医療法の中でも、医療機関の開設や管理に深く関わるのが第4章です。
本記事では、その内容をできるだけわかりやすく整理し、医療機関の運営に携わる方が押さえておきたいポイントをまとめました。
なお、オンライン診療に関する規定は性質が異なるため、別記事にて詳しく取り上げています。
本章では、サマリーブロックの色を変えることで条文の対象が直感的に理解できるようにしています。
第一部:医療施設の開設
医療法第4章第1節は、病院・診療所・助産所といった医療施設を開くために必要な手続きを定めた章です。誰がどんな医療機関を開設することが可能であり、行政に対してどのような手続きが必要かなど、医療機関のスタートラインに関する基本的な規定がまとめられています。
医療施設開設時の許可・届出の区分:
- 病院を開設する ⇒ 許可申請(法第7条第1項)
- 医師・歯科医師・助産師ではない者が診療所・助産所を開設する ⇒ 許可申請(法第7条第1項)
- 医師・歯科医師・助産師が診療所・助産所を開設する ⇒ 届出(法第8条第1項)
- 診療所が病床を設置する ⇒ 許可申請(法第7条第3項)
- 病床数を減らしたり、病床の種別を変更する ⇒ 許可申請(法第7条第2項)
開設までの手続きに関する規定
■病院・診療所・助産所の開設許可(法第7条)
一言サマリー:医療施設の開設における許可の必要性並びに許可申請に対する行政の対応を定める条文。
第1項:医療機関の開設に許可が必要なケースを定める。
第2項:病床数・種別の変更に知事等の許可が必要であることを定める。
第3項:診療所への病床の設置などに知事の許可が必要であることを定める。
第4項:行政が許可を与える基準を定める。
第5項:地域の医療計画に必要な病床確保のために許可に条件が付く場合があることを定める。
第6項:過剰な病床数を地域の医療計画に適合させるために許可に条件が付く場合があることを定める。
第7項:営利を目的とする医療機関の開設には不許可があり得ることを定める。
◇開設許可の取得(第1項)
許可申請の場面:
許可申請者:
- 病院の開設者
- 臨床研修等修了医師・歯科医師ではない診療所の開設者
- 助産師ではない助産所の開設者
許可者:
- 病院の場合:開設地の都道府県知事
- 診療所・助産所の場合:開設地の都道府県知事(保健所設置市・特別区にあってはその首長)
許可申請書の記載事項:医療法施行規則第1条の14第1項・第2項各号に定める事項
※許可を受けた開設者は、病院・診療所・助産所の開設後に届出を行う(施行令第4条の2第1項)。
◇変更許可の取得(第2項)
許可申請の場面:
- 病院が下記の事項を変更するとき。
- 病床数
- 病床の種別
- 医療法施行規則第1条の14第3項に定める事項
- 診療所が下記の事項を変更するとき。
- 病床数
- 病床の種別
- 医療法施行規則第1条の14第3項に定める事項
- 助産所が下記の事項を変更するとき。
- 医療法施行規則第2条第2項に定める事項
「病床の種別」
- 1. 精神病床:精神疾患を有する者を入院させるための病床
- 2. 感染症病床:感染症予防法に規定する一類感染症・二類感染症(結核を除く)・新型インフルエンザ等感染症・指定感染症の患者並びに同法に規定する新感染症の所見がある者を入院させるための病床
- 3. 結核病床:結核の患者を入院させるための病床
- 4. 療養病床:前三号に掲げる病床以外の病床であって、主として長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるためのもの
- 5. 一般病床:前各号に掲げる病床以外のもの
許可申請者:
- 病院の開設者
- 臨床研修等修了医師・歯科医師ではない診療所の開設者
- 助産師ではない助産所の開設者
許可者:
- 病院の場合:開設地の都道府県知事
- 診療所・助産所の場合:開設地の都道府県知事(保健所設置市・特別区にあってはその首長)
※病院以外が病床数を減らす変更の場合には、開設地の都道府県・保健所設置市・特別区へ届出を行う。
◇診療所が要する知事の許可(第3項)
許可申請者:診療所の開設者(臨床研修等修了医師・歯科医師である開設者を含む)
許可者:都道府県知事
診療所が知事の許可を要する場面:
- 診療所に病床を設ける場合
- 病床数を増やすとき
- 病床の種別を変更するとき
- 医療法施行規則第1条の14第5項各号の事項を変更するとき
例外:
- 医療法施行規則第1条の14第7項の第1号・第2号・第5号に規定する場合に該当する。
- 医療法施行規則第1条の14第7項の第3号・第4号・第5号に規定する場合に該当する。
◇許可の条件(第4項)
許可を与える条件:第1項~第3項それぞれの許可申請に係る施設の構造設備・人員が要件を満たしていること
許可者:都道府県知事・政令で定められた保健所設置市(以下、「保健所設置市」)の市長・特別区の区長
◇条件の付与(第5項)
条件付与の目的:医療計画において定める将来の病床数の必要量を確保するため
条件付与者:都道府県知事
