号に掲げる食品等又は第12条に規定する食品を輸入する者であって、下記のいずれかに該当する者

  1.  下記に掲げるものの製造者・加工者が製造・加工した同種のものを輸入する者
  2.  生産地の事情その他の事情からみて、下記に掲げるものに該当するおそれがあると認められるものを輸入する者

命令の内容:当該事業者に対し、下記の内容を命ずることができる。

  • 当該食品等について、厚生労働大臣又は登録検査機関の行う検査を受けるべきこと。

□第25条第5項の準用(第7項)

内容:検査の結果は、審査請求できない。


 輸入時の検査では、違反となる食品等が実際に発見されている。厚生労働省の公式ページに公開されている過去の違反事例を確認すれば、同じ過ちを避け、違反食品等を輸入してしまう可能性を限りなく低く抑えることができる。

 違反事例 |厚生労働省


立入検査・食品等の収去その他の措置(法第28条)

□立入検査等(第1項)

権限者:下記に掲げる者のいずれか

  • 厚生労働大臣
  • 内閣総理大臣
  • 都道府県知事等

権限行使の場面:必要があると認めるとき

権限の内容:営業者その他の関係者に対し、次の措置を講じることができる。

  •  営業者その他の関係者からの報告徴収
  •  職員による営業の場所、事務所、倉庫その他の場所の臨検
  •  職員による営業上使用する食品、添加物、器具、容器包装、営業の施設、帳簿書類その他の物件の検査
  •  試験を目的とした、販売の用に供する又は営業上使用する食品、添加物、器具・容器包装の無償収去

□犯罪捜査の否定(第3項)

内容:第1項の規定による権限は、犯罪捜査のためのものではない。

□検査委託(第4項)

委託者:厚生労働大臣、内閣総理大臣又は都道府県知事等

委託の内容:第1項の規定により収去した食品等の試験を登録検査機関に委託することができる。

ポイント:第26条及び第28条の規定を基に、輸入した食品等は通関前の検査を受ける。


 ここまで、食品等の輸入手続を定める規定を説明してきた。ここからは、「食品等」に含まれる個々の商品の輸入を規制する規定を説明する。

個別輸入規制

食品・添加物の輸入規制

【一言サマリー】

 第6条~第9条は、特定の食品及び添加物の輸入・販売等の規制について定めている。

不衛生な食品及び添加物の輸入等の禁止(法第6条)

内容:次の第1号から第4号までの食品・添加物は、販売し、又は販売の用に供するために輸入してはならない。

  1.  腐敗・変敗したもの又は未熟であるもの。
  2.  有毒・有害な物質が混入・付着し、又はこれらの疑いがあるもの。
  3.  病原微生物により汚染され、又はその疑いがあり、人の健康を損なうおそれがあるもの。
  4.  不潔、異物の混入・添加その他の事由により、人の健康を損なうおそれがあるもの。

例外:第1号及び第2号の食品・添加物であって、一般に人の健康を損なうおそれがなく飲食に適すると認められているものは、輸入してもよい。

新しい食材の利用法により健康を害する可能性のある食品の販売の禁止(法第7条)

□販売の禁止(第1項・第2項・第3項)

権限者:厚生労働大臣

権限の内容:下記のそれぞれに該当する食品の販売を禁止することができる。

  1.  一般に飲食に供されることがなかった物であって人の健康を損なうおそれがない旨の確証がないもの又はこれを含む物であって、新たに販売されることになった食品
  2.  一般に食品として飲食に供されている物であってその物の通常の方法と著しく異なる方法により飲食に供されているため人の健康を損なうおそれがない旨の確証がない当該食品
  3.  人の健康に係る重大な被害の発生が食品によるものと疑われる場合において、その被害の態様からみて、当該被害を生ずるおそれのある一般に飲食に供されることがなかった物が含まれていることが疑われる当該食品

販売禁止の場面:食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるとき

□禁止の解除(第4項)

