野菜や果物、花卉や植木を外国から輸入したり、外国に輸出したりするときは、害虫や植物の病気を外国から持ち込んだり、外国に持ち出さないようにするために事前に検査する必要する必要があります。
「植物防疫法」は、輸出入植物及び国内植物の検疫、並びに植物に有害な動植物の発生予防、駆除及びまん延防止を規定している法律です。この記事は、植物防疫法のうち、輸出入植物の検疫に係る規定を紹介することを目的としています。
第一章 総則
(法律の目的)
第一条 この法律は、輸出入植物及び国内植物を検疫し、並びに植物に有害な動植物の発生を予防し、これを駆除し、及びそのまん延を防止し、もって農業生産の安全及び助長を図ることを目的とする。
(定義)
第二条 この法律で「植物」とは、顕花植物、しだ類又はせんたい類に属する植物(その部分、種子、果実及びむしろ、こもその他これに準ずる加工品を含む。)で、次項の有害植物を除くものをいう。
2 この法律で「有害植物」とは、真菌、粘菌及び細菌並びに寄生植物及び草(その部分、種子及び果実を含む。)並びにウイルスであって、直接又は間接に有用な植物を害するものをいう。
3 この法律で「有害動物」とは、昆虫、だに等の節足動物、線虫その他の無脊椎動物又は脊椎動物であって、有用な植物を害するものをいう。
4 この法律で「登録検査機関」とは、第十条の四第一項の規定により農林水産大臣の登録を受けた者をいう。
(法律の目的)
本法律は、農業生産の安全及び助長を目的としており、そのために輸出入植物及び国内植物の検疫、並びに植物に有害な動植物の発生予防、駆除及びまん延防止に関する事項を定めています(法第一条)。
(定義)
法第二条は、本法律で用いられる用語を定義しています。本法律では植物は「植物」と「有害植物」に分類され、「植物」は、「有害植物」を除く顕花植物、しだ類又はせんたい類に属する植物(植物体全体ならびにその部分、種子、果実及びむしろ、こもその他加工品)を意味します(法第二条第一項)。
次の各号に掲げる物は、第一項の植物に該当しません(輸入植物検疫規程第六条)。
- 製材、防腐木材、木工品、竹工品及び家具什器等の加工品
- 木材こん包材(加工又は処理が行われていない木材を用いて製造された、パレット、ダンネージ、木枠、こん包ブロック、ドラム、木箱、積載板、パレットカラー、スキッドその他のこん包材にあっては、生産国において国際植物防疫条約に基づき設置された植物検疫措置に関する委員会が定める植物検疫措置に関する国際基準第十五(ISPM十五)の付属書一の規定に適合する消毒が行われ、かつ、当該国際基準第十五の付属書二の規定に適合する方式による表示が付されているものに限る。)
- 籐及びコルク
- 麻袋、綿、綿布、へちま製品、紙、ひも、綱等の繊維製品及び粗繊維(原綿を含む。)であって植物の包装材料として使用されたことのないもの。
- 製茶、ホツプの乾花及び乾たけのこ
- 発酵処理されたバニラビーン
- 亜硫酸、アルコール、酢酸、砂糖、塩等につけられた植物
- あんず、いちじく、かき、キウイフルーツ、すもも、なし、なつめ、なつめやし、パインアツプル、バナナ、パパイヤ、ぶどう、マンゴウ、もも及びりゆうがんの乾果
- ココやしの内果皮を粒状にしたもの
- 乾燥した香辛料であって小売用の容器に密封されているもの
本法律でいう「有害植物」とは、真菌、粘菌及び細菌並びに寄生植物及び草(その部分、種子及び果実を含む。)並びにウイルスであって、直接又は間接に有用な植物を害するものをいいます。すなわち、本法律の「有害植物」は、科学的分類上の植物に限定されません(法第二条第二項)。
次の各号に掲げる物は、法第二条第二項の有害植物に該当しません(輸入植物検疫規程第七条)。
- 有用植物を直接又は間接に害しないちやわんたけ等の真菌、むらさきほこりかび等の粘菌、及びバチルス・フオスフオロイス等の細菌
- 死滅した有害植物
- まつたけ、きくらげ、マツシユルーム等の食用菌及び醸造用として使用する菌類
- ペニシリン、ストレプトマイシン等の薬剤を製造するのに使用する有用菌及び薬用地衣類
本法律でいう「有害動物」とは、昆虫、だに等の節足動物、線虫その他の無脊椎動物又は脊椎動物であって、有用な植物を害するものをいいます(法第二条第三項)。
次の各号に掲げる物は、法第二条第三項の有害動物に該当しません(輸入植物検疫規程第八条)。
- 有用植物を直接に害しない、しみ、むかで、ひる等
- 死滅した有害動物
- ヒマサン、モルモツト等の有用動物
本法律でいう「登録検査機関」とは、法第十条の四第一項の規定により農林水産大臣の登録を受けた者をいいます(法第二条第四項)。
植物防疫官
(植物防疫官及び植物防疫員)
第三条 この法律に規定する検疫又は防除に従事させるため、農林水産省に植物防疫官を置く。
2 植物防疫官が行う検疫又は防除の事務を補助させるため、農林水産省に植物防疫員を置くことができる。
3 植物防疫員は、非常勤とする。
(植物防疫官の権限)
第四条 植物防疫官は、有害動物若しくは有害植物であることの疑いのある動植物(以下この項において「疑いのある動植物」という。)又は有害動物若しくは有害植物が付着しているおそれがある植物、土若しくは農機具その他の農林水産省令で定める物品(以下「指定物品」という。)若しくはこれらの容器包装があると認めるときは、土地、貯蔵所、倉庫、事業所、船舶、車両又は航空機に立ち入り、当該疑いのある動植物並びに当該植物、土及び指定物品並びにこれらの容器包装等を検査し、関係者に質問し、又は検査のため必要な最少量に限り、当該疑いのある動植物若しくは当該植物、土若しくは指定物品若しくはこれらの容器包装を無償で集取することができる。
2 前項の規定による検査の結果、有害動物又は有害植物があると認めた場合において、これを駆除し、又はそのまん延を防止するため必要があるときは、植物防疫官は、当該有害動物若しくは有害植物を所有し、若しくは管理する者に対し、その廃棄を命じ、又は当該植物、土若しくは指定物品若しくはこれらの容器包装、土地、貯蔵所、倉庫、事業所、船舶、車両若しくは航空機を所有し、若しくは管理する者に対し、その消毒を命ずることができる。
3 前項の場合には、第二十条第一項の規定を準用する。
4 第一項の規定による立入検査、質問及び集取の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(証票の携帯及び服制)
第五条 植物防疫官及び植物防疫員は、この法律により職務を執行するときは、その身分を示す証票を携帯し、且つ、前条第一項の規定による権限を行うとき、又は関係者の要求があったときは、これを呈示しなければならない。
2 植物防疫官の服制は、農林水産大臣が定める。
(植物防疫官及び植物防疫員)
法第三条は、本法律に規定する検疫又は防除に従事・補助させるため、農林水産省に植物防疫官と植物防疫員を設置することを規定しています。植物防疫官は常勤の職員であり、植物防疫員は非常勤の職員になり、植物防疫官の業務を補助することになります。
(植物防疫官の権限)
法第四条は、植物防疫官の業務上の権限を規定しています。
植物防疫官は、有害動物若しくは有害植物であることの疑いのある動植物(以下「疑いのある動植物」)又は有害動物若しくは有害植物が付着しているおそれがある植物、土若しくは農機具その他の農林水産省令で定める物品(以下「指定物品」)若しくはこれらの容器包装があると認めるときは、次の措置を取ることができます(法第四条第一項)。
- 土地、貯蔵所、倉庫、事業所、船舶、車両又は航空機への立ち入り
- 当該疑いのある動植物並びに当該植物、土及び指定物品並びにこれらの容器包装等の検査
- 関係者への質問
- 検査のため必要な最少量に限っての、当該疑いのある動植物若しくは当該植物、土若しくは指定物品若しくはこれらの容器包装の無償集取
植物防疫官は、第一項の規定による検査の結果、有害動物又は有害植物があると認めた場合において、これを駆除し、又はそのまん延を防止するため必要があるときは、次の命令を発出することができます(法第四条第二項)。
- 廃棄命令:当該有害動物又は有害植物の所有者又は管理者に対して
- 消毒命令:当該植物、土、指定物品又はこれらの容器包装、土地、貯蔵所、倉庫、事業所、船舶、車両又は航空機の所有者又は管理者に対して
第二項に基づく上記の命令があり、以下の処分があった場合には、その処分によって通常発生する損失について、国が所有者又は管理者に対して補償を行います(法第四条第三項)。
- 有害動物又は有害植物の廃棄
- 植物・土壌・指定物品やその容器包装、土地、倉庫、事業所、船舶、車両、航空機などの消毒
ただし、第一項の規定による立入検査、質問及び集取の権限は、犯罪捜査のためのものではありません(法第四条第四項)。
(証票の携帯及び服制)
法第五条は、植物防疫官及び植物防疫員が身に着ける証票と植物防疫官の服制を規定しています。
植物防疫官及び植物防疫員は、本法律により職務を執行するときは、その身分を示す証票を携帯し、且つ、法第四条第一項の規定による権限を行うとき、又は関係者の要求があったときは、証票(第一号様式)を呈示しなければなりません(法第五条第一項)。植物防疫官の服制については、農林水産大臣がこれを定めます(法第五条第二項)。
第二章 国際植物検疫
輸出入植物の検疫
(検疫有害動植物)
第五条の二 この章で「検疫有害動植物」とは、まん延した場合に有用な植物に損害を与えるおそれがある有害動物又は有害植物であって、次の各号のいずれかに該当するものとして農林水産省令で定めるものをいう。
一 国内に存在することが確認されていないもの
二 既に国内の一部に存在しており、かつ、この法律その他の法律の規定によりこれを駆除し、又はそのまん延を防止するための措置がとられているもの
2 農林水産大臣は、前項の規定による農林水産省令を定めようとするときは、あらかじめ、有害動物又は有害植物の性質に関し専門の学識経験を有する者その他の関係者の意見を聴かなければならない。
法第五条の二は「検疫有害動植物」を定義しています。「検疫有害動植物」とは、まん延した場合に有用な植物に損害を与えるおそれがある有害動物又は有害植物であって、次の各号のいずれかに該当するものとして農林水産省令で定めるものをいいます(法第五条の二第一項)。
- 国内に存在することが確認されていないもの
- 既に国内の一部に存在しており、かつ、本法律その他の法律の規定によりこれを駆除し、又はそのまん延を防止するための措置がとられているもの
農林水産省令で定める有害動物又は有害植物は、植物防疫法施行規則別表一に定められています。
農林水産大臣は、農林水産省令で「検疫有害動植物」を定めようとするときは、有害動物又は有害植物の性質に関し専門の学識経験を有する者その他の関係者の意見を事前に聴かなくてはなりません(法第五条の二第二項)。
輸入規制
(輸入の制限)
第六条 輸入する植物(栽培の用に供しない植物であって、検疫有害動植物が付着するおそれが少ないものとして農林水産省令で定めるものを除く。以下この項及び次項において同じ。)又は指定物品(検疫有害動植物が付着するおそれがあるものとして農林水産省令で定めるものに限る。以下この章において「検疫指定物品」という。)及びこれらの容器包装は、輸出国の政府機関により発行され、かつ、その検査の結果検疫有害動植物が付着していないことを確かめ、又は信ずる旨を記載した検査証明書又はその写しを添付してあるものでなければ、輸入してはならない。ただし、次に掲げる植物又は検疫指定物品及びこれらの容器包装については、この限りでない。
一 植物検疫についての政府機関を有しない国から輸入する植物又は検疫指定物品及びこれらの容器包装であるためこの章の規定により特に綿密な検査が行われるもの