条件付与の場面:(1)下記のいずれかの許可申請があったときであって、(2)病床の機能区分のうち、許可申請をした病院・診療所の所在地を含む構想区域における病床の機能区分に応じた既存の病床数が、医療計画において定める将来の病床数の必要量に達していないとき。
- 病院に関する申請
- 開設の許可申請
- 病床数の増加・病床の種別の変更の許可申請
- 診療所に関する許可申請
- 病床設置の許可申請
- 病床数の増加・病床の種別の変更の許可申請
条件の内容:医療計画において定める病床数の必要量に達していない病床の機能区分に係る医療を、当該申請に関係する病床において提供すること。
◇特例許可病床の解消時の条件の付与(第6項)
- 第30条の4第10項の規定する事情(都道府県の医療計画が公示された後に)
- イ. 急激な人口の増加が見込まれる
- ロ. 新型インフルエンザ等感染症等に係る発生等の公表が行われた
- ハ. 特定の疾病にり患する者が異常に多くなる
- ニ. その他前三号に準ずる事情として厚生労働省令で定める事情がある
- 第30条の4第11項の規定する事情(都道府県の医療計画が公示された後に)
- イ. 厚生労働省令で定める病床を含む病院の開設の許可・病院の病床数の増加・病床の種別の変更の許可の申請があった
- ロ. 厚生労働省令で定める病床を含む診療所の病床の設置の許可・診療所の病床数の増加の許可の申請があった
上記の事情に対応するため、事情1については医療法施行令第5条の3第2項の、事情2については医療法施行令第5条の4第2項の規定により算定した数を基準病床数とみなして、病院開設の許可申請等に係る事務を行うことができ、結果として特例許可病床が発生する。
特例許可病床が不要になる状況変化:
- 第30条の4第10項が規定する特例を認めた事情がなくなった
- 第30条の4第11項が規定する特例病床で行うべき業務が行われなくなった
条件の内容:上記の状況変化に対応するため、病院開設の許可申請等に対して下記の条件を付すことができる。
- 特例的に許可した病床について、各地域の医療計画において定める本来の基準病床数を超えている病床数の範囲内で特例許可病床の数を削減することを内容とする許可の変更のための措置をとること。
第7条第5項・第6項の規定に基づき、実務では、病院の新規開設・病床増加等や診療所の病床設置・病床増加等を希望する場合には、所在地の自治体との事前の相談が必要になります。
◇営利を目的とする開設の不許可(第7項)
内容:都道府県知事(保健所設置市・特別区にあってはその首長)は、営利を目的として病院・診療所・助産所を開設しようとする者に対しては、第1項の許可を与えないことができる。
■公的医療機関等に関する不許可(法第7条の2)
一言サマリー:公的医療機関や公的医療保険の保険者が許可申請をした場合において、地域の病床数の状況を勘案し、申請不許可・病床数削減命令により病床数の調整を行うことができる旨を定める条文。
第1項:病院の開設・病床数増・種別変更の許可申請を不許可にできることを定める。
第2項:診療所の病床設置・病床数増の許可申請を不許可にできることを定める。
第3項:業務を行っていない病床数の範囲内で病床数を削減する許可変更の措置を命令できることを定める。
第4項:地域における基準病床数算定の補正について定める。
第5項:第1項・第2項の不許可又は第3項の命令発令に際して医療審議会の意見を聴取すべきことを定める。
第6項:第3項の命令に従わない事例がある場合にその旨を公表できることを定める。
第7項:省略
◇病院の開設・変更の不許可(第1項)
許可申請者:第7条の2第1項の第1号~第8号までに掲げる者
許可申請の内容:
- 開設
- 病床数の増加
- 病床の種別変更
申請不許可となる状況:申請した病院の所在地を含む地域における病院・診療所の病床の当該申請に係る病床の種別に応じた数が、
- 医療計画において定めるその地域の当該申請に係る病床の種別に応じた基準病床数に既に達している。
- 当該申請に係る病院の開設・病床数の増加・病床の種別変更によって基準病床数を超えることが見込まれる。
不許可の処分:どちらかの状況にあるとき、都道府県知事は申請者に許可を与えないことができる。
◇診療所の変更の不許可(第2項)
許可申請の内容:
- 病床の設置
- 病床数の増加
申請不許可となる状況:申請した診療所の所在地を含む地域における療養病床及び一般病床の数が、
- 医療計画において定めるその地域の療養病床及び一般病床の基準病床数に既に達している。
- 当該申請に係る病床の設置・病床数の増加によって基準病床数を超えることが見込まれる。
不許可の処分:どちらかの状況にあるとき、都道府県知事は申請者に許可を与えないことができる。
◇変更措置命令(第3項)
発令者:都道府県知事
発令の背景:病院(療養病床等を有するものに限る。)・診療所(許可を得て病床を設置するものに限る。)の所在地を含む地域における療養病床及び一般病床の数が、医療計画において定めるその区域の療養病床・一般病床に係る基準病床数を既に超えている。