解除者:厚生労働大臣

解除手続開始の場面:下記のいずれか。

  1.  第1項の規定による禁止に関し利害関係を有する者の申請があった。
  2.  解除の必要性がある。

解除の条件:禁止された特定の食品・添加物に起因する食品衛生上の危害が発生するおそれがないと認められること。

解除の内容:当該禁止の全部又は一部を解除する。

□公報(第5項)

内容:厚生労働大臣は、禁止をしたとき、又は禁止を解除したとき、官報で告示する。

特別の注意を要する成分を含む食品の販売規制(法第8条)

□指定成分等含有食品の届出義務(第1項)

「指定成分等含有食品」とは
「指定成分等」は、食品衛生上の危害発生防止の観点から特別の注意を必要とするものとして厚生労働大臣及び内閣総理大臣により指定された成分又は物を意味し、指定成分等を含む食品を「指定成分等含有食品」という。

義務者:指定成分等含有食品を取り扱う営業者

義務の発生場面:当該指定成分等含有食品が人の健康に被害を生じさせる又は生じさせるおそれがあるとの情報を得たとき

義務の内容:当該情報を都道府県知事等に届け出る。

□知事の対応義務(第2項)

義務者:第1項の届出を受けた都道府県知事等

義務の内容:当該情報を厚生労働大臣に報告する。

ポイント:報告を受けた厚生労働大臣は、次の措置を講ずる可能性がある。
報告徴収(根拠条項:第28条)
立入検査(根拠条項:第28条)
収去(根拠条項:第28条)
販売禁止・輸入禁止(根拠条項:第6条、第7条、第9条、第13条)


 指定成分等含有食品については、厚生労働省の公式ページを参照されたい。

 指定成分等含有食品(関係法令等) |厚生労働省


特定の食品及び添加物の輸入等の禁止(法第9条)

□輸入等の禁止(第1項)

権限者:厚生労働大臣

権限の内容:特定の食品・添加物について、人の健康を損なうおそれの程度その他の厚生労働省令で定める事由を勘案して、輸入等を禁止できる。

権限の発動場面:当該特定の食品・添加物に起因する食品衛生上の危害の発生を防止するため特に必要があると認めるとき

特定の食品・添加物の範囲:下記の各号に掲げる食品・添加物に該当するものが相当数発見された又は相当程度含まれるおそれがあると認められる場合

規定内容
第1号第6条各号に掲げる食品・添加物不衛生な食品・添加物
第2号第12条に規定する食品人の健康を損なうおそれがないものとして内閣総理大臣が定める添加物以外の添加物を含む食品
第3号第13条第1項の規定により定められた規格に合わない食品・添加物公衆衛生の見地から内閣総理大臣によって定められた販売の用に供する食品・添加物の成分についての規格に合わない食品・添加物
第4号第13条第1項の規定により定められた基準に合わない方法により添加物を使用した食品公衆衛生の見地から内閣総理大臣によって定められた販売の用に供する食品・添加物の製造・加工・使用・調理・保存の方法についての基準に合わない方法により添加物を使用した食品
第5号第13条第3項に規定する食品農薬・飼料添加物・動物用医薬品が、人の健康を損なうおそれのない量として内閣総理大臣が定める量を超えて残留する食品

特定の食品・添加物の発見方法:第26条第1項から第3項まで又は第28条第1項の規定による検査による

健康食品やサプリメントを輸入する際の注意事項

 健康食品やサプリメントを輸入する際は、薬機法が定める医薬品に該当する成分が含まれていなことを確認することが重要であり、医薬品に該当する成分が含まれる健康食品やサプリメントの輸入には薬機法に基づく厚生労働大臣の承認や許可等の複数の手続きが必要である。したがって、事業所を管轄する都道府県の薬務担当部署に事前相談することが重要である。

□禁止の解除(第3項)

解除者:厚生労働大臣

解除手続開始の場面:下記のいずれか。

  1.  第1項の規定による禁止に関し利害関係を有する者の申請があった。
  2.  解除の必要性がある。

解除の条件:禁止された特定の食品・添加物に起因する食品衛生上の危害が発生するおそれがないと認められること。

解除の内容:当該禁止の全部又は一部を解除する。

□公報(第4項)