二 農林水産省令で定める国から輸入する植物又は検疫指定物品及びこれらの容器包装であって、検査証明書又はその写しに記載されるべき事項が当該国の政府機関から電気通信回線を通じて植物防疫所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。)に送信され、当該電子計算機に備えられたファイルに記録されたもの
2 農林水産省令で定める地域から発送された植物又は検疫指定物品で、第八条第一項の規定による検査を的確に実施するため当該植物の栽培の過程で特定の検疫有害動植物が付着していないことその他の農林水産省令で定める基準に適合していることについてその輸出国で検査を行う必要があるものとして農林水産省令で定めるものについては、前項の規定によるほか、輸出国の政府機関によりその検査の結果当該基準に適合していることを確かめ、又は信ずる旨を記載した検査証明書又はその写しを添付してあるものでなければ、輸入してはならない。この場合においては、同項ただし書(第一号を除く。)の規定を準用する。
3 植物、検疫指定物品及び次条第一項に規定する輸入禁止品は、郵便物として輸入する場合を除き、農林水産省令で定める港及び飛行場以外の場所で輸入してはならない。
4 植物、検疫指定物品及び次条第一項に規定する輸入禁止品は、小形包装物及び小包郵便物以外の郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第三項に規定する信書便物(次項において「信書便物」という。)としては、輸入してはならない。
5 植物、検疫指定物品又は次条第一項に規定する輸入禁止品を小形包装物及び小包郵便物以外の郵便物又は信書便物として受け取った者は、遅滞なく、その現品を添えて植物防疫所に届け出なければならない。
6 第一項本文又は第二項の農林水産省令を定める場合には、前条第二項の規定を準用する。
法第六条は、植物等の輸入の制限を規定しています。
検査証明書について
次の物品は、輸出国の政府機関により発行され、かつ、その検査の結果検疫有害動植物が付着していないことを確かめ、又は信ずる旨を記載した検査証明書又はその写しを添付してあるものでなければ、輸入できません(法第六条第一項)。
- 輸入する植物(栽培の用に供しない植物であって、検疫有害動植物が付着するおそれが少ないものとして農林水産省令で定めるものを除く。第一項及び第二項において同じ。)
- 指定物品(検疫有害動植物が付着するおそれがあるものとして農林水産省令で定めるものに限る。以下この章において「検疫指定物品」という。)
- これらの植物又は指定物品の容器包装
ただし、次に掲げる植物又は検疫指定物品及びこれらの容器包装については、この限りではありません。
- 植物検疫についての政府機関を有しない国から輸入する植物又は検疫指定物品及びこれらの容器包装であるためこの章の規定により特に綿密な検査が行われるもの
- 農林水産省令で定める国から輸入する植物又は検疫指定物品及びこれらの容器包装であって、検査証明書又はその写しに記載されるべき事項が当該国の政府機関から電気通信回線を通じて植物防疫所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。)に送信され、当該電子計算機に備えられたファイルに記録されたもの
第一号については、そもそも植物検疫についての政府機関を有しない国は、輸出検査証明書を発行できないため、第二号については、書面ではなく電子ファイルの形式で輸出検査証明書を発行するため、これらは例外とされています。
第一号の「植物検疫について政府機関を有しない国」は、輸入植物検疫規程第五条に記載されていない国です。
第一項の「栽培の用に供しない植物であって、検疫有害動植物が付着するおそれが少ないものとして農林水産省令で定めるもの」は、次のとおりです(施行規則第四条)。
- 乾燥され、かつ、圧縮されたもの
- 乾燥され、かつ、細断されたもの(センナの茎、オレンジの果実及び果皮並びにキャッサバの根を除く。)
- 乾燥され、かつ、破砕され、又は粉砕されたもの(オレンジ及びタマリンドの果実並びにキャッサバの根を除く。)
- 乾燥されたものであって、圧縮され、細断され、破砕され、又は粉砕されていないもの。ただし、木材及び次に掲げる植物ごとにそれぞれ次に定める部位を除く。
- イ いたりあかさまつ 葉、枝及び樹皮
- ロ エウカリプツス・スツアルチアーナ 葉、枝、花及び果実
- ハ エウカリプツス・ビミナリス 葉、枝、花及び果実
- ニ えごま 種子
- ホ カカオノキ 種子
- ヘ カスタネア・クレナタ 殻付きの種子
- ト グイボウルチア・ペレグリニアーナ 樹皮
- チ コエンドロ 葉及び種子
- リ こしようぼく 葉、枝、花及び果実
- ヌ ごま 種子
- ル ざくろ 果実
- ヲ さとうまつ 葉、枝及び樹皮
- ワ すぎ 果実
- カ せいようあぶらな 種子
- ヨ センナ 葉
- タ タマリンド 果実
- レ ちゆうごくぐり 殻付きの種子
- ソ なんようあぶらぎり 種子
- ツ においくろたねそう 種子
- ネ はますげ 葉及び茎
- ナ ピヌス・マリチマ 葉、枝及び樹皮
- ラ ひめういきよう 種子
- ム ブラジルナットノキ 殻付きの種子
- ウ べにばな 花及び種子
- ヰ めぼうき 葉及び種子
- ノ ももたまな 葉、枝及び花
- オ ようしゆねず 果実
- ク ヨーロッパぶな 葉、枝及び花
- ヤ わさびのき 葉及び果実
- マ くるみ属植物 核子
- ケ あかざ科植物 種子
- フ いね科植物 種子(麦芽を除く。)
- コ たで科植物 種子
- エ ひゆ科植物 種子
- テ まめ科植物 種子
- 凍結されたもの(くるみ属植物の核子を除く。)
ただし、肥料、飼料その他農林業の生産資材の用に供されるもの並びに別表二の十四及び十五の項の植物の欄に定めるものは、この限りではありません。
別表二の十四及び十五の項の植物の欄に定めるものとは、以下の通りです。
- おおむぎ属植物
- こむぎ属植物
- らいこむぎ属植物
- らいむぎ属植物
- かもじぐさ属植物
- いね
第一項でいう「検疫有害動植物が付着するおそれがあるものとして農林水産省令で定めるもの(検疫指定物品)」とは、次の物品のことをいいます(施行規則第五条)。ただし、次の第一号から第三号の指定物品は、中古の物品に限ります。
- 農業、園芸又は林業の用に供する機械(整地又は耕作の用に供するものに限る。)
- 農業の用に供する草刈機、乾草製造機、わら用若しくは牧草用のベーラー、収穫機又は脱穀機
- 農業用トラクター
追加の検査証明書について
農林水産省令で定める地域から発送された植物又は検疫指定物品については、法第八条に規定される輸入物品ついての検査を的確に実施するため、第一項の規定に則った輸出国政府機関発行の検査証明書又はその写しに加えて、輸出国の政府機関による追加の検査証明書又はその写しの添付が必要になります(法第六条第二項)。
- 目的:法第八条第一項の規定による検査を的確に実施するため
- 対象:農林水産省令で定める地域から発送された植物又は検疫指定物品であって、当該植物の栽培の過程で特定の検疫有害動植物が付着していないことその他の農林水産省令で定める基準に適合していることについてその輸出国で検査を行う必要があるものとして農林水産省令で定めるもの
- 内容:第一項の規定によるほか、輸出国の政府機関により当該検査の結果当該基準に適合していることを確かめ、又は信ずる旨を記載した検査証明書又はその写しを添付する
第二項の検査証明書又はその写しの添付においては、第一項ただし書に該当する第二号の規定を準用します。すなわち、電子ファイルの形式での追加の輸出検査の証明書も書面による証明書と同様に有効です。
第二項の農林水産省令で定める地域、植物又は検疫指定物品及び基準は、別表一の二のとおりです(施行規則第五条の二第一項)。施行規則第五条の二第一項に掲げる植物は、栽培の過程で検査を行う必要があるものについては、同項の地域において栽培されたものに限られます(施行規則第五条の二第二項)。
輸入拠点について
植物・検疫指定物品・法第七条第一項に規定する輸入禁止品は、郵便物として輸入する場合を除き、農林水産省令で指定する港及び飛行場を経由して輸入されなければなりません(法第六条第三項)。
農林水産省令で指定する港及び飛行場は、次の通りです(施行規則第六条)。
| 一 | 二 | 三 |
|---|---|---|
| 港 | 飛行場 | 植物又は検疫指定物品を携帯して輸入する場合に限り、利用可能な飛行場 |
| 紋別港、網走港、根室港、花咲港、釧路港、十勝港、苫小牧港、室蘭港、函館港、小樽港、石狩湾港、留萌港、稚内港、青森港、八戸港、久慈港、宮古港、釜石港、大船渡港、石巻港、仙台塩釜港、秋田船川港、能代港、酒田港、相馬港、小名浜港、日立港、常陸那珂港、鹿島港、木更津港、千葉港、京浜港、横須賀港、姫川港、直江津港、柏崎港、新潟港、伏木富山港、七尾港、金沢港、内浦港、敦賀港、福井港、田子の浦港、清水港、御前崎港、三河港、衣浦港、名古屋港、四日市港、津港、舞鶴港、阪南港、阪神港、姫路港、新宮港、日高港、和歌山下津港、鳥取港、境港、三隅港、浜田港、宇野港、水島港、福山港、尾道糸崎港、竹原港、呉港、広島港、岩国港、平生港、徳山下松港、三田尻中関港、山口港、宇部港、関門港、徳島小松島港、詫間港、丸亀港、坂出港、高松港、宇和島港、松山港、今治港、新居浜港、三島川之江港、高知港、須崎港、博多港、苅田港、三池港、唐津港、伊万里港、長崎港、佐世保港、比田勝港、厳原港、水俣港、八代港、三角港、熊本港、中津港、大分港、佐伯港、細島港、油津港、志布志港、鹿児島港、川内港、米ノ津港、金武中城港、那覇港、平良港、石垣港 | 旭川空港、新千歳空港、函館空港、青森空港、仙台空港、秋田空港、福島空港、百里飛行場、成田国際空港、東京国際空港、新潟空港、富山空港、小松飛行場、静岡空港、名古屋飛行場、中部国際空港、関西国際空港、大阪国際空港、神戸空港、美保飛行場、岡山空港、広島空港、高松空港、松山空港、北九州空港、福岡空港、長崎空港、熊本空港、大分空港、宮崎空港、鹿児島空港、那覇空港、嘉手納飛行場 | 釧路空港、帯広空港、花巻空港、山形空港、庄内空港、鳥取空港、出雲空港、山口宇部空港、徳島飛行場、高知空港、佐賀空港、下地島空港、新石垣空港 |
郵便による輸入について
植物、検疫指定物品及び法第七条第一項に規定する輸入禁止品(以下「輸入禁止品」)を輸入する場合には、小形包装物及び小包郵便物以外の郵便物又は信書便物(民間事業者が扱う信書便法上の郵便物のこと)次項において「信書便物」という。)の形態でそれらを輸入することはできません(法第六条第四項)。
すなわち、通常の封書や信書便で植物、検疫指定物品や輸入禁止品を送らせることはできません。植物、検疫指定物品や輸入禁止品を郵便物として輸入する場合には、小型包装物や小包郵便物として輸入することが可能です。
もし、植物、検疫指定物品又は輸入禁止品を小形包装物及び小包郵便物以外の郵便物又は信書便物として輸入してしまった場合、その輸入者は、遅滞なく、その現品を添えて植物防疫所に届け出なければなりません(法第六条第五項)。
農林水産省令で次の事項を定める場合には、有害動物又は有害植物の性質に関し専門の学識経験を有する者その他の関係者の意見を事前に聴く必要があります(法第六条第六項)。
- 第一項に関する事項
- 検疫有害動植物が付着するおそれが少ない植物
- 検疫有害動植物が付着するおそれがある物品
- 第二項に関する事項
- 発送元(地域)で検査を行う必要がある植物・指定検疫物品
- 当該植物・指定検疫物品の発送元(地域)
- 当該植物・指定検疫物品の基準