発令の状況:病院・診療所が、正当な理由がなく、許可に係る療養病床等又は許可を受けた病床に係る業務の全部又は一部を行っていない。
命令の内容:病院・診療所の開設者又は管理者に対し、業務を行っていない病床数の範囲内で病床数を削減することを内容とする許可の変更のための措置をとるべきことを命ずる。
◇基準病床数の算定(第4項)
算定者:都道府県知事
内容:地域における既存の病床数及び当該申請に係る病床数を算定するにあたり、病院・診療所の機能・性格を考慮して必要な補正を行う。当該補正は、都道府県の条例の定めるところによる。
◇意見聴取(第5項)
内容:都道府県知事は、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない。
聴取の時期:
- 第1項・第2項の規定により許可を与えない処分をしようとするとき。
- 第3項の規定により命令しようとするとき。
◇不服従事例の公表(第6項)
公表の事由:第3項の規定による命令を受けた病院・診療所の開設者・管理者がこれに従わなかった。
内容:都道府県知事は、不服従の旨を公表することができる。
◇独立行政法人・特殊法人の計画に関する厚生労働大臣との協議(第7項)
省略
■病床数超過の場合における不許可(法第7条の3)
一言サマリー:地域の病床数の状況を勘案し、許可申請者の申請理由その他の説明を踏まえて、許可の可否を決定することができる旨を定める条文。
第1項:新規病床設置等の許可申請の理由等を聴取できることを定める。
第2項:理由等が不十分である場合に協議の場へ参加要請できることを定める。
第3項:協議の場への参加要請に応えるべきことを定める。
第4項:協議が調わない場合に医療審議会へ出席して理由等を説明するよう要請できることを定める。
第5項:医療審議会への出席及び理由等の説明の要請に応えるべきことを定める。
第6項:理由等がやむを得ないものと認められない場合に申請を不許可にできることを定める。
第7項:第6項の不許可に際して医療審議会の意見を聴取すべきことを定める。
第8項:診療所の病床設置・病床数増の許可申請に対して第1項~第7項までの規定の準用を定める。
◇許可申請に係る理由等の聴取(第1項)
聴取者:都道府県知事
聴取時の状況:病院の開設許可・病院の病床数の増加許可の申請(療養病床等に関するものに限る。)があった場合、申請した病院の所在地を含む構想区域における療養病床及び一般病床の数の合計が、
- 医療計画において定めるその区域における将来の病床数の必要量の合計に既に達している。
- 当該申請に係る病院の開設・病院の病床数の増加によって将来の病床数の必要量の合計を超えることが見込まれる。
聴取の手続:どちらかの状況にあるとき、申請者に対し、当該構想区域において病院の開設・病院の病床数の増加が必要である理由及び申請に係る病床の機能の予定の具体的な内容(「理由等」)の提出を求めることができる。
◇協議への参加要請(第2項)
要請者:都道府県知事
内容:理由等が十分でないと認めるときは、申請者に対し、協議の場に参加するよう求めることができる。
協議の場の性質:第30条の14第1項に規定する協議の場
◇都道府県医療審議会への出席要請(第4項)
要請者:都道府県知事
内容:協議の場における協議が調わない等の事由があるときは、申請者に対し、都道府県医療審議会へ出席し、理由等を説明するよう求めることができる。
◇申請者の努力義務(第3項・第5項)
内容:
- 知事からの協議参加要請があったときは、協議参加に努力する。
- 知事からの都道府県医療審議会出席要請があったときは、出席・理由等の説明に努力する。
◇申請の不許可(第6項・第7項)
不許可の事由:第2項の協議の場における協議の内容・第4項の説明の内容を踏まえ、理由等がやむを得ないものと認められない。
不許可の内容:申請者に対し、第7条第1項又は第2項の許可を与えないことができる。
意見聴取:都道府県知事は、第7条第1項又は第2項の許可を与えない処分をするときは、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない。
◇準用・読み替え(第8項)
準用:第1項から第7項までの規定は、診療所の病床の設置の許可又は診療所の病床数の増加の許可の申請について準用する。
読み替え:
- 第6項中の「第7条第1項又は第2項」 ⇒ 「第7条第3項」
- 第7項中の「第7条第1項又は第2項」 ⇒ 「第7条第3項」
■診療所・助産所の開設届出及びオンライン診療受診施設の設置届出(法第8条)
一言サマリー:医師・歯科医師・助産師による診療所・助産所の開設後及びオンライン診療受診施設の設置後に行う届出について定める条文。
◇診療所・助産所開設の届出(第1項)
届出の場面:
届出先:診療所又は助産所の所在地の都道府県知事
届出者:
- 臨床研修等修了医師・歯科医師である診療所の開設者
- 助産師である助産所の開設者
届出期間:開設後10日以内
届出事項:
- 診療所:医療法施行規則第4条に定める事項
- 助産所:医療法施行規則第5条に定める事項
