アメリカに入国できる犬の要件が2024年8月1日に変わりました

ペットの犬猫を香港に連れて行くための準備と手続き

ペットと海外移住

 香港のビジネス環境は悪化したという調査結果がでていますが、それでも香港における日系企業の数は2024年1月の時点で1,400社を超えています(JETROビジネス短信より)。在留邦人の数も24,000人を超えています(2021年、外務省統計)。そんな香港にビジネス等の目的で移住する人がペットの犬猫をで日本香港間で空輸するための準備と手続きについて説明します。

  ペットを飛行機で香港に持ち込む場合、貨物便での空輸のみが認められています。そのため、ペットの犬猫と香港に移住を予定されている方はペットの航空貨物輸送を行う専門業者に支援を求めてください。この記事は、香港の漁農自然護理署(Agriculture, Fishery and Conservation Department)のホームページの記述を基に、ペットの犬猫を香港へ空輸するための準備と手続きについて説明します。

 日本を出国するまでの手続きについては本ブログの記事「ペットと共に海外移住したいときの準備と手続き」をご覧ください。

ペットの犬猫と香港に入境するための要件と書類

ペットの要件

 日本は、オーストラリアやニュージーランドと共にグループ1に分類されています。日本から香港に持ち込まれる犬猫については以下の準備が必要になります。

入境が禁止される犬種と猫種

 香港に持ち込むことができない犬種と猫種は以下のとおりです。

  • 犬種
    • ピットブルテリア(アメリカンスタッフォードシャーテリア)
    • 土佐犬
    • ドゴ・アルヘンティーノ
    • ブラジリアン・ガードドッグ
    • 上記の犬種の交配種
  • 猫種
    • ベンガルヤマネコとイエネコの交配種(雑種1代~4代まで)

要件

  • ペットの犬猫は、60日齢以上である
  • ペットの犬猫は、妊娠4週間目以降ではない
  • ISO11784規格又はISO11785規格のマイクロチップを装着する
  • マイクロチップ装着後、香港入境365日前~14日前の間に予防接種を行う

 次に動物種ごとに必要な予防接種を紹介します。

イヌの場合
  • 狂犬病
  • 犬ジステンパー
  • 犬伝染性肝炎
  • 犬パルボウイルス感染症

 以上の感染症に対する予防接種が必要になります。予防接種を受けたら英文の予防接種証明書を作成してもらってください。

ネコの場合
  • 猫パルボウイルス感染症
  • 猫伝染性呼吸器症候群

 以上の感染症に対する予防接種が必要になります。予防接種を受けたら英文の予防接種証明書を作成してもらってください。猫を連れて日本に帰国する予定がある場合には日本から香港へ向けて出発する前に2回の狂犬病予防接種が必要になることは「ペットと共に海外移住したいときの準備と手続き」において既に説明しています。

必要書類

 香港到着時に提出する書類は以下のとおりです。

  • 動物健康証明書
  • 居住証明書
  • ワクチン接種証明書
  • キャプテン宣誓書

 動物健康証明書は、香港当局が配布するForm VC-DC1を使用して作成することができます。動物健康証明書は、渡航前14日以内に作成されることを要します。この動物健康証明書に記載されるべき内容として特に以下のものが挙げられます。

  • マイクロチップ番号
  • 当該動物は、感染症又は伝染病の兆候を示していない
  • 当該動物は、旅行できるほど健康である
  • 当該動物は、輸出国の当局が課す検疫上の制限に抵触していない
  • 当該動物が雌の場合、当該動物は妊娠していない、又は妊娠4週目未満である

 日本の動物検疫所での輸出検査の際に検疫官の署名と押印をもらって動物健康証明書を完成させます。

 居住証明書は、香港へ連れて行くペットの犬猫が、渡航前180日間にわたって又は出生以来ずっと輸出国に在住していたことを証明するための書類です。日本の動物検疫所が発行する輸出検疫証明書にこの事実を記載してもらうことができると思います。ペットの輸送業者又は動物検疫所に確認してみてください。

 キャプテン宣誓書は、輸出国から香港までの旅程において当該動物がクレートの中に居り、他の動物と接触することがなかったことを宣言する書類です。「航空公司証明書(機長宣章)」という名称の書式が利用可能です。キャプテン宣誓書の作成については利用する航空会社にお尋ねください。