内容:厚生労働大臣は、禁止をしたとき、又は禁止を解除したとき、官報で告示する。

肉類・乳製品などの輸入

【一言サマリー】

 第10条は、家畜の肉や乳及びその加工食品(獣畜の肉等)の輸入規制について定めている。

■輸出国政府機関発行の証明書(法第10条)

□衛生証明書の取得義務(第2項)

義務者:獣畜の肉等を食品として販売するために輸入する者

獣畜の肉等の範囲:

  1.  獣畜の肉・乳・臓器
  2.  家禽の肉・臓器
  3.  厚生労働省令で定める前二号の製品

義務の内容:獣畜の肉等を販売のために輸入する場合には、輸出国政府機関発行の証明書又はその写しを添付しなければならない。

輸出国政府発行の証明書の記載内容:輸出国政府機関発行の証明書は、下記の「衛生事項」を記載する。

  • 輸入する獣畜の肉等は、以下に掲げる動物に由来する肉、乳若しくは臓器又はこれらの製品ではない旨その他
    • 第10条第1項各号に掲げる疾病にかかっている又はその疑いがある獣畜又は家きん
    • 第10条第1項各号に掲げる異常がある獣畜又は家きん
    • へい死した獣畜又は家きん
  • 厚生労働省令(施行規則第9条)で定める事項

輸出国政府発行の証明書の例外:輸出国政府機関発行の証明書の記載事項が、当該政府機関から厚生労働省の電子計算機に送信され、電子ファイルとして記録される場合

<獣畜の肉等の範囲>

施行規則第8条(法第10条第2項関係)
 法第10条第2項の「厚生労働省令で定める前二号の製品」とは、食肉製品並びに乳及び乳製品である。

<追加の政府機関発行の証明書>

施行規則第10条(法第10条第2項関係)
 輸出国の政府機関によって発行された証明書の対象が、輸出国以外の国で屠畜検査又は食鳥検査を行われた獣畜や家きんの肉又は臓器であるときは、屠畜検査又は食鳥検査を行った国の政府機関が発行した証明書の写しも添付する必要がある。

<電子ファイルによる証明書の代替>

施行規則第11条(法第10条第2項関係)
 アメリカ合衆国、オーストラリア及びニュージーランドから獣畜の肉等を輸入する場合、これらの国々は電子証明書に対応している。

家畜の肉や乳及びその加工食品を輸入するには、食品衛生法に定める検査申請だけでなく、家畜伝染病予防法に定める検査申請の必要がある。家畜伝染病予防法については本ブログの別記事を参照されたい。

添加物の輸入

■添加物等の輸入等の制限(法第12条)

内容:添加物並びにこれを含む食品等は、販売し、又は販売の用に供するために輸入してはならない。

例外:内閣総理大臣が人の健康を損なうおそれのないものとして定める場合を除く。

添加物の範囲:天然香料及び一般に食品として飲食に供されている物であって添加物として使用されるものを除く。


 人の健康を損なうおそれのない添加物については消費者庁のページを参照されたい。

食品添加物 | 消費者庁

重要な工程管理が必要な食品又は添加物の輸入

重要な工程管理が必要な食品・添加物の輸入規制(法第11条)

□重要な工程管理が必要な食品・添加物(第1項)

内容:下記の食品・添加物は、販売の用に供するために輸入してはならない。

  • 食品衛生上の危害の発生防止のために特に重要な工程を管理するための措置が講じられていることが必要なものとして厚生労働省令で定める食品・添加物

厚生労働省令で定める食品・添加物:獣畜・家きんの肉及び臓器(施行規則第11条の2第1項)

例外:当該措置が講じられていることが確実であるとして厚生労働大臣が定める国・地域・施設において製造・加工されたもの

□食品衛生上の管理状況の証明が必要な食品・添加物(第2項)