往診専門の医師・歯科医師および出張専門の助産師の場合
⇒ みなし診療所・助産所の所在地の都道府県知事への届出が必要
開設後の手続きに関する規定
変更等の届出
■診療所の病床設置の届出(施行令第3条の3)
一言サマリー:診療所は、許可なしに病床を設けた場合には10日以内に届出が必要であることを定めた条文。
届出者:医療法施行規則第1条の14第7項の第1号・第2号・第5号に規定する場合に該当し、許可を受けずに診療所に病床を設置した者
届出先:診療所の所在地の都道府県知事
届出期間:病床の設置から10日以内
届出内容:
- 病床数
- 医療法施行規則第1条の14第5項各号に定める事項
■開設者の住所等の変更の届出(施行令第4条)
一言サマリー:
第1項:病院・診療所・助産所の開設許可申請書の記載事項に変更を生じた場合には10日以内に届出が必要であることを定める。
第2項:許可を受けずに病床数を変更した場合には10日以内に届出が必要であることを定める。
第3項:診療所・助産所の開設届の記載事項に変更を生じた場合には10日以内に届出が必要であることを定める。
第4項:オンライン診療受診施設の設置届の記載事項に変更を生じた場合には10日以内に届出が必要であることを定める。
◇開設許可に関する変更届(第1項)
届出者:
- 病院の開設者
- 臨床研修等修了医師・歯科医師ではない診療所の開設者
- 助産師ではない助産所の開設者
届出の事由:下記の事項に変更を生じた。
- 開設者の氏名
- 開設者の住所
- 医療法施行規則第1条の14第4項に定める事項(病院・診療所に関する事項)
- 医療法施行規則第2条第3項に定める事項(助産所に関する事項)
届出先:
- 病院の所在地の都道府県知事
- 診療所・助産所の所在地の都道府県知事(保健所設置市・特別区にあってはその首長)
届出期間:変更の発生から10日以内
届出内容:変更した事項
◇許可を受けずにした病床数変更に関する届出(第2項)
届出者:医療法施行規則第1条の14第7項の第3号・第4号・第5号に規定する場合に該当し、許可を受けずに診療所の療養病床等の又は療養病床等に係る病室の病床数を変更した者
届出先:診療所の所在地の都道府県知事
届出期間:病床数の変更から10日以内
届出内容:医療法施行規則第1条の14第5項各号に掲げる事項(当該病床が一般病床のみの場合にあつては、同項第三号に掲げる事項)
◇開設届出に関する変更届(第3項)
届出者:
- 診療所を開設した臨床研修等修了医師・歯科医師
- 助産所を開設した助産師
届出の事由:法第8条第1項の規定により届け出た事項に変更を生じた
届出先:診療所・助産所の所在地の都道府県知事(保健所設置市・特別区にあってはその首長)
届出期間:変更の発生から10日以内
届出内容:変更した事項
■許可を受けた病院・診療所・助産所の開設後の届出(施行令第4条の2)
一言サマリー:
第1項:許可を受けて病院・診療所・助産所を開設した場合には10日以内に届出が必要であることを定める。
第2項:許可を受けて開設した病院・診療所・助産所の開設届の記載事項に変更を生じた場合には10日以内に届出が必要であることを定める。
◇開設の届出(第1項)
届出者:許可を受けて開設した病院・診療所・助産所の開設者
届出の事由:病院・診療所・助産所を開設した
届出先:病院・診療所・助産所の所在地の都道府県知事
届出期間:開設から10日以内
届出内容:医療法施行規則第3条第1項に定める事項(例:病院・診療所の管理者、助産所の管理者)
◇開設後の変更届(第2項)
届出者:許可を受けて開設した病院・診療所・助産所の開設者
届出の事由:第1項の届出事項に変更を生じた
届出先:病院・診療所・助産所の所在地の都道府県知事
届出期間:変更の発生から10日以内
届出内容:変更した事項
■地域医療支援病院の承認(施行規則第6条)
内容:法第4条第1項の規定により地域医療支援病院の承認を受けようとする者は、第1項に掲げる事項を記載した申請書を、第2項に掲げる書類を添えて提出しなければならない。
提出先:病院所在地の都道府県知事
■地域医療支援病院の入院施設の収容人数(施行規則第6条の2)
省略
■特定機能病院の承認(施行規則第6条の3)
内容:法第4条の2第1項の規定により地域医療支援病院の承認を受けようとする者は、第1項に掲げる事項を記載した申請書を、第2項に掲げる書類を添えて提出しなければならない。
提出先:厚生労働大臣
■特定機能病院の診療科(施行規則第6条の4)
内容:特定機能病院が設けることができる診療科は、医療法施行規則第6条の4で定める。
■特定機能病院の入院施設の収容人数(施行規則第6条の5)
省略
■臨床研究中核病院の承認(施行規則第6条の5の2)
内容:法第4条の3第1項の規定により地域医療支援病院の承認を受けようとする者は、第1項に掲げる事項を記載した申請書を、第2項に掲げる書類を添えて提出しなければならない。
提出先:厚生労働大臣
■臨床研究中核病院が行う臨床研究の基準(施行規則第6条の5の3)
