先に挙げた許認可業務及び民事法務業務の他、行政書士の取扱業務の大きなカテゴリーとして国際業務を挙げることができます。この国際業務とはどういったものでしょうか。
行政書士業務で「国際業務」というと外国人が合法的に日本に滞在することを支援するための一連の業務や輸出入管理に関わる業務等のことを意味します。とりわけ、外国人が中長期にわたって合法的に日本に滞在することを目的として日本に入国することを支援するための業務を意味することが多いです。以下、細かい話になります。
外国人が日本に入国しようとするとき、空港又は国際港で入国審査を受けますが、観光等の目的での滞在以外では有効なビザに加えて在留資格認定証明書を所持していると日本への入国が容易になります。この在留資格認定証明書の交付申請は日本にいる外国人本人のほか、その外国人を受け入れようとする機関の職員が代理人として地方出入国管理局に出頭のうえ、申請書を提出して行います。行政書士は申請者及び代理人に代わって申請書類を提出することができ、これを取次と言います。申請取次の部分に関しては、行政書士は代理人ではなく、民法上の「使者」に近い存在にあたります。申請取次の資格を得た行政書士は、在留資格認定証明書交付申請、資格外活動許可申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請、永住許可申請等を行うことができるようになります。
日本国内に中長期滞在する外国人は、原則として在留資格を有することが求められます。そしてその外国人が日本国内で行おうとする活動が在留資格に該当する、又はその外国人の身分若しくは地位が在留資格に該当することが必要とされます。上記の活動は大きく5種類のクラスに分けられ、それぞれのクラスの下位に複数のサブクラスがあります。活動を基準として在留が認められた場合、その認められた活動と別の活動をすることは原則としてできません。例えば、ある外国人が留学で滞在許可を得たにもかかわらず、留学生として認められている時間を超えてアルバイトをすることは、その外国人が後に在留期間更新や在留資格変更許可申請をするときに問題となります。