(輸入の禁止)
第七条 何人も、次に掲げる物(以下「輸入禁止品」という。)を輸入してはならない。ただし、試験研究の用その他農林水産省令で定める特別の用(第九条第三項各号において「試験研究等用途」という。)に供するため農林水産大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。
一 農林水産省令で定める地域から発送され、又は当該地域を経由した植物で、農林水産省令で定めるもの
二 検疫有害動植物
三 土又は土の付着する植物
四 前各号に掲げる物の容器包装
2 前項ただし書の許可を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣に許可の申請をしなければならない。
3 農林水産大臣は、前項の申請に係る輸入禁止品の輸入後においてこれを管理する施設が農林水産省令で定める技術上の基準に適合していると認めるときでなければ、第一項ただし書の許可をしてはならない。
4 第一項ただし書の許可を受けた場合には、同項ただし書の許可を受けたことを証する書面を添付して輸入しなければならない。
5 第一項ただし書の許可には、輸入の方法、輸入後の管理方法その他必要な条件を付することができる。
6 農林水産大臣は、第一項ただし書の許可に係る第三項の施設が同項の技術上の基準に適合しなくなったと認めるとき、又は第一項ただし書の許可を受けた者が前項の規定により付された条件に違反したときは、当該第一項ただし書の許可を取り消し、又は当該輸入禁止品の廃棄その他の必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
7 第一項第一号の農林水産省令を定める場合には、第五条の二第二項の規定を準用する。
法第七条は、輸入禁止品の範囲を示すと同時に、許可を受けた場合の輸入について規定しています。
次に掲げる物品は、輸入できません(法第七条第一項本文)。
- 農林水産省令で定める地域から発送され、又は当該地域を経由した植物で、農林水産省令で定めるもの
- 検疫有害動植物
- 土又は土の付着する植物
- 前各号に掲げる物の容器包装
第一号の「農林水産省令で定める輸入禁止地域及び輸入禁止植物」は、次のとおりです(施行規則第九条)。
- 別表二に掲げる地域及び植物
- 別表二の二に掲げる地域及び植物(同表に掲げる基準に適合しているものを除く。)
- 別表一の二に掲げる地域及び植物(栽培の過程で検査を行う必要があるものであって同表に掲げる地域において栽培されていないものに限る。)
次に掲げる物は第三号の土に含まれません(輸入植物検疫規程第九条)。
- 陶土
- りん鉱
- けいそう土
- ボーキサイト
- 有機質を混入しない砂れき
法第七条第一項に規定する輸入禁止品を輸入するには、試験研究の用その他農林水産省令で定める特別の用(法第九条第三項各号における「試験研究等用途」)に供するためとして、農林水産大臣の許可を受ける必要があります(法第七条第一項ただし書)。
「農林水産省令で定める特別の用」とは、次の用をいいます(施行規則第六条の二)。
- 博物館、植物園その他の公共の施設において、標本として展示し、又は保管すること。
- 犯罪捜査のための証拠物として使用すること。
- ウリミバエの防除を行うことを目的として、生殖を不能にされたウリミバエを生産するため、ウリミバエの繁殖の用に供すること。
- 法第四条第一項、法第八条及び法第十条の規定による検査(植物又は物品又はその容器包装の植物防護管による検査)に使用すること。
- 法第十六条の七の規定による調査(侵入警戒有害動植物の国内への侵入又は国内での分布の状況の調査)に使用すること。
- 法第十六条の八の規定による通報(侵入警戒有害動植物が、新たに国内に侵入し、又はまん延するおそれがあるとの通報)を行うために使用すること。
第一項ただし書の許可を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣に許可の申請をしなければなりません(法第七条第二項)。
第二項の許可の申請は、当該許可を受けようとする者の住所地を管轄する植物防疫所を経由して農林水産大臣に申請書(第二号様式)を提出して行います(施行規則第七条第一項)。
農林水産大臣が、第一項ただし書の規定による許可をしたときは、当該申請者に対し、輸入許可証票(第三号様式)及び輸入禁止品輸入許可指令書(第三号の二様式)を交付します(施行規則第七条第二項)。
ただし、許可の申請に係る輸入禁止品の輸入後においてこれを管理する施設が農林水産省令で定める技術上の基準に適合していると認められるときでなければ、農林水産大臣が第一項ただし書の許可をすることはありません(法第七条第三項)。
第三項の農林水産省令で定める技術上の基準は、次に掲げる基準になります(施行規則第七条の二)。
- 天井、壁及び床が、輸入禁止品が分散しない構造であって、振動、転倒、落下等による外部からの衝撃により容易に損壊しない構造であること。
- 輸入禁止品の種類に応じて出入口及び開口部に必要な分散防止措置がとられていること。
- オートクレーブ等の殺虫・殺菌設備その他輸入禁止品を適切に処理するために必要な設備を有していること。
- その他輸入禁止品の種類に応じて当該輸入禁止品の分散を防止するために必要な構造、設備及び機能を有していること。
- 輸入禁止品を安全かつ適切に管理できる知識及び技術を有する責任者を配置していること。
第一項ただし書の許可を受けた場合には、同項ただし書の許可を受けたことを証する書面を添付して輸入しなければなりません(法第七条第四項)。
具体的には、農林水産大臣から発給された輸入許可証票を発送人に送付し、当該輸入禁止品の各こん包に添付して発送させます(施行規則第七条第三項)。
農林水産大臣は、第一項ただし書の許可には、輸入の方法、輸入後の管理方法その他必要な条件を付することができます(法第七条第五項)。
第五項の規定によって付する条件は、通常次の事項です(施行規則第八条第一項)。
- 植物防疫所気付として輸入すること及びその他輸送又は荷造りの方法に関すること。
- 輸入した輸入禁止品の容器包装の輸入許可に関すること。
- 輸入した輸入禁止品の管理の場所及び期間その他の管理の方法に関すること。
- 輸入した輸入禁止品の管理の責任者に関すること。
- 当該輸入禁止品の譲渡その他の処分の制限又は禁止に関すること。
- 管理中の当該植物に検疫有害動植物が発生した場合における通知及びその措置方法に関すること。
輸入の方法、輸入後の管理方法その他必要な条件を付された許可を受け取った者は、当該条件の変更を農林水産大臣に申請することができます。農林水産大臣が当該申請の理由を正当であり、かつ、やむを得ないものと認めるときは、当該条件を変更し、植物防疫所を通じてその旨を当該申請者に通知します(施行規則第八条第二項)。
第一項ただし書の許可を受けた輸入禁止品であって第五項の条件に違反しないものには、輸入認可証(第八号様式)が押印、添付、又は交付されます(施行規則第十九条第二項)。
農林水産大臣は、次の場合において、第一項ただし書の許可を取り消し、又は当該輸入禁止品の廃棄その他の必要な措置をとるべきことを命ずることができます(法第七条第六項)。
- 第一項ただし書の許可に係る第三項の施設が同項の技術上の基準に適合しなくなったと認めるとき、又は
- 第一項ただし書の許可を受けた者が第五項の規定により付された条件に違反したとき
農林水産大臣は、第六項の規定により廃棄その他の必要な措置を命じた場合においては、輸入禁止品廃棄等命令書(第三号の三様式)を交付します(施行規則第七条第四項)。
農林水産省令で第一項第一号に関する次の事項を定める場合には、有害動物又は有害植物の性質に関し専門の学識経験を有する者その他の関係者の意見を事前に聴く必要があります(法第七条第七項)。
- 植物
- 当該植物の発送元である地域
(輸入植物等の検査)
第八条 植物、検疫指定物品又は輸入禁止品を輸入した者は、遅滞なく、その旨を植物防疫所に届け出て、その植物、検疫指定物品又は輸入禁止品及びこれらの容器包装につき、原状のままで、植物防疫官から、第六条第一項及び第二項の規定に違反しないかどうか、輸入禁止品であるかどうか、並びに検疫有害動植物(農林水産大臣が指定する検疫有害動植物を除く。第七項及び次条において同じ。)があるかどうかについての検査を受けなければならない。ただし、第三項の規定による検査を受けた場合及び郵便物として輸入した場合は、この限りでない。
2 前項の規定による検査は、第六条第三項の港又は飛行場の中の植物防疫官が指定する場所で行う。ただし、特別の事由があるときは、農林水産大臣が定める基準に適合するその他の場所のうち植物防疫官が指定する場所で行うことができる。
3 植物防疫官は、必要と認めるときは、輸入される植物又は検疫指定物品及びこれらの容器包装につき、船舶又は航空機内で輸入に先立って検査を行うことができる。
4 日本郵便株式会社は、通関手続が行われる事業所において、植物、検疫指定物品又は輸入禁止品を包有し、又は包有している疑いのある小形包装物又は小包郵便物の送付を受けたときは、遅滞なく、その旨を植物防疫所に通知しなければならない。
5 前項の通知があったときは、植物防疫官は、同項の小形包装物又は小包郵便物の検査を行う。この場合において、検査のため必要があるときは、日本郵便株式会社の職員の立会いの下に当該郵便物を開くことができる。
6 前項の規定による検査を受けていない小形包装物又は小包郵便物であって植物又は検疫指定物品を包有しているものを受け取った者は、その郵便物を添え、遅滞なく、その旨を植物防疫所に届け出て、植物防疫官の検査を受けなければならない。
7 農林水産省令で定める種苗については、植物防疫官は、第一項、第三項、第五項又は前項の規定による検査の結果、検疫有害動植物があるかどうかを判定するためなお必要があるときは、農林水産省令で定めるところにより、当該植物の所有者に対して隔離栽培を命じてその栽培地で検査を行い、又は自ら隔離栽培を実施することができる。
8 植物防疫官は、外国から入港した船舶又は航空機に乗ってきた者に対して、その携帯品(第一項又は第三項の規定による検査を受けた物を除く。)のうちに植物、検疫指定物品又は輸入禁止品が含まれているかどうかを判断するため、必要な質問を行うとともに、必要な限度において、当該携帯品の検査を行うことができる。
法第八条は、輸入した植物、検疫指定物品又は輸入禁止品の検査について規定しています。
植物、検疫指定物品又は輸入禁止品を輸入した場合には、植物防疫官による検査を受けなくてはなりません。ただし、第三項の規定による検査を受けた場合及び郵便物として輸入した場合は、この限りではありません(法第八条第一項)。
- 検査申請者:植物、検疫指定物品又は輸入禁止品を輸入しようとする者
- 申請方式:植物防疫所への届出
- 検査物品の態様:植物、検疫指定物品又は輸入禁止品及びこれらの容器包装を原状のまま検査に供する
- 検査の内容:
- 法第六条第一項及び第二項の規定の違反の有無(輸出国政府機関発行の検査証明書又はその写しを添付しているか否か)
- 輸入禁止品であるか否か
- 検疫有害動植物(農林水産大臣が指定する検疫有害動植物を除く。第七項及び第九条において同じ。)の有無
輸入検査の申請の方法は、施行規則第十条に定められています。
- 検査申請者:植物、検疫指定物品又は輸入禁止品を輸入しようとする者
- 申請タイミング:植物、検疫指定物品又は輸入禁止品を積載した船舶・航空機の入港・着陸後、遅滞なく
- 申請方法:植物防疫官に検査申請書(第四号様式)を提出
検査する数量及び方法については、輸入植物検疫規程第一条に定められています。