内容:下記の食品・添加物は、販売の用に供するために輸入してはならない。

  • 生産地における食品衛生上の管理の状況の証明が必要であるものとして厚生労働省令で定める食品・添加物

証明の目的:第6条各号に掲げる食品・添加物のいずれにも該当しないことその他厚生労働省令で定める事項の確認

厚生労働省令で定める食品・添加物:生食用のかき・ふぐ(施行規則第11条の2第2項)

例外:輸出国の政府機関によって発行され、かつ、当該事項を記載した証明書又はその写しを添付したもの

食品又は添加物の基準・規格の制定

【一言サマリー】

 第13条は、公衆衛生の視点から、販売の用に供する食品・添加物に関する基準・規格、当該基準・規格に適合しない食品・添加物の輸入等の禁止について定めている。

基準及び規格に合わない食品等の輸入等の禁止(法第13条)

□製造・加工等の方法基準及び成分規格(第1項)

内容:内閣総理大臣は、下記に掲げる基準・規格を定めることができる。

  • 販売の用に供する食品や添加物の製造・加工・使用・調理・保存の方法の基準
  • 販売の用に供する食品や添加物の成分規格

□基準・規格に合わない食品等への対応(第2項)

対応の前提:第1項の規定により基準・規格が定められた

対応の内容:

  • 基準に合わない方法による食品・添加物の製造・加工・使用・調理・保存の禁止
  • 基準に合わない方法による食品・添加物の販売・輸入の禁止
  • 規格に合わない食品・添加物の製造・輸入・加工・使用・調理・保存・販売の禁止

□残留農薬等に関する規制(第3項)

規制の内容:農薬・飼料添加物・動物用医薬品が人の健康を損なうおそれのない量として内閣総理大臣が定める量を超えて残留する食品の販売・販売の用に供するための輸入を禁止する。

例外:「農薬・飼料添加物・動物用医薬品」について第1項の規格が定められている場合には、第1項の規定が第3項の規定よりも優先される。


 第1項の基準・規格は、次のページで参照できる。

食品別の規格基準について |厚生労働省

器具及び容器包装の輸入規制

【一言サマリー】

 第16条及び第17条は、人の健康を損なうおそれがある器具及び容器包装の輸入規制について定めている。

有毒有害な器具・容器包装の輸入等の禁止(法第16条)

内容:下記に掲げるような器具・容器包装は、販売し、又は販売の用に供するために輸入してはならない。

  • 有毒・有害な物質が混入・付着していることで人の健康を損なうおそれがある器具・容器包装
  • 食品・添加物に接触してこれらに有害な影響を与えることにより人の健康を損なうおそれがある器具・容器包装

特定の器具及び容器包装の輸入等の禁止(法第17条)

□輸入等の禁止(第1項)

権限者:厚生労働大臣

権限の内容:特定の器具・容器包装について、人の健康を損なうおそれの程度その他の厚生労働省令で定める事由を勘案して、輸入等を禁止できる。

権限の発動場面:当該特定の器具・容器包装に起因する食品衛生上の危害の発生を防止するため特に必要があると認めるとき

特定の食品・添加物の範囲:下記の各号に掲げる器具・容器包装に該当するものが相当数発見された又は相当程度含まれるおそれがあると認められる場合

規定内容
第1号第16条に規定する器具・容器包装有毒若しくは有害な物質が含有若しくは付着していることで又は有害な影響を食品・添加物に与えることにより人の健康を損なうおそれがある器具や容器包装
第2号第18条第1項の規定により定められた規格に合わない器具・容器包装公衆衛生の見地から内閣総理大臣によって定められた器具や容器包装又はこれらの原材料の規格に合わない器具や容器包装
第3号第18条第3項の規定に違反する器具・容器包装器具や容器包装の原材料に含まれる物質の、器具や容器包装中の許容含有量又は器具や容器包装からの許容溶出・浸出量が法第十八条第一項に定められていない場合における、その原材料を使用して製造された器具や容器包装

