ペット(犬・猫)と一緒にイタリアまたはスペインへ渡航する際に必要な書類や条件について、各国の公式情報をもとに分かりやすく解説します。なお、日本出国前の準備については、別記事「ペットと一緒に海外移住したいときの準備と手続き」をご参照ください。
イタリア入国に必要な条件と書類
ペットの条件
イタリア保健省の情報によると、日本からペットをイタリアへ連れて行く際の主な条件は以下のとおりです。
- 入国可能なペットは最大5頭まで
- 12週齢以上
- ISO11784/11785規格のマイクロチップ装着
- マイクロチップ装着後の狂犬病予防接種(不活化ワクチン又は組換えワクチン)
- 狂犬病予防接種後、免疫獲得までの期間を経過していること(日本では30日間)
日本国内のみで飼育されていたペットには、狂犬病抗体検査は不要です。
イタリアの一部団体によると、マイクロチップがISO11785規格のみに準拠している場合にはそのマイクロチップを読み取れるマイクロチップリーダーを飼い主が持参することが推奨されていますが、日本国内で装着されるマイクロチップは、ISO11784/11785規格に準拠していますので安心です。
必要書類
- EU様式動物衛生証明書(イタリア入国前10日以内に動物検疫所で署名・公印取得)
- マイクロチップ証明書および狂犬病予防接種証明書(日本帰国時に有用)
日本への帰国手続
イタリアから日本へペットと一緒に帰国する際は、日本の動物検疫所に提出する「動物衛生証明書」が必要です。手続きの流れは、次のとおりです。
- 現地の動物病院において輸出前検査を受け、動物衛生証明書を取得
- 動物衛生証明書にイタリア政府の獣医官の署名と公印を得て「輸出国政府機関発行の証明書」を取得
獣医官の所在などは、イタリア国内居住地の地域保健所(ASL)に問い合わせしましょう。
スペイン入国に必要な条件と書類
ペットの条件
スペイン農水食料省の公式情報によると、日本からペットをスペインへ連れて行く際の主な条件は以下のとおりです。
- 入国可能なペットは最大5頭まで
- 12週齢以上
- ISO11784/11785規格のマイクロチップ装着
- マイクロチップ装着後の狂犬病予防接種(不活化ワクチン又は組換えワクチン)
- 狂犬病予防接種後、免疫獲得までの期間を経過していること(日本では30日間)
日本国内のみで飼育されていたペットには、狂犬病抗体検査は不要です。
必要書類
- EU様式動物衛生証明書(スペイン入国前10日以内に動物検疫所で署名・公印取得)
- 狂犬病ワクチン接種証明書
- マイクロチップ装着証明書(日本帰国時に有用)
なお、スペイン政府はペットの入国が可能な空港を指定しています。日本からの渡航では、マドリッド空港やバルセロナ空港が通常の入国地点となります。これらの空港で、上記の書類を税関に提示し、検査を受ける必要があります。
日本への帰国手続
スペインから日本へペットと一緒に帰国する際は、日本の動物検疫所に提出する「動物衛生証明書」が必要です。手続きの流れは、次のとおりです。
- 現地の動物病院において輸出前検査を受け、動物衛生証明書を取得
- 動物衛生証明書にスペイン政府の獣医官の署名と公印を得て「輸出国政府機関発行の証明書」を取得
輸出前検査を実施する動物病院や獣医官の所在については、スペイン国内居住地の「consultorio veterinario」に問い合わせるとよいでしょう。
なお、獣医師が発行する動物衛生証明書は、紙媒体ではなく電子ファイルで提供される場合もあります。その場合、獣医官は電子署名を付与します。日本の動物検疫所は、スペイン政府のデータベースに登録された電子署名付きの証明書を「輸出国政府機関発行の証明書」として認めています。
以上、イタリア保健省およびスペイン農水食料省の公式サイトに掲載されている情報を基に紹介しました。ペットを連れてイタリア又はスペインへ移住したいけれど、ペットの渡航準備をすべて自分で行う時間がない方、サポートが必要な方は、行政書士渡邉光一事務所にご相談ください。