輸入拠点における検査について
第一項の規定に基づく検査は、法第六条第三項の港又は飛行場の中の植物防疫官が指定する場所で行われます。ただし、特別の事由があるときは、農林水産大臣が定める基準に適合するその他の場所のうち植物防疫官が指定する場所で行うことができます(法第八条第二項)。
第二項ただし書の植物防疫官が指定する場所に輸送される植物、検疫指定物品又は輸入禁止品及びこれらの容器包装については、輸送認可証(第八号の二様式)が押印、添付、又は交付されます(施行規則第十九条第三項)。
植物防疫官は、必要と認めるときは、輸入される植物又は検疫指定物品及びこれらの容器包装について、輸入に先立って船舶内または航空機内で検査を行うことができます(法第八条第三項)。
郵便物の検査について
植物、検疫指定物品又は輸入禁止品が郵便によって輸入される場合、その植物、検疫指定物品又は輸入禁止品は日本郵便株式会社の通関手続が行われる事業所に送付されることになります。
日本郵便株式会社は、植物、検疫指定物品又は輸入禁止品を包有し、又は包有している疑いのある小形包装物又は小包郵便物の送付を受けたときは、遅滞なく、その旨を植物防疫所に通知します(法第八条第四項)。
日本郵便株式会社からこの通知があったときは、植物防疫官は、その小形包装物又は小包郵便物の検査を行い、検査のため必要があるときは、日本郵便株式会社の職員の立会いの下に当該郵便物を開くことができます(法第八条第五項)。
もし植物又は検疫指定物品を包有している小形包装物又は小包郵便物が植物防疫官による検査を受けずに名宛人に届けられた場合、受領者は、その郵便物を添え、遅滞なく、その旨を植物防疫所に届け出て、植物防疫官の検査を受けなければなりません(法第八条第六項)
隔離栽培について
農林水産省令で定める種苗については、植物防疫官は、第一項、第三項、第五項又は前項の規定による検査の結果、検疫有害動植物があるかどうかを判定するためなお必要があるときは、農林水産省令で定めるところにより、当該植物の所有者に対して隔離栽培を命じてその栽培地で検査を行い、又は自ら隔離栽培を実施することができます(法第八条第七項)。
植物の病気には、植物を育ててみないと症状が現れない病気もあるため、このような規定があります。
農林水産省令で定める種苗は、次のとおりです(施行規則第十四条)。
- ゆり、チユーリツプ、ヒヤシンス等の球根
- ばれいしよの塊茎及びさつまいもの塊根
- かんきつ類、りんご、なし、くり等の果樹苗木
- さとうきびの生茎葉及び地下部
植物防疫官は、隔離栽培の必要性を認めるときは、当該種苗の収受を停止して(郵便物の場合にあっては当該種苗を日本郵便株式会社の事業所から受領して)当該種苗を輸入した者(郵便物の名宛人を含む)に対し文書(第五号様式)で次の事項を通知します(施行規則第十五条)。
- 当該植物を一定期間隔離された土地又は場所で栽培しなければならないこと。
- 植物防疫官の検査が終了するまでの期間当該種苗(その生産物を含む。以下施行規則第十五条及び施行規則第十七条第二項において同じ。)を隔離された土地又は場所の区域外へ移動してはならないこと。
- 隔離期間中当該種苗に検疫有害動植物が発生し、又は異状があったときは、その旨を遅滞なく植物防疫官に通知すべきこと。
- 植物防疫官の指示があったときは、その指示する措置を実施すべきこと。
これに対し、輸入者は、隔離栽培ができるかどうか、できる場合には隔離栽培する場所(位置及び付近の状況)及び管理責任者について植物防疫官に対して期限内に回答しなければなりません(施行規則第十五条)。
植物防疫官は、上記回答から隔離栽培が可能であると判断した場合、輸入者に対し、隔離栽培命令書(第六号様式)を添えて当該種苗を送付します(施行規則第十六条)。植物防疫官は、上記回答から隔離栽培を自ら実施することが適当であると判断した場合、当該種苗を植物防疫所に送付し、当該種苗を輸入した者にその旨を通知します(施行規則第十七条第一項)。
植物防疫官は、施行規則第十五条の通知に対する回答がないとき又は隔離栽培することができない旨の回答があり、且つ、自ら隔離栽培することができないときは、当該種苗を廃棄します(施行規則第十八条)。
入国者に対する質問・検査について
植物防疫官は、外国からの入国者に対して、その携帯品のうちに植物、検疫指定物品又は輸入禁止品が含まれているかどうかを判断するため、必要な質問を行うとともに、必要な限度において、当該携帯品の検査を行うことができます(法第八条第八項)。
検査合格の基準について
法第八条の検査は、次の第一号から第三号までの各号の全て、第二号から第四号までの各号の全て又は第一号若しくは第四号及び第五号に該当する場合を合格とします(輸入植物検疫規程第二条第一項)。
- 検疫有害動植物がない場合
- 法第七条第一項の輸入禁止品でない場合
- 法第六条第一項及び第二項の規定に違反していない場合
- 法第四条第二項又は第九条第一項の規定による消毒(くん蒸、除去等の措置を含む。以下同じ。)を実施して検疫有害動植物が死滅し、又は除去されたものと確認される場合
- 法第九条第二項の規定による消毒を実施して検疫指定物品及びその容器包装が法第六条第二項の基準に適合していると確認される場合
植物防疫官は、輸入された植物等(輸入禁止品を除く。)に第七条第一項第一号又は第三号に掲げる輸入禁止品が混入していた場合であって、取締上支障がないと認めるときは、当該輸入禁止品を除去した上で、輸入植物検疫規程第二条第一項の規定に適合するものについては、合格とすることができます(輸入植物検疫規程第二条第二項)。
(廃棄、消毒等の処分)
第九条 前条の規定による検査の結果、検疫有害動植物があった場合は、植物防疫官は、その植物若しくは検疫指定物品及びこれらの容器包装を消毒し、若しくは廃棄し、又はこれらを所有し、若しくは管理する者に対して植物防疫官の立会いの下にこれらを消毒し、若しくは廃棄すべきことを命じなければならない。
2 植物防疫官は、第六条第一項から第五項まで若しくは前条第一項若しくは第六項の規定に違反して輸入された植物若しくは検疫指定物品及びこれらの容器包装を消毒し、若しくは廃棄し、又はこれらを所持している者に対して植物防疫官の立会いの下にこれらを消毒し、若しくは廃棄すべきことを命ずることができる。同条第七項の規定による隔離栽培の命令の違反があった場合において、その違反に係る植物についてもまた同様とする。
3 第七条第一項の規定に違反して輸入された輸入禁止品があるときは、植物防疫官は、これを廃棄する。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 植物防疫官が当該輸入禁止品を試験研究等用途に供する場合
二 輸入禁止品を試験研究等用途に供することについて農林水産大臣の許可を受けた者に対し、当該輸入禁止品を当該許可に係る用に供させるために譲り渡す場合
4 第七条第一項の規定に違反して輸入禁止品を輸入した者は、当該輸入禁止品について前項第二号の許可を受けることができない。
5 前条の規定による検査の結果、当該植物又は検疫指定物品及びこれらの容器包装が第六条第一項及び第二項の規定に違反せず、輸入禁止品に該当せず、かつ、これらに検疫有害動植物がないと認めたときは、植物防疫官は、検査に合格した旨の証明をしなければならない。
6 第三項第二号の許可には、第七条第二項、第三項、第五項及び第六項の規定を準用する。この場合において、同条第三項中「輸入後」とあるのは「譲渡し後」と、同条第五項中「輸入の方法、輸入後の管理方法」とあるのは「譲渡し後の管理方法」と読み替えるものとする。
法第九条は、輸入された植物、検疫指定物品又は輸入禁止品及びこれらの容器包装に対して実施する消毒又は廃棄などの措置を定めています。
植物防疫官は、次の場合に対象の植物若しくは検疫指定物品及びこれらの容器包装を消毒若しくは廃棄し、又は植物防疫官の立会いの下に消毒若しくは廃棄するように命令します(法第九条第一項及び第二項)。
- 法第八条の規定による検査の結果、検疫有害動植物があった場合(法第九条第一項)
- 法第六条第一項から第五項までの規定(輸入制限に関する規定)又は法第八条第一項若しくは第六項の規定(輸入物品の検査に関する規定)に違反して輸入された場合(法第九条第二項前段)
- 法第八条第七項の規定による隔離栽培の命令の違反があった場合(法第九条第二項後段)
植物防疫官が法第四条第二項の規定や法第九条第一項又は第二項の規定により消毒又は廃棄を命じた場合において、当該義務者は、廃棄又は消毒命令書(第十一号様式)の交付を要求することができます(施行規則第二十二条)。
植物防疫官は、施行規則第十五条の通知に対する回答がないとき又は隔離栽培することができない旨の回答があり、且つ、自ら隔離栽培することができないときは、当該種苗を廃棄します(施行規則第十八条)。
輸入禁止品の廃棄および試験研究等用途に供することの許可
植物防疫官は、法第七条第一項の規定に違反して輸入された輸入禁止品があるときは、この輸入禁止品を廃棄しますが、次に掲げる場合は、この限りではありません(法第九条第三項)。
- 植物防疫官が当該輸入禁止品を試験研究等用途に供する場合
- 輸入禁止品を試験研究等用途に供することについて農林水産大臣の許可を受けた者に対し、当該輸入禁止品を当該許可に係る用に供させるために譲り渡す場合
植物防疫官は、第一項から第三項までの規定により、植物、検疫指定物品又は輸入禁止品及びこれらの容器包装を廃棄したとき又は消毒したためこれを著しく毀損したときは、これを所有し、又は管理する者(郵便物の場合にあってはその名宛人)に対してその旨を通知します。これらの者は、証明書(第九号様式)の交付を要求することができます。(施行規則第二十一条第一項)。
植物防疫官は、法第八条第五項の規定により郵便物を検査し、法第九条第一項から第三項までの規定により郵便物を消毒し、若しくは廃棄するため、当該郵便物を日本郵便株式会社の事業所から受領したとき又は施行規則第十五条の規定により当該種苗を日本郵便株式会社の事業所から受領したときは、当該日本郵便株式会社の事業所に受領証(第十号様式)を交付します(施行規則第二十一条第二項)。
農林水産大臣は、輸入禁止品の輸入許可をしたときは、輸入許可証票及び輸入禁止品輸入許可指令書を交付することが施行規則第七条第二項に規定されていますが、法第九条第三項第二号の規定により当該輸入禁止品を当該許可に係る用に供させることを許可したときは、輸入禁止品利用許可指令書(第十一号の三様式)を交付します(施行規則第二十二条の二第二項)。
法第七条第一項の規定に違反して農林水産大臣から輸入許可を得ずに輸入禁止品を輸入した者は、当該輸入禁止品について輸入禁止品利用許可(第三項第二号の許可)を受けることができません(法第九条第四項)。
法第八条の規定による検査の結果、当該植物又は検疫指定物品及びこれらの容器包装が法第六条第一項及び第二項の規定(輸出国による検査に関する規定)に違反せず、輸入禁止品に該当せず、かつ、これらに検疫有害動植物がないと認めたときは、植物防疫官は、検査に合格した旨の証明をします(法第九条第五項)。
植物防疫官が法第八条第七項の隔離栽培を実施し、当該種苗が法第九条第五項の検査に合格したときは、遅滞なく、当該種苗を輸入した者に送付します(施行規則第十七条第二項)。
法第九条第五項の証明は、証印、証票又は証明書(第七号様式)とします。ただし、法第八条第一項の規定によって農林水産大臣が指定した検疫有害動植物のみがいる植物及びその容器包装については、輸入認可証(第八号様式)を押印し、若しくは添付し、又はその所有者若しくは管理者に交付するものとします(施行規則第十九条第一項)。