特定の器具・容器包装の発見方法:第26条第1項から第3項まで又は第28条第1項の規定による検査による

□第9条第3項・第4項の規定の準用(第3項)

内容:第9条第3項・第4項の規定は、第1項の規定による禁止が行われた場合について準用する。


器具又は容器包装の基準・規格の制定

【一言サマリー】

 第18条は、公衆衛生の視点から、販売の用に供する又は営業上使用する器具・容器包装に関する基準・規格、当該基準・規格に適合しない器具・容器包装の輸入等の禁止について定めている。

基準及び規格に合わない器具・容器包装の輸入等の禁止(法第18条)

□成分規格及び製造方法基準(第1項)

内容:内閣総理大臣は、下記に掲げる基準・規格を定めることができる。

  • 販売の用に供し、又は営業上使用する器具・容器包装又はこれらの原材料の規格
  • 販売の用に供し、又は営業上使用する器具・容器包装の製造方法基準

□規格・基準に合わない器具・容器包装への対応(第2項)

対応の前提:第1項の規定により規格・基準が定められた

対応の内容:

  • 規格に合わない器具・容器包装の販売・製造・輸入・営業上使用の禁止
  • 規格に合わない原材料の使用の禁止
  • 基準に合わない方法による器具・容器包装の製造の禁止

□成分の溶出・浸出に関する規制(第3項)

規制の内容:第1項の規格に下記のいずれかの量が定められていない場合、その原材料を使用して製造された器具・容器包装の使用を禁止する。

  • 器具・容器包装の原材料に含まれる物質の器具・容器包装中の許容含有量
  • 器具・容器包装の原材料に含まれる物質の器具・容器包装からの許容溶出・浸出量

例外:当該物質が「人の健康を損なうおそれがない量」として内閣総理大臣が定めた基準を超えて溶出しないように加工されている器具・容器包装については、その使用が認められる(食品に接触する部分に使用される場合を除く)。


 第1項の基準・規格は、次のページで参照できる。

器具・容器包装、おもちゃ、洗浄剤 | 消費者庁

乳幼児向けおもちゃの輸入

 第68条第1項は、乳幼児向けの玩具の製造・輸入・販売等に関する規制について定めている。

■乳児向けおもちゃ・洗浄剤の輸入等の規制(法第68条)

□食品衛生法の規定の乳幼児向けおもちゃへの準用(第1項)

内容:乳幼児が接触することによりその健康を損なうおそれがあるものとして厚生労働大臣及び内閣総理大臣の指定する玩具について、下記に掲げる規定が準用される。

ポイント:乳幼児は、おもちゃをしゃぶったり、口の中に入れたりするため、乳幼児向け玩具も食品衛生法の規制を受ける。

□食品衛生法の規定の洗浄剤への準用(第2項)

内容:野菜・果実・飲食器の洗浄の用に供される洗浄剤について、下記に掲げる規定が準用される。


 本規定の対象となる指定おもちゃ・洗浄剤については、消費者庁の公式ページで公開されている厚生労働省の通知を参照されたい。

器具・容器包装、おもちゃ、洗浄剤 | 消費者庁

玩具と消費生活用製品安全法

 乳幼児用玩具を輸入して国内で販売するには、玩具が食品衛生法と消費生活用製品安全法の規格・基準に適合していることに加え、輸入者が消費生活用製品安全法に基づく手続を済ませている必要がある。

 消費生活用製品安全法の詳細については、経済産業省の公式ページを参照されたい。

製品安全ガイド (METI/経済産業省)

表示及び広告

【一言サマリー】

 第19条及び第20条は、食品等の広告・表示に関する規定を定めている。

第十九条 
② 前項の規定により表示につき基準が定められた器具又は容器包装は、その基準に合う表示がなければ、これを販売し、販売の用に供するために陳列し、又は営業上使用してはならない。
③ 販売の用に供する食品及び添加物に関する表示の基準については、食品表示法(平成二十五年法律第七十号)で定めるところによる。