内容:法第4条の3第1項第1項の「特定臨床研究」の基準は、下記のとおりである。
- 下記のいずれかの省令に適合する治験であること
- 医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令
- 医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令
- 再生医療等製品の臨床試験の実施の基準に関する省令
- 臨床研究法の規定に基づいて実施する臨床研究であること
■臨床研究中核病院の診療科(施行規則第6条の5の4)
内容:臨床研究中核病院が設けることができる診療科は、医療法施行規則第6条の5の4で定める。
■臨床研究中核病院の入院施設の収容人数(施行規則第6条の5の5)
省略
■特定機能病院等に係る変更の届出(施行令第4条の3)
一言サマリー:特定機能病院・臨床研究中核病院は、指定事項に変更があれば10日以内に届出が必要であることを定めた条文。
届出者:特定機能病院・臨床研究中核病院の開設者
届出の事由:
- 特定機能病院の場合:医療法施行規則第3条の2第1項に定める事項に変更を生じた
- 臨床研究中核病院の場合:医療法施行規則第3条の3第1項に定める事項に変更を生じた
届出先:厚生労働大臣
届出期間:変更の発生から10日以内
届出内容:変更した事項
休止・廃止の届出等
■病院・診療所・助産所・オンライン診療受診施設の休止・再開の届出等(法第8条の2)
一言サマリー:病院・診療所・助産所・オンライン診療受診施設の無断休止の禁止並びに病院・診療所・助産所・オンライン診療受診施設の休止時・休止からの再開時の届出について定める条文。
◇無断休止の禁止(第1項)
内容:病院・診療所・助産所の開設者又はオンライン診療受診施設の設置者は、正当な理由なく、病院・診療所・助産所・オンライン診療受診施設を1年を超えて休止してはならない。
例外:第8条第1項の規定による届出をして開設した診療所・助産所の開設者
◇休止・再開の届出(第2項)
届出の場面:
- 病院・診療所・助産所・オンライン診療受診施設を休止したとき。
- 休止した病院・診療所・助産所・オンライン診療受診施設を再開したとき。
届出先:病院の所在地の都道府県知事又は診療所・助産所・オンライン診療受診施設の所在地の都道府県知事(保健所設置市・特別区にあってはその首長)
届出者:
- 病院・診療所・助産所の開設者
- オンライン診療受診施設の設置者
届出期間:休止又は再開から10日以内
■病院・診療所・助産所・オンライン診療受診施設の廃止時等における届出(法第9条)
一言サマリー:病院・診療所・助産所・オンライン診療受診施設の廃止時の届出並びに病院・診療所・助産所・オンライン診療受診施設の開設者・設置者の死亡・失踪後の届出について定める条文。
◇廃止の届出(第1項)
届出の場面:病院・診療所・助産所・オンライン診療受診施設を廃止したとき。
届出先:病院の所在地の都道府県知事又は診療所・助産所・オンライン診療受診施設の所在地の都道府県知事(保健所設置市・特別区にあってはその首長)
届出者:
- 病院・診療所・助産所の開設者
- オンライン診療受診施設の設置者
届出期間:廃止から10日以内
◇死亡・失踪時の届出(第2項)
届出の場面:病院・診療所・助産所の開設者又はオンライン診療受診施設の設置者が死亡した又は失踪宣告を受けたとき。
届出先:病院の所在地の都道府県知事又は診療所・助産所・オンライン診療受診施設の所在地の都道府県知事(保健所設置市・特別区にあってはその首長)
届出者:下記の人物の死亡又は失踪の届出義務者
- 病院・診療所・助産所の開設者
- オンライン診療受診施設の設置者
届出期間:死亡又は失踪宣告から10日以内
第二部:医療施設の管理
医療法第4章第2節は、医療施設が安全で適切な医療を提供するための管理体制の基準を定めた章です。 管理者の責任、人員配置、記録管理、設備管理、行政との関係など、医療機関運営の根幹となるルールがまとめられています。
病院・診療所の管理に関する規定
人的・物的要件
■病院・診療所の管理(法第10条)
◇病院・診療所の管理者(第1項)
管理者になる資格:
- 病院・診療所が医業を行う場合⇒臨床研修等修了医師
- 病院・診療所が歯科医業を行う場合⇒臨床研修等修了歯科医師
管理者選任の責任者:病院・診療所の開設者
◇医業及び歯科医業を併せ行う場合の管理者(第2項)
管理者になる資格:
- 医業及び歯科医業を併せ行う病院・診療所が主として医業を行う場合⇒臨床研修等修了医師
- 医業及び歯科医業を併せ行う病院・診療所が主として歯科医業を行う場合⇒臨床研修等修了歯科医師
管理者選任の責任者:病院・診療所の開設者
◇地域医療支援病院等の管理者(第3項)
対象病院:下記のどちらかに該当し、医業をなす又は医業と歯科医業を併せ行うが主として医業を行う病院
- 地域医療支援病院
- 医療法施行規則第7条の2第1項第2号に規定する病院
管理者になる資格:臨床研修等修了医師であつて第5条の2第1項の認定を受けたもの(医師少数区域経験認定医師)