輸入禁止品利用許可(第三項第二号の許可)には、法第七条第二項、第三項、第五項及び第六項の規定(輸入禁止品の輸入許可に関する規定)を準用します。この場合において、法第七条第三項中「輸入後」とあるのは「譲渡し後」と、法第七条第五項中「輸入の方法、輸入後の管理方法」とあるのは「譲渡し後の管理方法」と読み替えるものとします(法第九条第六項)。
第六項の読み替えを行うと、法第七条第二項、第三項、第五項及び第六項の規定は次のようになります。
(輸入の禁止)
第七条 何人も、次に掲げる物(以下「輸入禁止品」という。)を輸入してはならない。ただし、試験研究の用その他農林水産省令で定める特別の用(第九条第三項各号において「試験研究等用途」という。)に供するため農林水産大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。
(省略)2 前項ただし書の許可を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣に許可の申請をしなければならない。
3 農林水産大臣は、前項の申請に係る輸入禁止品の輸入後においてこれを管理する施設が農林水産省令で定める技術上の基準に適合していると認めるときでなければ、第一項ただし書の許可をしてはならない。
↓読み替え
農林水産大臣は、前項の申請に係る輸入禁止品の譲渡後においてこれを管理する施設が農林水産省令で定める技術上の基準に適合していると認めるときでなければ、第一項ただし書の許可をしてはならない。
5 第一項ただし書の許可には、輸入の方法、輸入後の管理方法その他必要な条件を付することができる。
↓読み替え
第一項ただし書の許可には、譲渡し後の管理方法その他必要な条件を付することができる。
6 農林水産大臣は、第一項ただし書の許可に係る第三項の施設が同項の技術上の基準に適合しなくなったと認めるとき、又は第一項ただし書の許可を受けた者が前項の規定により付された条件に違反したときは、当該第一項ただし書の許可を取り消し、又は当該輸入禁止品の廃棄その他の必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
輸入禁止品利用許可(第三項第二号の許可)の申請は、当該許可を受けようとする者の住所地を管轄する植物防疫所を経由して農林水産大臣に申請書(第十一号の二様式)を提出して行います(施行規則第二十二条の二第一項)。
農林水産大臣は、第六項において準用する法第七条第六項の規定により廃棄その他の必要な措置を命じた場合においては、施行規則第七条第四項の規定を準用します(施行規則第二十二条の二第三項)。
第六項において読み替えて準用する法第七条第三項の農林水産省令で定める技術上の基準については、施行規則第七条の二の規定を準用します(施行規則第二十二条の三)。
第六項において読み替えて準用する法第七条第五項の規定によって付する条件は、通常次の事項です(施行規則第二十二条の四第一項)。
- 譲り渡された輸入禁止品の輸送又は荷造りの方法に関すること。
- 譲り渡された輸入禁止品の管理の場所及び期間その他の管理の方法に関すること。
- 譲り渡された輸入禁止品の管理の責任者に関すること。
- 当該輸入禁止品の譲渡その他の処分の制限又は禁止に関すること。
- 管理中の当該植物に検疫有害動植物が発生した場合における通知及びその措置方法に関すること。
譲渡し後の管理方法その他必要な条件を付された許可を受け取った者は、当該条件の変更を農林水産大臣に申請することができます。農林水産大臣が当該申請の理由を正当であり、かつ、やむを得ないものと認めるときは、当該条件を変更し、植物防疫所を通じてその旨を当該申請者に通知します(施行規則第二十二条の四第二項)。
輸出規制
(輸出植物等の検査)
第十条 輸入国がその輸入につき、植物検疫に係る輸出国の検査証明を必要としている植物又は物品及びこれらの容器包装を輸出しようとする者は、当該植物又は物品及びこれらの容器包装につき、植物防疫官から、これらが当該輸入国の要求の全てに適合していることについての検査を受け、かつ、第三項の植物検疫証明書の交付を受けた後でなければ、これらを輸出してはならない。
2 前項の規定による検査は、植物防疫所で行う。ただし、植物防疫官が必要と認めるときは、当該植物又は物品の所在地において行うことができる。
3 植物防疫官は、第一項の規定による検査の結果、その植物又は物品及びこれらの容器包装が当該輸入国の要求の全てに適合していると認めるときは、植物検疫証明書を交付しなければならない。
4 植物防疫官は、輸入国の要求に応ずるため、必要があると認めるときは、前項の植物検疫証明書の交付を受けた物について更に検査をすることができる。
5 第一項及び前項の規定にかかわらず、植物防疫官は、登録検査機関が、第十条の四第一項の規定による登録に係る検査において輸入国の要求に適合している旨の確認をした植物又は物品及びこれらの容器包装については、農林水産省令で定めるところにより、第一項又は前項の規定による検査の一部を行わないことができる。
6 植物防疫官は、本邦から出国する者に対して、その携帯品(第一項の規定による検査を受けた物を除く。)のうちに同項に規定する物が含まれているかどうかを判断するため、必要な質問を行うとともに、必要な限度において、当該携帯品の検査を行うことができる。
法第十条は、植物又は物品及びこれらの容器包装の輸出の際における当該植物又は物品及びこれらの容器包装の輸出前の検査について定めています。
輸出前の検査について
輸入国が、植物又は物品及びこれらの容器包装を輸入する際において、植物検疫に係る輸出国の検査証明を必要としている場合では、これらを輸出しようとする者は、植物防疫官から、これらが当該輸入国の要求の全てに適合していることについての検査を受け、かつ、第三項の植物検疫証明書の交付を受けなければなりません(法第十条第一項)。
第一項の植物又は物品及びこれらの容器包装の検査の申請は、植物防疫官に検査申請書(第十二号様式)を提出して行います(施行規則第二十三条)。植物防疫官は、検査申請者に対し、あらかじめ検査の期日を通知します(施行規則第二十五条)。
第一項の規定による検査は、植物防疫所で行いますが、植物防疫官が必要と認めるときは、当該植物又は物品の所在地において行うことができます(法第十条第二項)。検査申請者は、当該植物又は物品及びこれらの容器包装の所在地における受検を申請することができ、それによって植物防疫官が当該所在地における検査を決定することもあり得ます(施行規則第二十四条)。
輸出前の検査の詳細は、輸出植物検疫規程に定められています。
植物検疫証明書について
植物防疫官は、第一項の規定による検査の結果、その植物又は物品及びこれらの容器包装が当該輸入国の要求の全てに適合していると認めるときは、植物検疫証明書を交付します(法第十条第三項)。
法第十条第三項の植物検疫証明書の様式は、第十三号様式(植物又は物品及びこれらの容器包装が再輸出されるものである場合にあっては第十三号の二様式)です。ただし、輸入国が輸入に当たり、これと異なる様式の植物検疫証明書を必要としている場合には、その様式によるものになります(施行規則第二十七条第一項)。
輸入国が輸入に当たり、法第十条第三項の規定による植物検疫証明書の交付に加え、植物検疫証明書の交付を受けた植物又は物品及びこれらの容器包装への押印を必要としているときは、植物防疫官は、植物検疫証明書の交付を受けた植物又は物品及びこれらの容器包装に植物検疫証明書の交付をした旨の証印(第十三号の三様式)を押印します(施行規則第二十七条第二項)。
植物防疫官は、輸入国の要求に応ずるため、必要があると認めるときは、前項の植物検疫証明書の交付を受けた物について更に検査をすることができます(法第十条第四項)。
植物防疫官は、法第十条第四項の規定による検査の結果、当該植物又は物品若しくはこれらの容器包装が輸入国の要求に適合しなくなっていると認めるときは、次の措置を取らなくてはなりません(施行規則第二十八条)。
- 植物検疫証明書の交付の取り消し
- 交付した植物検疫証明書の返還命令
- 施行規則第二十七条第二項の規定により押印した場合は当該押印の抹消
検査の一部省略について
法第十条第一項及び第四項の規定にかかわらず、登録検査機関が法第十条の四第一項の規定による登録に係る検査において輸入国の要求に適合している旨の確認をした植物又は物品及びこれらの容器包装について、植物防疫官は、農林水産省令で定めるところにより、法第十条第一項又は第四項の規定による検査の一部を行わないことができます(法十条第五項)。
具体的な条件は次の通りです(施行規則第二十九条)。
- 主体:法第十条第一項の規定による検査を申請する者
- 条件:登録検査機関が法第十条の四第一項第一号に規定する登録に係る検査において輸入国の要求に適合している旨の確認をした旨を当該登録検査機関が記載した書類(以下「検査報告書」という。)を施行規則第二十三条の検査申請書に添付して提出する
出国者に対する質問・検査について
植物防疫官は、日本から出国する者に対して、その携帯品(法十条第一項の規定による検査を受けた物を除く。)のうちに法十条第一項に規定する物が含まれているかどうかを判断するため、必要な質問を行うとともに、必要な限度において、当該携帯品の検査を行うことができます(法十条第六項)。
登録検査機関
(登録検査機関の登録)
第十条の二 登録検査機関の登録(以下この章において単に「登録」という。)を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、次に掲げる検査の区分により、農林水産大臣に登録の申請をしなければならない。
一 植物の栽培地における検査
二 消毒に関する検査
三 遺伝子の検査その他の高度の技術を要する検査
四 植物又は物品及びこれらの容器包装の目視による検査
五 その他農林水産省令で定める検査
登録検査機関とは、植物防疫官に代わって法第十条第一項で定める輸出植物等の検査業務の一部を実施する、国の登録を受けた検査機関のことをいいます。植物防疫法第十条の二から第十条の十八までの規定が登録検査機関に関するものです。
登録検査機関の登録申請等の手続きの詳細は、植物防疫所ホームページで公開されている「登録検査機関の登録申請等手続きマニュアル」に記載されていますので、ここでは植物防疫法、植物防疫法施行令および植物防疫法施行規則の規定を紹介します。
登録検査機関の登録を受けようとする組織・団体は、上記第一号から第五号までの区分ごとに、農林水産大臣に登録の申請をします(法第十条の二)。
登録の申請は、植物防疫所を経由して申請書(第十四号様式)および次の添付書類を農林水産大臣に提出して行います(施行規則第三十条)。
登録検査機関の登録申請時の添付書類(施行規則第三十条第二項)
- 定款(申請者が法人である場合に限る。)及び登記事項証明書
- 申請の日の属する事業年度の前事業年度における財産目録及び貸借対照表。ただし、申請の日の属する事業年度に設立された法人にあっては、その設立時における財産目録
- 申請の日の属する事業年度及び翌事業年度における事業計画書及び予算書
- 登録免許税の納付に係る領収証書
- 次の事項を記載した書類
- イ 検査の業務(以下「検査業務」という。)の概要及び当該検査業務を行う組織に関する事項
- ロ イに掲げるもののほか、検査業務の実施方法に関する事項
- ハ 検査業務以外の業務を行っている場合は、当該業務の概要及び全体の組織に関する事項
- 申請を行った者が法第十条の四第一項各号の規定に適合することを説明した書類
- その他参考となる事項を記載した書類
(欠格条項)
第十条の三 次の各号のいずれかに該当する者は、登録を受けることができない。