第二十条 食品、添加物、器具又は容器包装に関しては、公衆衛生に危害を及ぼすおそれがある虚偽の又は誇大な表示又は広告をしてはならない。

器具又は容器包装の表示の基準の制定(法第19条)

□基準の制定(第1項)

制定者:内閣総理大臣

内容:公衆衛生上必要な情報の正確な伝達の見地から、第18条の規格・基準が定められた器具・容器包装に関する表示につき、必要な基準を定めることができる。

□基準に合う表示のない器具・容器包装への対応(第2項)

対応の前提:第1項の規定により表示の基準が定められた

内容:基準に合う表示がない器具・容器包装について、その販売・販売の用に供するための陳列・営業上の使用を禁止する。

□食品・添加物の表示基準(第3項)

内容:販売の用に供する食品・添加物の表示の基準は、食品表示法で定められている。


 食品表示法については、消費者庁のページを参照されたい。

食品表示法等(法令及び一元化情報) | 消費者庁


虚偽表示等の禁止(法第20条)

内容:食品・添加物・器具・容器包装に関して、公衆衛生に危害を及ぼすおそれがある虚偽の又は誇大な表示・広告をしてはならない。

輸入食品監視指導計画

【一言サマリー】

 第23条は、厚生労働大臣が定める輸入食品監視指導計画に関する規定を定めている。

第二十三条 厚生労働大臣は、指針に基づき、毎年度、翌年度の食品、添加物、器具及び容器包装の輸入について国が行う監視指導の実施に関する計画(以下「輸入食品監視指導計画」という。)を定めるものとする。
② 輸入食品監視指導計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 生産地の事情その他の事情からみて重点的に監視指導を実施すべき項目に関する事項
二 輸入を行う営業者に対する自主的な衛生管理の実施に係る指導に関する事項
三 その他監視指導の実施のために必要な事項
③ 厚生労働大臣は、輸入食品監視指導計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。
④ 厚生労働大臣は、輸入食品監視指導計画の実施の状況について、公表するものとする。

輸入食品監視指導計画(法第23条)

□輸入食品監視指導計画の制定(第1項)

制定者:厚生労働大臣

内容:毎年度、翌年度の食品・添加物・器具・容器包装の輸入について国が行う監視指導の実施に関する輸入食品監視指導計画を定める。

□輸入食品監視指導計画の内容(第2項)

  1.  生産地の事情その他の事情からみて重点的に監視指導を実施すべき項目に関する事項
  2.  輸入を行う営業者に対する自主的な衛生管理の実施に係る指導に関する事項
  3.  その他監視指導の実施のために必要な事項

□輸入食品監視指導計画の公表(第3項)

公表者:厚生労働大臣

公表の時機:

  • 輸入食品監視指導計画の策定があったとき
  • 輸入食品監視指導計画の変更があったとき

□実施の状況の公表(第4項)

公表者:厚生労働大臣

公表の内容:輸入食品監視指導計画の実施状況を公表する。

ポイント:日本に輸入される食品、添加物、器具、容器包装及び乳幼児向け玩具の安全性を確保するためには、輸出国における生産の段階から輸入後の国内流通までの各段階において監視指導を実施する必要がある。

 最新の輸入食品監視指導計画については、次のリンク先のページから参照されたい。

 監視指導・統計情報 |厚生労働省


 ここまで、「食品等」に含まれる個々の商品の輸入を規制する規定を説明した。ここからは、輸入した食品等を用いてする営業に関する規定及び本法の罰則を説明する。

営業

【一言サマリー】

 第53条及び第58条~第60条は、輸入等により供給する食品等の営業に関する規定を定めている。

輸入した器具・容器包装が規格に適合している旨の説明(法第53条)

内容:第18条第3項の規定に関連し、次の表に示す者は、その取引の相手に対し、その取引の対象が当該規定に適合していることを説明する。

第1項第2項
説明者第18条第3項に規定する原材料が使用された器具・容器包装の輸入等をする者第18条第3項に規定する原材料の輸入等をする者
説明相手器具・容器包装の購入者原材料を使用して器具・容器包装を製造する者
説明内容器具・容器包装が第18条第3項の規定に適合していること原材料が第18条第3項規格に適合していること
説明の義務義務努力義務