例外:下記のいずれかの場合には、非医師少数区域経験認定医師である臨床研修等修了医師を管理者とすることができる。
- 地域における医療の提供に影響を与える場合
- 医療法施行規則第7条の2第2項に規定する場合
■入院施設を有する診療所の診療体制構築義務(法第13条)
内容:入院施設を有する診療所の管理者は、下記の措置を講じなければならない。
- 診療所の医師が速やかに診療を行う体制の確保(努力義務)
- 他の病院・診療所との緊密な連携の確保
目的:入院患者の病状急変時における適切な治療の提供
■医師の宿直義務(法第16条)
内容:医業を行う病院の管理者は、病院に医師を宿直させなければならない。
例外:下記の場合は、この限りではない。
- 病院の医師が当該病院に隣接した場所に待機する場合
- 病院の入院患者の病状が急変した場合においても当該病院の医師が速やかに診療を行う体制が確保されているものとして所在地の都道府県知事に認められた場合(医療法施行規則第9条の15の2)
■薬剤師の設置義務(法第18条)
義務者:病院・診療所の開設者
内容:都道府県(診療所が保健所設置市・特別区の区域にある場合においては、当該保健所設置市・特別区)の条例の定めるところにより、専属の薬剤師を設置しなければならない。
設置義務のある医療施設:病院・常勤の医師が3人以上いる診療所(医療法施行規則第6条の6)
例外:医療法施行規則第7条に掲げる事項を記載した申請書を所在地の都道府県知事に提出し、その許可を受けた場合
■病院・診療所の人的・物的要件(法第21条)
◇病院の人的・物的要件及び記録(第1項)
病院は下記の人的・物的要件を満たし、下記の記録を備え置く。
人的・物的要件:
- 病院の有する病床の種別に応じ、医療法施行規則第19条第1項で定める員数の医師・歯科医師+都道府県の条例で定める員数の看護師その他の従業者
- 各科専門の診察室
- 手術室
- 処置室
- 臨床検査施設
- エックス線装置
- 調剤所
- 給食施設
- 診療に関する諸記録
- 産婦人科・産科を有する病院では分娩室・新生児の入浴施設
- 療養病床を有する病院では機能訓練室
- その他都道府県の条例で定める施設
各施設・設備及び各記録の要件・内容:医療法施行規則第20条各号で定める要件・内容
◇療養病床を有する診療所の人的・物的要件及び記録(第2項)
療養病床を有する診療所は下記の人的・物的要件を満たす。
人的・物的要件:
- 医療法施行規則第21条の2第1項で定める員数の医師及び歯科医師のほか、都道府県の条例で定める員数の看護師及び看護の補助その他の業務の従業者
- 機能訓練室
- その他都道府県の条例で定める施設
機能訓練室の基準:機能訓練を行うために十分な広さを有し、必要な器械及び器具を備えなければならない。
◇厚生労働省令で定める基準の遵守・参考(第3項)
内容:都道府県が前二項の条例を定めるときは、厚生労働省令で定める基準に従い、又は厚生労働省令で定める基準を参酌する。
厚生労働省令で定める基準であって、従うべきもの:
病院の従業者・その員数に係るもの(医療法施行規則第19条第2項):
- 薬剤師
- 看護師及び准看護師
- 看護補助者
- 栄養士又は管理栄養士
療養病床を有する診療所の従業者・その員数に係るもの(医療法施行規則第21条の2第2項):
- 看護師及び准看護師
- 看護補助者
厚生労働省令で定める基準であって、参酌すべきもの:
病院の従業者・その員数に係るもの(医療法施行規則第19条第3項):
- 診療放射線技師・事務員その他の従業者
- 理学療法士及び作業療法士
病院の施設及びその構造設備に係るもの(医療法施行規則第21条第1項):
- 消毒施設及び洗濯施設
- 談話室(療養病床を有する病院に限る。)
- 食堂(療養病床を有する病院に限る。)
- 浴室(療養病床を有する病院に限る。)
療養病床を有する診療所の従業者・その員数に係るもの(医療法施行規則第21条の2第3項):
- 事務員その他の従業者
療養病床を有する診療所の施設及びその構造設備に係るもの(医療法施行規則第21条の4):
- 談話室
- 食堂
- 浴室
管理者の責務
■病院報告の提出義務(施行令第4条の9)
報告者:病院・療養病床を有する診療所の管理者
病院報告の内容:管理する病院・診療所に係る患者の状況その他の事項(医療法施行規則別記様式第一)
報告の頻度:毎月
報告の提出先:
- 一次提出先:病院・診療所の所在地を管轄する保健所長
- 最終提出先:厚生労働大臣
■一般社団法人に係る届出義務(施行令第4条の7)
届出義務者:病院・診療所を開設する一般社団法人(公益社団法人を除く)
届出の内容:毎会計年度に係る下記の書類
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 事業報告
- 医療法施行規則第9条の2の5で定める附属明細書
届出期間:会計年度終了後3月以内
届出先:都道府県知事
■事故等事案の報告義務(施行規則第12条)
事故等事案とは:
- イ. 誤った医療・管理に起因して死亡・心身障害の発生・予期しない/予期を上回る治療を要した事案
- ロ. 誤った医療・管理を行ったか不明であるが、当該医療・管理に起因して起因して死亡・心身障害の発生・予期しない/予期を上回る治療を要した事案(疑い例を含む。)
- ハ. イ及びロに掲げるもののほか、医療機関内における事故の発生の予防・再発の防止に資する事案
報告義務者:下記の病院の管理者
- 特定機能病院
- 医療法施行規則第11条に掲げる事故等報告病院
事故等報告書の内容:医療法施行規則第9条の20の2第2項に掲げる事項
提出期間:事故等事案が発生した日から2週間以内
提出先:登録分析機関
登録分析機関とは
事故等事案に関する情報資料の収集分析、事故等事案に関する科学的な調査研究、分析結果・調査研究成果の提供事業を行う者であって、厚生労働大臣の登録を受けたもの
■登録分析機関に関する規定(施行規則第12条の2~第12条の16)
省略
■地域医療支援病院の業務報告書(法第12条の2)
業務報告書の内容:医療法施行規則第9条の2第1項各号に定める事項
報告書の提出者:地域医療支援病院の開設者
提出先:都道府県知事
報告書の公表:都道府県知事は報告書の内容を公表する。
■地域医療支援病院の管理者の責務(法第16条の2)
◇地域医療支援(第1項)
義務者:地域医療支援病院の管理者
内容:地域医療の確保に関係する下記の事項を、医療法施行規則第9条の16の規定に従って行わなければならない。
- 当該病院の建物・設備・器械・器具を、当該病院に勤務しない医療従事者の診療・研究・研修のために利用させること。
- 救急医療の提供。
- 地域の医療従事者の資質向上を図るための研修の実施。
- 第22条第2号及び第3号に掲げる諸記録の体系的な管理。
- 患者を紹介しようとする医師等から第22条第2号又は第3号に掲げる諸記録の閲覧を求められたときは、正当の理由がある場合を除き、医療法施行規則第9条の18で定めるものを閲覧させること。
- 他の病院・診療所から紹介された患者に対する医療の提供。
- 医療法施行規則第9条の19で定める事項
◇居宅等医療提供施設等との連携支援(第2項)
義務者:地域医療支援病院の管理者
内容:居宅等における医療の確保に関係する下記の事項を行わなければならない。
- 居宅等医療提供施設等における連携の緊密化のための支援
- 医療を受ける者・地域の医療提供施設に対する居宅等医療提供施設等に関する情報の提供
- 居宅等医療提供施設等による居宅等における医療の提供の推進に関する必要な支援
「居宅等医療提供施設等」とは
● 居宅等における医療を提供する医療提供施設
● 訪問看護を行う介護保険法に規定する指定居宅サービス事業者
● その他の居宅等における医療を提供する者
■地域医療支援病院の物的要件(法第22条)
第21条第1項(第9号を除く。)に定めるものに加え、下記の物的要件を満たし、下記の記録を備え置く。
物的要件:
- 集中治療室
- 診療に関する諸記録
- 病院の管理及び運営に関する諸記録
- 化学、細菌及び病理の検査施設
- 病理解剖室
- 研究室
- 講義室
- 図書室
- 医療法施行規則第22条で定める施設
- 救急用・患者輸送用自動車
- 医薬品情報管理室(医薬品に関する情報の収集・分類・評価・提供を行うためのもの)
各施設・設備及び各記録の要件・内容:医療法施行規則第21条の5各号で定める要件・内容
■特定機能病院の管理(法第10条の2)
◇特定機能病院の管理者の要件及び選任(第1項)
資格:特定機能病院の管理者になる者は、下記の能力・経験を有する者でなくてはならない。
- 第16条の3第1項各号に掲げる事項を実施する能力・経験を有する。
- その他の特定機能病院の管理・運営に関する業務の遂行に関し必要な能力・経験を有する。
選任:特定機能病院の開設者は、管理者の選任に当たり、管理者の資質・能力に関する基準として下記の事項を定め、公表する(医療法施行規則第7条の2の2)。
- 医療の安全の確保のために必要な資質・能力
- 組織管理能力等の当該病院を管理運営する上で必要な資質・能力
◇特定機能病院の管理者の選考(第2項)
特定機能病院の管理者は、選考委員会の審査結果を踏まえて選任される。
選考委員会:
- 特定機能病院の開設者
- 医療法施行規則第7条の3第2項に掲げる者
を除く者を構成員として含む合議体。
選考委員会の要件:医療法施行規則第7条の3第1項各号に掲げる要件
■特定機能病院の業務報告書(法第12条の3)
業務報告書の内容:医療法施行規則第9条の2の2第1項各号に定める事項
報告書の提出者:特定機能病院の開設者
提出先:厚生労働大臣
報告書の公表:厚生労働大臣は報告書の内容を公表する。
■特定機能病院の管理者の責務(法第16条の3)
◇高度医療支援(第1項)
義務者:特定機能病院の管理者
内容:高度医療に関係する下記の事項を、医療法施行規則第9条の20の規定に従って行わなければならない。「医療の高度の安全の確保に関する事項」は、医療法施行規則第9条の20の2第1項各号に規定される。
- 高度医療の提供。