香港入境のための手続き

 これまでペットの犬猫を香港に持ち込むために必要な処置と書類を説明してきました。ここからはペットの犬猫を香港に持ち込むための手順を説明します。実際には、ペットの犬猫の香港への輸送を依頼された業者が以下の手続きを支援/代行してくれます。日本出国のために必要な狂犬病予防接種及び狂犬病抗体価検査は実施済みであるものとします。

(ステップ1)輸入許可の取得

 香港漁農自然護理署のホームページからダウンロード可能なForm AF240とForm UN110に必要事項を記入します。これらの書類とパスポートのコピー、及び返信用の封筒を香港漁農自然護理署のライセンシングオフィスへ郵送して輸入許可を申請します。

 輸入許可には申請料金の支払いが必要であり、その金額は432香港ドルです。ペットの数が増える毎に102香港ドルの追加料金の支払いが必要です。申請料金は、依頼した輸送業者を介して香港政府に支払われるものと考えます。輸送業者にお尋ねください。

 ライセンシングオフィスが申請書を受け取ってから輸入許可を出すまで3営業日の時間がかかります。発行された輸入許可は発行日から6か月間にわたって有効です。輸入許可証は2枚組です。1枚は貨物便にペットを搭乗させるときに必要になり、残りの1枚は香港の貨物ターミナルでペットを受け取るときに必要になります。

(ステップ2)ワクチン接種

 もし狂犬病予防接種以外のワクチン接種をこの時点までに行っていなかった場合、輸入許可取得から6か月の間に必要なワクチン接種を行います。

(ステップ3)動物健康証明書等の作成

 香港への渡航前14日以内に動物健康証明書を作成します。動物検疫所での輸出検査時に検疫官の署名と押印をもらって動物健康証明書を完成させます。輸出検疫証明書にペットの居住証明を記載してもらって居住証明書とします。利用する貨物便を運航する航空会社にキャプテン宣誓書を作成してもらいます。香港当局に証明書類をチェックしてもらうことも可能です。

(ステップ4)輸出

 香港に到着する少なくとも24時間前にペットの輸送業者から香港の税関にペットが香港に到着する旨の連絡があります。香港に到着したペットは貨物便のターミナルにある施設に移され、飼い主が受け取りに来るまでそこで係留されます。

(ステップ5)ペットの受け取り

 ペットが到着した貨物ターミナルのカスタマーカウンターで航空貨物運送状の番号及び身分証明書を示してペット輸送のために航空会社に提出していた書類及び搬出許可書(Shipment Release Form)を受け取ります。その後、貨物受け取りカウンターで搬出許可書を提出してペットを受け取ります。

(ステップ6)ペットの犬の登録

 香港では5か月齢以上の犬はドッグライセンスを取得しなくてはなりません。ドッグライセンスの取得にはマイクロチップを装着していること、及び狂犬病予防接種を行っていることが必要です。

 以上、ペットの犬猫を香港に持ち込むための準備と手続きについて説明しました。実際には必要な手続きをペットの輸送会社に依頼するため、依頼した会社に詳細をお尋ねください。次に香港から日本にペットを連れて帰国するための手続きを簡単に説明します。

日本に帰国するとき

 ペットと一緒に香港から日本に帰国するための日本側の検疫の手続きについてはこちらの記事をご覧ください。まず、日本に帰国するために必要な狂犬病予防接種の証明書と狂犬病抗体価検査の結果通知書を用意します。日本帰国便搭乗前10日以内に登録民間獣医師による輸出前健診を受け、動物健康証明書を作成してもらいます。

 健康証明書の裏書を申請するためにForm AF300-HCAに必要事項を記入します。動物健康証明書をはじめとする次の書類を香港漁農自然護理署のサーティフィケーションデスクへ持参して動物健康証明書の裏書を申請し、香港政府の獣医官の裏書をもらいます。裏書の料金として155香港ドルを支払います。申請して裏書された動物健康証明書を受け取るまで1営業日がかかります。

動物健康証明書の裏書のために持参する書類

  • Form AF300-HCA
  • 動物健康証明書
  • 狂犬病予防接種証明書
  • 狂犬病抗体価検査結果通知書
  • 香港のドッグライセンス(犬の場合のみ)
  • 日本の動物検疫所が発行した届出受理書
  • 香港渡航時に日本の動物検疫所が発行した輸出検疫証明書

 こうして裏書を得た健康証明書が日本の動物検疫所に提出する輸出国政府機関発行の証明書になります。

 以上、香港から日本に帰国するときの手続きを簡単に説明しました。

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