一 この法律又はこの法律に基づく処分に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
二 第十条の十五第一項から第三項までの規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者(当該登録を取り消された者が法人である場合においては、その取消しの日前三十日以内にその取消しに係る法人の業務を行う役員であった者でその取消しの日から二年を経過しないものを含む。)
三 法人であって、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの
上記各号のいずれかに該当する者は、登録検査機関の登録を受けることができません(法第十条の三)。
(登録の基準)
第十条の四 農林水産大臣は、第十条の二の規定により登録を申請した者が次に掲げる要件の全てに適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、農林水産省令で定める。
一 登録に係る検査(以下この章(第十一条第一項を除く。)において単に「検査」という。)を適確に行うために必要な知識及び技能を有する者として農林水産省令で定めるものが検査を行うこと。
二 農林水産省令で定める技術上の基準に適合している機械器具その他の設備を用いて検査を行うものであること。
三 検査の業務(以下「検査業務」という。)の公正な実施を確保するために必要なものとして農林水産省令で定める基準に適合する体制が整備されていること。
2 登録は、次に掲げる事項を登録台帳に記帳して行う。
一 登録年月日及び登録番号
二 登録検査機関の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
三 登録検査機関が行う検査の区分
四 登録検査機関の主たる事務所の所在地
五 前各号に掲げるもののほか、農林水産省令で定める事項
3 農林水産大臣は、登録をしたときは、遅滞なく、前項各号に掲げる事項を公示しなければならない。
登録検査機関の登録を受ける組織・団体が次の法第十条の四第一項の各号に掲げる要件の全てに適合していることは、施行規則第三十条第二項第六号に規定する添付書類において示される必要があります。
- 登録に係る検査(以下この章(第十一条第一項を除く。)において単に「検査」という。)を適確に行うために必要な知識及び技能を有する者として農林水産省令で定める者が検査を行うこと。
- 農林水産省令で定める技術上の基準に適合している機械器具その他の設備を用いて検査を行うものであること。
- 検査の業務(以下「検査業務」という。)の公正な実施を確保するために必要なものとして農林水産省令で定める基準に適合する体制が整備されていること。
法第十条の四第一項第一号の「農林水産省令で定める者」は、法第十条の二各号に掲げる検査ごとに次の各号のいずれかに該当する者です(施行規則第三十一条の二)。
- 当該検査業務に一年以上従事した経験を有する者
- 前号に掲げる者と同等の知識及び技能を有する者
法第十条の四第一項第二号の「農林水産省令で定める技術上の基準」は、次の各号に掲げる検査の区分ごとに当該各号に掲げるとおりです(施行規則第三十一条の三)。
- 植物の栽培地における検査 別表二の三に掲げる機械器具その他の設備を有すること。
- 消毒に関する検査 別表二の四に掲げる機械器具その他の設備を有すること。
- 遺伝子の検査その他の高度の技術を要する検査 別表二の五の中欄に掲げる検査の内容に応じ、同表の下欄に掲げる機械器具その他の設備を有すること。
- 植物又は物品及びこれらの容器包装の目視による検査 別表二の六に掲げる機械器具その他の設備を有すること。
法第十条の四第一項第三号の「農林水産省令で定める基準」は、登録検査機関において、検査業務の独立性及び公平性を評価し、検査業務に係る潜在的な利害関係を特定した上で、それらに対処する適切な体制が整備されていることです(施行規則第三十一条の四)。詳細は、「登録検査機関の登録等実施要領」別表3に記載されています。
登録申請した組織・団体が法第十条の四第一項各号に掲げる要件の全てに適合しているとき、農林水産大臣は、その組織・団体を登録検査機関に登録します(法第十条の四第一項)。
法第十条の四第一項の登録は、登録台帳(第十五号様式)に記帳して行われます(施行規則第三十一条第一項)。
法第十条の四第一項の登録にあたっては、第二項に掲げる事項が登録台帳に記載されます(法第十条の四第二項)。登録がされたときは、遅滞なく、第二項各号に掲げる事項が農林水産大臣によって公示されます(法第十条の四第三項)。
法第十条の四第二項第五号の「農林水産省令で定める事項」は、次のとおりです(施行規則第三十一条の五)。
- 検査業務の概要
- 登録検査機関が検査を行う区域
- 登録検査機関の全ての事務所(検査を行うものに限る。)の名称及び所在地の一覧
登録台帳の登録事項の記載内容に変更があった場合は、遅滞なく、農林水産大臣によってその旨が公示されます(施行規則第三十一条第二項)。
(登録の更新)
第十条の五 登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
2 前三条の規定は、前項の登録の更新について準用する。
3 農林水産大臣は、第一項の規定により登録が効力を失ったときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。
登録検査機関の登録の効力は、法第十条の五第一項では3年を下らない政令で定める期間にわたって有効であるとされていますが、その期間は施行令第一条によって4年と定められています。すなわち、登録検査機関は、4年ごとに登録更新する必要があります(法第十条の五第一項)。
登録の更新手続においては、法第十条の二から第十条の四までの規定が準用されます(法第十条の五第二項)。
効力の有効期間が満了して登録が失効したときは、その旨が農林水産大臣によって公示されます(法第十条の五第三項)。
(変更登録)
第十条の六 登録検査機関は、第十条の四第二項第三号に掲げる事項を変更しようとするときは、変更登録を受けなければならない。
2 前項の変更登録(以下この条及び第十条の十五第二項第五号において単に「変更登録」という。)を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣に変更登録の申請をしなければならない。
3 第十条の三及び第十条の四の規定は、変更登録について準用する。
登録検査機関は、検査の区分(法第十条の四第二項第三号に掲げる事項)を変更しようとするときは、変更登録を受けなければなりません(法第十条の六第一項)。
法第十条の六第一項の変更登録を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣に変更登録の申請をしなければなりません(法第十条の六第二項)。
法第十条の六第二項の変更登録の申請は、植物防疫所を経由して申請書(第十六号様式)および施行規則第三十条第二項各号に掲げる添付書類を農林水産大臣に提出して行います。ただし、登録の申請又は更新時に農林水産大臣に提出されたものからその内容に変更がない書類の添付を除きます(施行規則第三十一条の七)。
(検査の義務)
第十条の七 登録検査機関は、検査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、当該検査を行わなければならない。
2 登録検査機関は、公正に、かつ、農林水産省令で定める技術上の基準に適合する方法により検査を行わなければならない。
登録検査機関は、検査の実施を求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、公正に、かつ、農林水産省令で定める技術上の基準に適合する方法により当該検査を行わなければなりません。
法第十条の七の「農林水産省令で定める基準」は、次のようになっており(施行規則第三十一条の八)、登録検査機関は、この基準に適合する方法により検査を行うことが求められています。
- 検査目的:輸入国の要求に適合しているかどうかの確認
- 検査実施者:施行規則第三十一条の二各号のいずれかに該当する者
- 検査内容:施行規則第三十一条の三各号に掲げる検査の区分ごとに当該各号に掲げる機械器具その他の設備を用いて農林水産大臣が定める方法を実施する(輸出植物検疫規程参照)
- 検査体制:施行規則第三十一条の四に掲げる体制
(登録事項の変更の届出)
第十条の八 登録検査機関は、第十条の四第二項第二号、第四号又は第五号に掲げる事項を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、農林水産大臣に届け出なければならない。
2 農林水産大臣は、前項の規定による届出があったときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。
登録検査機関は、検査の区分(法第十条の四第二項第三号に掲げる事項)を変更しようとするときは、変更登録を受けなければなりませんが(法第十条の六第一項)、次の事項を変更しようとするときは、農林水産大臣にその旨を届け出なければならず、農林水産大臣は、遅滞なく、変更があった旨を公示しなければなりません(法第十条の八)。
- 登録検査機関の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名(法第十条の四第二項第二号)
- 登録検査機関の主たる事務所の所在地(法第十条の四第二項第四号)
- 農林水産省令で定める事項(法第十条の四第二項第五号)
- 検査業務の概要
- 登録検査機関が検査を行う区域
- 登録検査機関の全ての事務所(検査を行うものに限る。)の名称及び所在地の一覧
法第十条の八の規定による届出は、植物防疫所を経由して届出書(第十七号様式)を農林水産大臣に提出して行います(施行規則第三十一条の九)。
(業務規程)
第十条の九 登録検査機関は、検査業務に関する規程(以下この章において「業務規程」という。)を定め、検査業務の開始前に、農林水産大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 業務規程には、検査の実施方法、検査に関する料金の算定方法その他の農林水産省令で定める事項を定めておかなければならない。
登録検査機関が、検査業務を円滑に実施するためには、当該検査業務に関する規定(以下「業務規程」)を定め、検査業務開始前に農林水産大臣の認可を受けなければなりません(法第十条の九第一項)。
登録検査機関は、法第十条の九第一項前段の規定により業務規程の認可を受けようとするときは、植物防疫所を経由して申請書(第十八号様式)を農林水産大臣に提出します(施行規則第三十一条の十第一項)。
登録検査機関は、法第十条の九第一項後段の規定により業務規程の変更の認可を受けようとするときは、植物防疫所を経由して申請書(第十九号様式)を農林水産大臣に提出します(施行規則第三十一条の十第二項)。
さらに、業務規程には、検査の実施方法、検査に関する料金の算定方法その他の農林水産省令で定める事項を定めておかなければならないとされています(法第十条の九第二項)。
法第十条の九第二項の農林水産省令で定める事項は、次の通りです(施行規則第三十一条の十一)。
- 検査業務の実施方法に関する事項
- 検査を実施する組織及び検査員その他人員に関する事項
- 検査業務に用いる機械器具その他の設備等に関する事項
- 検査業務を行う時間及び休日に関する事項
