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ペットの犬猫をシンガポールに連れて行くための準備と手続き

ペットと海外移住

シンガポール入国後の手続き

ペットを受け取るまで

 チャンギ国際空港に到着すると、ペットは飛行機から手荷物受取ターンテーブル近くの遺失物取扱いカウンター(Lost and Found Counter)へ運ばれます。そのペットの飼い主は、遺失物取扱いカウンターで受取書に署名をしますが、そこではペットを受け取れません。ペットは係員によって検疫所へ運ばれます。飼い主は、空港ターミナルから自動車(タクシー)でチャンギ動植物検疫所(Changi Animal & Plant Quarantine Station: CAPQ)へ行く必要があります。

 空港ターミナルから検疫所までの道順は次のとおりです。

  1. 空港ターミナルからタクシーに乗って検疫所へ向かう
  2. 検疫所への途中にパスセンターがあり、そのパスセンターでタクシーを降りる
  3. パスセンターで番号表とフォームを受け取り、フォームに必要事項を記入する
  4. 番号が呼ばれたらインポートライセンスとパスポートを渡して訪問パスをもらう
  5. 訪問パスを受け取ったらパスセンターから検疫所までバスで移動する
  6. パスセンターから3番目の停留所でバスを降り、停留所の右方50メートルの所にある検疫所まで進む
パスセンターから検疫所までのコース

 パスセンターにおいて訪問パスと引き換えにパスポートを渡してしまうので、(おそらく使うことはないと思いますが)念のために身分証明書になる何か別の書類(国外運転免許証等)を用意しておくと便利かもしれません。CAPQのホームページではパスセンターで乗り換えするようにと書かれていますが、インターネット上にはUberなどのライドシェアではなく、タクシー会社のタクシー(実際には「(日本でいうところの)二種免許を持っているドライバーのタクシー」と書かれています)なら訪問パスを受け取った後もCAPQの近くまでタクシーで進めるという情報もあります。飼い主は検疫所で書類を提出してペットを引き取ります。検疫所で提出する書類は以下のとおりです。

  • (狂犬病とその他の病気の)ワクチン接種証明書の原本
  • 狂犬病抗体価検査結果通知書の原本
  • 健康証明書の原本
  • インポートライセンスのプリント

 検疫所から解放された後、車で検疫所まで迎えに来てくれる人がいない場合ではシンガポール内の滞在先まで公共交通機関(タクシーを含む)を利用することになりますが、シンガポールでは電車やバスへの犬猫の持ち込みは禁止されています。そのため専らタクシーを利用することになります。パスセンターで訪問パスを返却してパスポートを返してもらうことを忘れずにいましょう。

 シンガポール国民は、大きく中華系、マレー系、及びインド系の人々から構成されますが、マレー系の人々の信仰であるイスラム教では犬は不浄な動物とされています。シンガポールでは犬を連れているとイスラム教徒のタクシー運転手に乗車を拒否されることがあるかもしれませんが、宗教上の理由であることを理解していると後々気が楽になるでしょう。

ペットの受け取り後

 犬についてはインポートライセンスを取得する前にドッグライセンスを取得していますが、猫についてもライセンスの取得が義務付けられています。キャットライセンスもPALSシステムのページから申請することができます。シンガポール滞在中はペットが日本に帰国するまで、又は他の国へ移住するまでペットライセンスの更新が必要です。

日本に帰国するとき

 ペットと一緒に日本に帰国するための日本側の検疫の手続きについてはこちらの記事をご覧ください。

 まず、日本に連れて行くために必要な処置(狂犬病予防接種と狂犬病抗体価検査)を行い、それぞれの証明書を得ます。必要な処置を受けるときは獣医に日本帰国の準備であることを伝えましょう。

 シンガポールから日本にペットを連れ出すためにはシンガポールのエクスポートライセンスを取得する必要があります。エクスポートライセンスの取得は、シンガポール出国までの30日以内にシンガポール政府のGoBuisiness Licensing Portalから行います。インポートライセンス申請時のように必要事項を記入し、狂犬病予防接種証明書、狂犬病抗体価検査結果通知書、及びペットライセンスを添付書類としてアップロードしてエクスポートライセンスを申請します。エクスポートライセンスの有効期間及び交付手数料もインポートライセンスと同じです。

