アメリカに入国できる犬の要件が2024年8月1日に変わりました

ペットの犬猫とEU諸国へ入国するための準備と手続き~イタリア・スペイン編

ペットと海外移住

ペットの犬猫とスペインへ入国するための要件と書類

ペットの要件

 スペイン農水食料省のホームページによると日本からスペインへ連れていくことができるペットの犬猫の要件は次のようになっています。

  • 一回の入国につき入国を認められるペットの数は最大で5頭である
  • ペットの週齢は狂犬病ワクチン接種前に12週齢以上である
  • ISO11784規格又はISO11785規格のマイクロチップの装着が必要である
  • 狂犬病ワクチン(不活化ワクチン又は組換えワクチン)の接種がマイクロチップの装着後に必要である
  • 日本で出生してから日本国外へ出ることなく在住していたペットには狂犬病抗体価検査は不要である
  • スペイン入国前の狂犬病ワクチンの接種から少なくとも21日間を経過してからスペインに入国する(日本の場合、初回の狂犬病ワクチン接種から30日間の待機)

必要書類

 日本からスペインへペットを連れて行くときの必要書類には次の書類が挙げられます。

  • 狂犬病ワクチン接種証明書
  • 獣医健康証明書

 狂犬病ワクチン接種証明書は、日本の動物検疫所での輸出検疫に獣医師発行の狂犬病予防接種注射済証を持参して狂犬病ワクチン接種の記録を輸出検疫証明書に記載してもらうことで作成されます。(R06.05.09追記)念のために獣医師発行の狂犬病予防接種注射済証の原本とその翻訳も携帯してください。

 獣医健康証明書はEU書式による証明書です。この健康証明書は、日本の動物検疫所での輸出検疫時に完成してもらいます。この健康証明書には、イタリアの場合と同じく狂犬病ワクチン接種情報の記載が必要であり、書式にそのための欄が設けてあります。

 スペイン政府は、スペインにペットを連れてくる場合に利用できる入国地点を限定していますが、日本からスペインへ行くのに通常利用するマドリッド空港やバルセロナ空港を入国地点に指定しているので、この入国地点の制限は実際には問題にならないでしょう。ペットの飼主は、上記の空港で税関に狂犬病ワクチン接種証明書と獣医健康証明書を提示して検査を受けます。

 EU加盟国はほぼシェンゲン協定締結国であり、この協定によりいったんEU加盟国に入国を許された者は国境検査なしで国境を越えて他のシェンゲン協定締結国に入国することができます。シェンゲン協定を利用して休日を別のEU加盟国で過ごす機会も多くなることでしょう。EU加盟国に移住したらその国でEUペットパスポートを(現地の動物病院で申請して)取得することをお勧めします。国境を越えるときは人間用のパスポートと同様にペットにもペットパスポートを携帯してください。また、上記のように、マルタ、フィンランド、英国、アイルランド、又はノルウェーへ行く場合にはEU加盟国にいてもエキノコックスの駆除が必要になることを留意してください。

日本に帰国するとき

 ペットと一緒にスペインから日本に帰国するための日本側の検疫の手続きについてはこちらの記事をご覧ください。日本に帰国するときに輸出前健診を受け、健康診断書にスペイン政府の獣医官の裏書をもらいます。輸出前健診を行ってくれる動物病院と獣医官の所在についてはスペイン国内居住地の「consultorio veterinario」に尋ねてみてください。

 このようにして発行された健康証明書は、紙ではなく電子ファイルの場合もあります。電子ファイルの健康証明書には、獣医官の電子署名が付されます。日本の動物検疫所は、スペインのデータベースの中にある健康証明書を動物検疫所に提出する輸出国政府機関発行の証明書として認めています。

 以上、イタリア保健省とスペイン農水食料省のホームページに記載されている情報を基に説明しました。イタリア又はスペインへの移住にペットを連れていきたいのだけれども自分で渡航準備の全てを行う時間がない、助けを必要としている、という方は行政書士渡邉光一事務所にご相談ください。

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