食品等の回収の届出(法第58条)

□知事への届出義務(第1項)

届出が必要になる場面:下表に掲げる本法の規定若しくは当該規定による禁止に違反し、又は違反するおそれがある場合において、輸入等により供給した食品等を回収するとき

規定の違反が問題になる場合(第1号)規定による禁止の違反が問題になる場合(第2号)
第6条
第10条
第11条
第12条
第13条第2項若しくは第3項
第16条
第18条第2項若しくは第3項、又は
第20条
第9条第1項、又は
第17条第1項

届出義務者:営業者

義務の内容:回収に着手した旨及び回収状況を都道府県知事に届け出なければならない。

□報告義務(第2項)

義務者:第1項を受けた都道府県知事

義務の内容:当該情報を厚生労働大臣又は内閣総理大臣に報告しなければならない。

※本条において、「都道府県知事」は、保健所を設置する市又は特別区では「市長」又は「区長」とされる(法第七十六条)。

違反食品等の廃棄その他必要な処置の命令(法第59条)

□廃棄等の命令(第1項)

命令発出者:厚生労働大臣又は都道府県知事

命令の内容:営業者が下表に掲げる本法の規定又は当該規定による禁止に違反した場合には、その食品等の廃棄その他の必要な処置をとることを命ずることができる。

規定の違反が問題になる場合規定による禁止の違反が問題になる場合
第6条
第10条
第11条
第12条
第13条第2項若しくは第3項
第16条、又は
第18条第2項若しくは第3項
第9条第1項、又は
第17条第1項

□虚偽表示等禁止違反に対する命令(第2項)

命令発出者:内閣総理大臣又は都道府県知事

命令の内容:営業者が第20条の規定に違反した場合には、その食品等の廃棄、虚偽誇大広告・表示の是正その他必要な処置をとることを命ずることができる。

※本条において、「都道府県知事」は、保健所を設置する市又は特別区では「市長」又は「区長」とされる(法第76条)。

許可の取り消し・営業の禁停止(法第60条)

□輸入等の営業停止(第2項)

内容:厚生労働大臣は、食品等の輸入業者が下表に掲げる本法の以下の規定に違反した場合又は禁止に違反した場合において、営業の全部若しくは一部を禁止し、又は一定期間にわたって停止することができる。

※本条において、「都道府県知事」は、保健所を設置する市又は特別区では「市長」又は「区長」とされる(法第76条)。

罰則

 食品衛生法には、食品衛生法の各規程に違反した場合の罰則が定められている。ここでは、それらの罰則のうち、食品等の輸出入に関係する規定に違反した場合の罰則を紹介する。