 日本帰国便へのペット搭乗前10日以内に民間獣医師の健康診断を受け、日本の動物検疫所が配布しているForm AC(日本からシンガポールに連れてきたペットについてはForm REも可)に記入してもらって健康証明書を作成します。健康証明書とは別にチェックリストを完成させます。チェックリストの書式はAVSのホームページからダウンロードできます。

 健康証明書は次に獣医官による裏書を得ますが、これより前に日本の動物検疫所にメールの添付書類として提出して記載内容に漏れがないかチェックしてもらうこともできます。

 並行してシンガポール政府のGoBuisiness Licensing PortalからVeterinary Certificate for Non-food Animalsの申請を行い、申請番号を書き留めます。

 健康証明書のエンドースメント(裏書)のために必要書類をまとめてAVSドロップオフボックスに投函します。AVSドロップオフボックスがある場所は、Level 1 Raffles Building, Singapore Botanic Gardens, Cluny Road, Singapore 259569です。投函する書類は以下のとおりです。

  • 狂犬病予防接種証明書
  • 狂犬病抗体価結果通知書
  • 申請番号を書き留めたノート
  • 輸出前健診を行った民間動物病院の獣医師の署名済みの動物健康証明書
  • 必要書類のチェックリスト

 AVSのページには書かれていませんが、チェックリストの書式の中には「輸入国の輸入許可(Country Import Permit)」のチェック欄があります。日本から電子的に届いた「届出受理書」をプリントして上記5種類の書類と一緒にAVSドロップオフボックスに投函するとよいと思います。

 健康証明書の書式にForm REを使用した場合、シンガポール入国のために日本の検疫所で発行してもらった輸出検疫証明書も上記5種類の書類と一緒にAVSドロップオフボックスに投函します。これは、Form REの中に輸出検疫証明書の証明書番号を記入する欄があるためです。

 日本入国に必須の処置ではありませんが、狂犬病以外の病気に対するワクチンの接種も健康証明書で証明する場合、そのワクチン接種の証明書も同様に上記5種類の書類と一緒にAVSドロップオフボックスに投函します。

 ドロップオフボックスへの必要書類の投函から2営業日後にエクスポートライセンスの正式な発行と健康証明書のエンドースメント(裏書)がなされます。

 シンガポール政府の獣医官による輸出前検査を受けることもできますが、日本の動物検疫所は民間獣医師による検査とシンガポールの獣医官による裏書でよしとしています。

 以上の手続きとは別に、利用する航空会社に連絡してペットの飛行機搭載のために予約、特に貨物取扱業者の予約をします。

タイムテーブル

到着前40日よりも前
  • 狂犬病予防接種(滞在中、予防接種の有効期間にギャップができないように接種)
  • 狂犬病抗体価検査(日本で検査してからシンガポールに入国の場合、検査結果は採血日から2年間有効)
到着前40日まで
  • 届出書の提出と届出受理書の受領(日本の動物検疫所への手続き)
出国前30日
  • エクスポートライセンスの取得
出国前10日以内
  • 民間獣医師による健康診断受診と健康証明書の作成
  • Veterinary Certificateの申請と申請番号の受領
  • 健康証明書のエンドースメント(必要書類の投函から2営業日後までに裏書完了)

 以上がシンガポールからペットを連れて出国するための手続きになります。同じペットを連れてシンガポールに戻る予定がない場合、日本到着後にPALSシステムのページにアクセスしてシンガポールのペットライセンスをキャンセルします。この手続きは、そのペットが犬でも猫でも必要です。

 ペットの犬猫をシンガポールへ長期滞在目的で連れていくときの準備について、シンガポール動物獣医局のホームページに記載されている情報を基に説明しました。ペット連れのシンガポール移住のための動物検疫手続についてサポートを必要としている方は行政書士渡邉光一事務所にご相談ください。

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