- 検査の申請を受けることができる件数の上限に関する事項
- 検査業務を行う場所に関する事項
- 検査に関する料金の算定方法及び収納の方法に関する事項
- 検査の申請書その他検査に関する書類の保存に関する事項
- 財務諸表等(法第十条の十一第一項に規定する財務諸表等をいう)の備付け及び財務諸表等の閲覧等の請求の受付に関する事項
- 検査業務から生じる損害の賠償その他の債務に対する備えに関する事項
- 前各号に掲げるもののほか、検査業務に関し必要な事項
(業務の休廃止)
第十条の十 登録検査機関は、農林水産大臣の許可を受けなければ、検査業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
2 農林水産大臣は、前項の規定による許可をしたときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。
登録検査機関は、検査業務の全部又は一部を休止又は廃止する際には、農林水産大臣の許可を受けなければならず、農林水産大臣は、その許可をしたときには、遅滞なく、その旨を公示しなければなりません(法第十条の十)。
登録検査機関は、法第十条の十の規定により検査業務の全部又は一部の休止又は廃止の許可を受けようとするときは、植物防疫所を経由して申請書(第二十号様式)を農林水産大臣に提出します(施行規則第三十一条の十二)。
(財務諸表等の備付け及び閲覧等)
第十条の十一 登録検査機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(これらの作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この条において同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項第一号及び第三号並びに第四十五条において「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事務所に備えて置かなければならない。
2 第十条第一項に規定する者その他の利害関係人は、登録検査機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録検査機関の定めた費用を支払わなければならない。
一 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の請求
三 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を農林水産省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって農林水産省令で定めるものをいう。)により提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
登録検査機関の利用に際して、利用者の選択に資する情報を提供するため、登録検査機関は、財務諸表等を事業年度ごとに作成し、5年間事務所に備え置くことが義務付けられています(法第十条の十一第一項)。
財務諸表等には次の書類が挙げられています。財務諸表等は、毎事業年度経過後三月以内に作成されなければなりません。また、書面ではなく電磁的記録として(電子ファイルとして)財務諸表等を作成してもかまいません。
- 財産目録
- 貸借対照表
- 損益計算書又は収支計算書
- 事業報告書
植物検疫に係る輸出国の検査証明を必要としている植物又は物品及びこれらの容器包装を輸出しようとする者(法第十条第一項に規定する者)その他の利害関係人は、登録検査機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができます。ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録検査機関の定めた費用を支払わなければなりません(法第十条の十一第二項)。
- 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
- 前号の書面の謄本又は抄本の請求
- 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を農林水産省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
- 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって農林水産省令で定めるものをいう。)により提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
法第十条の十一第二項第三号の「農林水産省令で定める方法」は、電磁的記録に記録された事項を紙面又は出力装置の映像面に表示する方法です(施行規則第三十一条の十三第一項)。
法第十条の十一第二項第四号の「農林水産省令で定める電磁的方法」は、次に掲げる方法のうち、登録検査機関が定める方法です(施行規則第三十一条の十三第二項)。
- 送信者の使用に係る電子計算機と受信者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織を使用する方法であって、当該電気通信回線を通じて情報が送信され、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報が記録されるもの
- 電磁的記録により一定の情報を確実に記録しておくことができる物をもって作成するファイルに情報を記録したものを交付する方法
例えば、第一号は、当該電磁的記録を電子メールで請求者のコンピューターに送って交付する方法であり、第二号は、当該電磁的記録を保存したメディアを請求者に送って交付する方法です。
(秘密保持義務等)
第十条の十二 登録検査機関(その者が法人である場合にあっては、その役員。次項において同じ。)及びその職員並びにこれらの者であった者は、その検査業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用してはならない。
2 登録検査機関及びその職員で検査業務に従事する者は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
法第十条の十二は、登録検査機関、その役員及びその職員並びにこれらの者であった者に対し、守秘義務等を定めています。登録検査機関は、国が行う輸出植物等の検査業務の一部を代行することから、登録検査機関の検査業務に従事する役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなされます。
(適合命令)
第十条の十三 農林水産大臣は、登録検査機関が第十条の四第一項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、当該登録検査機関に対し、当該要件に適合するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(改善命令)
第十条の十四 農林水産大臣は、登録検査機関が第十条の七の規定に違反していると認めるとき、又は登録検査機関が行う検査が適当でないと認めるときは、当該登録検査機関に対し、検査を実施すべきこと又は検査の方法その他の業務の方法の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
2 農林水産大臣は、第十条の九第一項の認可をした業務規程が検査業務の公正な実施上不適当となったと認めるときは、当該業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
登録検査機関が、環境の変化により、法第十条の四第一項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなる可能性があります。そのような場合には、農林水産大臣は、当該登録検査機関に対し、当該要件に適合するために必要な措置をとるように命令することができます(法第十条の十三)。
また、登録検査機関が検査義務の規定(法第十条の七の規定)に違反している場合、又は登録検査機関が行う検査が適当でない場合、農林水産大臣は、当該登録検査機関に対し、検査を実施すべきこと又は検査の方法その他の業務の方法の改善に必要な措置をとるように命令することができます(法第十条の十四第一項)。
さらに、法第十条の九第一項の認可をした業務規程が検査業務の公正な実施に不適当となった場合、農林水産大臣は、当該登録検査機関に対し、当該業務規程を変更するように命令することができます(法第十条の十四第二項)。
(登録の取消し等)
第十条の十五 農林水産大臣は、登録検査機関が第十条の三各号のいずれかに該当するに至ったときは、その登録を取り消さなければならない。
2 農林水産大臣は、登録検査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は一年以内の期間を定めて検査業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第十条の七、第十条の八第一項、第十条の九第一項、第十条の十第一項、第十条の十一第一項又は次条の規定に違反したとき。
二 第十条の九第一項の規定により認可を受けた業務規程によらないで検査業務を実施したとき。
三 正当な理由がないのに第十条の十一第二項の規定による請求を拒んだとき。
四 前二条の規定による命令に違反したとき。
五 不正の手段により登録若しくはその更新又は変更登録を受けたとき。
3 農林水産大臣は、前二項に規定する場合のほか、登録検査機関が、正当な理由がないのに、その登録を受けた日から一年を経過してもなおその検査業務を開始せず、又は一年以上継続してその検査業務を停止したときは、その登録を取り消すことができる。
4 農林水産大臣は、前三項の規定による処分をしたときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。
農林水産大臣は、次の場合に登録検査機関の登録を取り消すか、又は一年以内の期間を定めて検査業務の全部若しくは一部の停止を命令します(法第十条の十五第一項及び第二項)。
- 第一項:欠格条項(法第十条の三)の各号のいずれかに該当するに至った場合 → 登録の取り消し
- 第二項:登録検査機関が次の各号のいずれかに該当する場合 → 登録の取り消し又は一年以内の期間の検査業務の全部若しくは一部の停止
- 一 検査義務の規定(法第十条の七)、登録事項の変更届出の規定(法第十条の八第一項)、業務規程の認可の規定(法第十条の九第一項)、業務の休廃止の許可の規定(法第十条の十第一項)、財務諸表等の作成と備え付けの規定(法第十条の十一第一項)又は帳簿の記載等の規定(法第十条の十六)に違反したとき。
- 二 法第十条の九第一項の規定により認可を受けた業務規程によらないで検査業務を実施したとき。
- 三 正当な理由がないのに財務諸表等の閲覧請求の規定(法第十条の十一第二項)による請求を拒んだとき。
- 四 適合命令(法第十条の十三)及び改善命令(法第十条の十四)に違反したとき。
- 五 不正の手段により登録若しくはその更新又は変更登録を受けたとき。
登録検査機関が、正当な理由がないのに、その登録を受けた日から一年を経過してもなおその検査業務を開始せず、又は一年以上継続してその検査業務を停止したときは、農林水産大臣は、当該登録検査機関の登録を取り消すことができます(法第十条の十五第三項)。
農林水産大臣は、法第十条の十五第一項から第三項までの規定に基づき処分をしたときは、遅滞なく、その旨を公示します(法第十条の十五第四項)。