違反内容条項罰則
(違反者)
罰則
(法人*)
第6条第68条第1項において準用する場合を含む。)、第10条第1項又は第12条第68条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反した第81条第1項第1号3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金**法人:1億円以下の罰金
人:300万円以下の罰金
第7条第1項から第3項までの規定による禁止に違反した第81条第1項第2号3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金**法人:1億円以下の罰金
人:300万円以下の罰金
第59条第1項第68条第1項において準用する場合を含む。)の規定による厚生労働大臣若しくは都道府県知事(第76条の規定により読み替えられる場合は、市長又は区長。以下同じ)の命令若しくは第59条第2項第68条第1項において準用する場合を含む。)の規定による内閣総理大臣若しくは都道府県知事の命令に従わない営業者又は第60条第68条第1項おいて準用する場合を含む。)の規定による処分に違反して営業を行つた者第81条第1項第3号3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金**法人:1億円以下の罰金
人:300万円以下の罰金
第13条第2項第68条第1項において準用する場合を含む。)若しくは第3項第19条第2項第68条第1項において準用する場合を含む。)又は第20条第68条第1項において準用する場合を含む。)の規定に違反した第82条2年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金**法人:1億円以下の罰金
人:200万円以下の罰金
第16条第68条第1項において準用する場合を含む。)の規定に違反した第82条2年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金**法人:200万円以下の罰金
人:200万円以下の罰金
第10条第2項第11条第18条第2項第68条第1項において準用する場合を含む。)若しくは第3項第25条第1項第68条第1項において準用する場合を含む。)、又は第26条第4項第68条第1項において準用する場合を含む。)の規定に違反した第83条第1号1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金法人:100万円以下の罰金
人:100万円以下の罰金
第9条第1項第68条第1項において準用する場合を含む。)又は第17条第1項第68条第1項において準用する場合を含む。)の規定による禁止に違反した第83条第2号1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金法人:100万円以下の罰金
人:100万円以下の罰金
第28条第1項第68条第1項において準用する場合を含む。)の規定による当該職員の臨検検査又は収去を拒み、妨げ、又は忌避した第85条第1号50万円以下の罰金法人:50万円以下の罰金
人:50万円以下の罰金
第28条第1項第68条第1項において準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした第85条第2号50万円以下の罰金法人:50万円以下の罰金
人:50万円以下の罰金
第27条第68条第1項において準用する場合を含む。)又は第58条第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者第85条第3号50万円以下の罰金法人:50万円以下の罰金
人:50万円以下の罰金
* 違反者が法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者である場合の当該法人又は人への罰則
** 情状により拘禁刑と罰金が併科される場合あり

 ここまで、食品等の輸入事業に直接的に関係のあると考えられる食品衛生法の条項を説明した。これらの条項以外にも、食品等の輸入事業に間接的に関係する条項、特に食品衛生法第5条、第14条、第21条~第22条、第24条、第29条~第47条、第48条~第52条、及び第54条~第57条を確認することをおすすめする。

まとめ

 食品等の輸入に関しては、最終的な責任は輸入者自身にあります。輸入届出や検査などの基本的な手続きを確実に行い、原材料や製造工程の安全性を証明できるよう準備しておくことが重要です。

 食品等を輸入する中小事業者にとっては、まず一般食品の輸入から始め、計画輸入制度などを活用しながら効率的に対応するのが現実的です。厚生労働省や検疫所への事前相談を欠かさず、最新の監視指導情報を確認することで、リスクを最小限に抑えることができます。

 輸入事業者向けのチェックリストを提示することでこの記事を終えたいと思います。

  1. 輸入届出
    • 厚生労働省検疫所へ輸入届出書を提出したか(法第27条)
    • 自家消費・研究用など届出不要ケースに該当しないか確認したか
  2. 検査確認
    • 必要な検査(モニタリング検査/検査命令/指導検査/行政検査)の対象か確認したか
    • 検査結果が出るまで販売・営業使用をしていないか
  3. 記録の保存
    • 原材料や販売先の記録を作成・保存しているか(法第3条)
    • 必要に応じて国や自治体へ記録を提供できる体制があるか
  4. 禁止規定の確認
    • 腐敗・有害物質・病原微生物などに該当しないか(法第6条)
    • 新規食材や特殊成分を含む食品又は新規加工法による食品ではないか(法第7条・第8条)
  5. 関連法令の確認
    • 植物防疫法・家畜伝染病予防法など、他法令の検査申請が必要か確認したか
    • 消費者庁や厚労省の最新基準・規格を参照したか
  6. 事前相談
    • 検疫所や関係省庁に事前相談を行ったか
    • 必要書類(衛生証明書・試験成績書など)を準備したか

 違反事例は厚生労働省の公式ページで確認できます。違反食品を輸入しないための事前調査にご活用ください。

 違反事例 |厚生労働省

また、輸入した食品をそのまま販売したり、さらに小分けしたり加工したりする事業を実施するときは許可や届出が必要になります。食品事業の許可や届出については、本ブログの別記事「食品事業を始めるときに必要な役所への手続き」もご参照ください。

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