(帳簿の記載等)
第十条の十六 登録検査機関は、農林水産省令で定めるところにより、帳簿を備え、検査業務に関し農林水産省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
登録検査機関は、帳簿を備え、これを保存しなければなりません(法第十条の十六)。
法第十条の十六に規定する帳簿は、検査業務を行う登録検査機関ごとに作成し、検査業務を行う事務所に備え付け、最終の記載の日から四年間保存しなければなりません(施行規則第三十一条の十四第一項)。
法第十条の十六に規定する帳簿の記載事項は、以下の通りです(施行規則第三十一条の十四第二項)。
- 検査を申請した者の氏名又は名称及び住所
- 検査の申請を受けた年月日
- 検査を行つた年月日
- 検査を行つた場所
- 検査の項目
- 検査を行つた品目及びその数量
- 検査を行つた品目の生産地又は原産国
- 検査を行つた検査員の氏名
- 検査の結果
- その他必要な事項
(登録検査機関以外の者による人を誤認させる行為の禁止)
第十条の十七 登録検査機関以外の者は、その行う業務が検査に関するものであると人を誤認させるような表示、広告その他の行為をしてはならない。
農林水産大臣による登録を受けていないにも関わらず、登録検査機関による業務であるかのように人を誤認させるような表示や広告等を行うことは、禁止されています(法第十条の十七)。
(登録検査機関に対する報告の徴収等)
第十条の十八 農林水産大臣は、第十条から前条までの規定の施行に必要な限度において、登録検査機関に対し、必要な報告若しくは帳簿、書類その他の物件の提出を求め、又はその職員に、当該登録検査機関の事務所、事業所その他検査業務を行う場所に立ち入り、検査業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは従業者その他の関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者にこれを提示しなければならない。
3 第四条第四項の規定は、第一項の規定による立入検査及び質問について準用する。
登録検査機関による輸出植物等の適正な検査を確実にするため、農林水産大臣は、法第十条から第十条の十七までの規定の施行に必要な限度において、登録検査機関の検査業務又は経理の状況を把握するために、報告若しくは物件の提出を求め、又はその職員に立入検査若しくは質問を行わせることができます(法第十条の十八第一項)。
第一項の規定により立入検査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者にこれを提示します(法第十条の十八第二項)。
第一項の規定による立入検査及び質問には、法第四条第四項の規定を準用します(法第十条の十八第三項)。すなわち、第一項の規定による立入検査及び質問は、犯罪捜査のためのものではありません
委任規定
(委任規定)
第十一条 この章に規定するものの外、検査の手続及び方法並びに検査の結果行う処分の基準は、農林水産大臣が定めて公表する。
2 前項の場合には、第五条の二第二項の規定を準用する。
法第十一条第一項の規定の結果として、輸入植物検疫規程と輸出植物検疫規程が定められています。
農林水産大臣が検査の手続及び方法並びに検査の結果行う処分の基準を定める場合には、有害動物又は有害植物の性質に関し専門の学識経験を有する者その他の関係者の意見を事前に聴きます(法第十一条第二項)。
第七章 雑則
ここでは、植物防疫法の雑則のうち、植物等の輸出入に関係する雑則を紹介します。
(不服申立て)
第三十六条 第九条第一項若しくは第二項、第十四条、第十六条の四又は第十六条の五の規定による命令については、審査請求をすることができない。
2 第十条第一項若しくは第四項又は第十三条第二項の検査の結果に不服がある者は、検査を受けた日の翌日から起算して三月以内に、植物防疫官に対して再検査を申し立てることができる。
3 前項に規定する検査又は再検査の結果については、審査請求をすることができない。
植物防疫官は、違反がある/疑われる輸入植物若しくは輸入検疫指定物品及びこれらの容器包装の所有者・所持者又は管理者に対し、植物防疫官の立会いの下に当該植物若しくは検疫指定物品及びこれらの容器包装を消毒若しくは廃棄するように命令します(法第九条第一項及び第二項)が、当該輸入者は当該命令については審査請求することができません(法第三十六条第一項)。
法第十条第一項及び第四項に定める輸出植物等の検査の結果に不服がある者は、検査を受けた日の翌日から起算して三月以内に、植物防疫官に対して再検査を申し立てることができます(法第三十六条第二項)。しかし、第二項に規定する検査又は再検査の結果については、審査請求をすることができません(法第三十六条第三項)。
第八章 罰則
植物防疫法には、植物防疫法の各規程に違反した場合の罰則が定められています。ここでは、それらの罰則のうち、植物等の輸出入に関係する規定に違反した場合の罰則を紹介します。
| 違反内容 | 条項 | 罰則 (違反者) | 罰則 (法人*) |
|---|---|---|---|
| 輸入の制限規定(法第六条第一項、第二項及び第三項までの規定)又は輸入禁止品の輸入禁止規定(法第七条第一項の規定)に違反した | 法第三十九条第一号 | 3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金 | 法人:5000万円以下の罰金 人:300万円以下の罰金 |
| 法第七条第五項(法第九条第六項において準用する場合を含む。)の規定による農林水産大臣の許可の条件に違反した | 法第三十九条第二号 | 3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金 | 法人:5000万円以下の罰金 人:300万円以下の罰金 |
| 法第七条第六項(法第九条第六項において準用する場合を含む。)の規定による輸入禁止品の廃棄命令その他の必要な措置命令に違反した | 法第三十九条第三号 | 3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金 | 法人:5000万円以下の罰金 人:300万円以下の罰金 |
| 法第八条第一項の規定による検査を受けず、又はその検査を受けるに当たって不正行為をした | 法第三十九条第四号 | 3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金 | 法人:5000万円以下の罰金 人:300万円以下の罰金 |
| 法第十条第一項の規定に違反して検査を受けず、又は同項の規定による検査を受けるに当たって不正行為をした | 法第三十九条第五号 | 3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金 | 法人:5000万円以下の罰金 人:300万円以下の罰金 |
| 法第八条第六項の規定による郵便物の検査を受けず、又はその検査を受けるに当たって不正行為をした | 法第四十一条第一項第一号 | 1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 | 法人:50万円以下の罰金 人:50万円以下の罰金 |
| 法第八条第七項の規定による隔離栽培命令に違反した | 法第四十一条第一項第二号 | 1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 | 法人:50万円以下の罰金 人:50万円以下の罰金 |
| 法第九条第一項若しくは第二項の規定による消毒・廃棄命令に違反し、又は同条第一項、第二項、及び第三項の規定による処分を拒み、妨げ、若しくは忌避した | 法第四十一条第一項第三号 | 1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 | 法人:50万円以下の罰金 人:50万円以下の罰金 |
| 法第十条の十五第二項の規定による検査業務の全部若しくは一部の停止命令に違反した | 法第四十一条第一項第四号 | 1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 | 法人:50万円以下の罰金 人:50万円以下の罰金 |
| 法第十条の十二第一項の規定に違反して、その検査業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用した | 法第四十一条第二項 | 1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 | |
| 法第四条第一項の規定による検査若しくは集取を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした | 法第四十二条第一号 | 30万円以下の罰金 | 法人:30万円以下の罰金 人:30万円以下の罰金 |
| 法第四条第二項の規定による消毒・廃棄命令に違反した | 法第四十二条第二号 | 30万円以下の罰金 | 法人:30万円以下の罰金 人:30万円以下の罰金 |
| 植物、検疫指定物品又は輸入禁止品を小形包装物及び小包郵便物以外の郵便物又は信書便物として輸入したのに法第六条第五項の規定に違反して植物防疫所に届け出なかった | 法第四十二条第三号 | 30万円以下の罰金 | 法人:30万円以下の罰金 人:30万円以下の罰金 |
| 入国者若しくは出国者が法第八条第八項若しくは法第十条第六項の規定による質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した | 法第四十二条第四号 | 30万円以下の罰金 | 法人:30万円以下の罰金 人:30万円以下の罰金 |
| 法第十条第四項の規定による植物防疫官による輸出植物等の検査を拒み、妨げ、又は忌避した | 法第四十二条第五号 | 30万円以下の罰金 | 法人:30万円以下の罰金 人:30万円以下の罰金 |
| 法第十条の十第一項の規定に違反して、許可を受けないで検査業務の全部を廃止した | 法第四十二条第六号 | 30万円以下の罰金 | 法人:30万円以下の罰金 人:30万円以下の罰金 |
| 法第十条の十六の規定に違反して、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかった | 法第四十二条第七号 | 30万円以下の罰金 | 法人:30万円以下の罰金 人:30万円以下の罰金 |
| 法第十条の十八第一項の規定による報告若しくは物件の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出をし、又は同項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした | 法第四十二条第八号 | 30万円以下の罰金 | 法人:30万円以下の罰金 人:30万円以下の罰金 |
| 法第十条の十一第一項の規定に違反して、財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに同条第二項の規定による請求を拒否した | 法第四十五条 | 20万円以下の過料 |
まとめ
以上、植物防疫法の中の植物等の輸出入に関する規定を紹介しました。
食料安全保障の確立には、農業の安全を制度的に保障する仕組みが不可欠です。植物防疫法は、国際貿易に対応しながら、国内農業の持続的発展を支える中核的基盤となっています。