- 高度医療技術の開発及び評価。
- 高度医療に関する研修の実施。
- 医療の高度安全の確保。
- 第22条の2第3号及び第4号に掲げる諸記録の体系的な管理。
- 患者を紹介しようとする医師等から第22条の2第3号又は第4号に掲げる諸記録の閲覧を求められたときは、正当の理由がある場合を除き、医療法施行規則第9条の22で定めるものを閲覧させること。
- 他の病院・診療所から紹介された患者に対する医療の提供。
- 医療法施行規則第9条の20第1項第7号で定める事項
◇合議体の決議に基づく管理運営義務(第2項)
義務者:特定機能病院の管理者
内容:病院の管理運営に関する重要事項を行うときは、当該管理者並びに当該病院の医師・歯科医師・薬剤師・看護師その他の者から成る合議体の決議に基づいて行う。
決議の場面:病院の管理運営に関する医療法施行規則第9条の23に規定する重要事項を行う場合
◇医療連携体制構築への配慮義務(第3項)
義務者:特定機能病院の管理者
内容:第30条の4第2項第2号に規定する医療連携体制が適切に構築されるように配慮する。
■特定機能病院の管理運営に必要な措置義務(法第19条の2)
義務者:特定機能病院の開設者
内容:医療法施行規則第15条の4の規定に従って、法第19条の2各号に掲げる措置を講じなければならない。
目的:管理者による特定機能病院の管理運営に関する業務の支援
■特定機能病院の人的・物的要件(法第22条の2)
第21条第1項(第1号・第9号を除く。)に定めるものに加え、下記の人的・物的要件を満たし、下記の記録を備え置く。
人的・物的要件:
- 医療法施行規則第22条の2で定める員数の医師・歯科医師・薬剤師・看護師その他の従業者
- 集中治療室
- 診療に関する諸記録
- 病院の管理及び運営に関する諸記録
- 第22条第4号から第8号までに掲げる施設
- 医療法施行規則第22条の4で定める施設
- 無菌状態の維持された病室
- 医薬品情報管理室
各施設・設備及び各記録の要件・内容:医療法施行規則第22条の3各号で定める要件・内容
■臨床研究中核病院の業務報告書(法第12条の4)
業務報告書の内容:医療法施行規則第9条の2の3第1項各号に定める事項
報告書の提出者:臨床研究中核病院の開設者
提出先:厚生労働大臣
報告書の公表:厚生労働大臣は報告書の内容を公表する。
■臨床研究中核病院の管理者の責務(法第16条の4)
義務者:臨床研究中核病院の管理者
内容:特定臨床研究に関係する下記の事項を、医療法施行規則第9条の24の規定に従って行わなければならない。
- 特定臨床研究に関する計画の立案及び実施。
- 他の病院・診療所と共同して特定臨床研究を実施する場合における、特定臨床研究の実施の主導的な役割の遂行。
- 他の病院・診療所に対する、特定臨床研究の実施に関する相談対応、必要な情報の提供、助言その他の援助の実施。
- 特定臨床研究に関する研修の実施。
- 第22条の2第3号及び第4号に掲げる諸記録の体系的な管理。
- 医療法施行規則第9条の25で定める事項
■臨床研究中核病院の人的・物的要件(法第22条の3)
第22条第1項(第1号・第9号を除く。)に定めるものに加え、下記の物的要件を満たし、下記の記録を備え置く。
人的・物的要件:
- 医療法施行規則第22条の6で定める員数の臨床研究に携わる医師・歯科医師・薬剤師・看護師その他の従業者
- 集中治療室
- 診療及び臨床研究に関する諸記録
- 病院の管理及び運営に関する諸記録
- 第22条第4号から第8号までに掲げる施設
- 医療法施行規則第22条の8で定める施設
- 検査の正確性を確保するための設備を有する臨床検査施設
各施設・設備及び各記録の要件・内容:医療法施行規則第22条の7各号で定める要件・内容
助産所の管理に関する規定
■助産所の管理(法第11条)
助産所の開設者は、助産師に助産所を管理させる。
■助産所の入所体制(法第14条)
内容:助産所の管理者は、同時に10人以上の妊婦・産婦・褥婦を入所させてはならない。
例外:他に入院・入所させる適当な施設がないにおいて臨時応急的に入所させるとき。
■助産における病院・診療所との提携(法第19条)
◇助産所の提携義務(第1項)
義務者:助産所の開設者
内容:
- 分娩時の異常に対応するため、病院・診療所の産科・婦人科担当医師を嘱託医師として定めるか、産科・婦人科を有する病院・診療所に対応を嘱託する。
- 分娩時の異常に対応するため、産科・婦人科・小児科を有し、かつ、新生児への診療を行える病院・診療所(入院施設を持つもの)を嘱託する病院又は診療所として定める。
◇出張専門助産師の提携義務(第2項)
義務者:出張専門助産師
内容:妊婦等の助産を約束するとき、当該妊婦等の異常に対応するため、産科・婦人科・小児科を有し、かつ、新生児への診療を行える病院・診療所(入院施設を持つもの)を嘱託する病院又は診療所として定める。
病院・診療所・助産所に共通する管理に関する規定
人的・物的要件
■管理者の選任・兼任(法第12条)
◇開設者の管理者就任(第1項)
内容:病院・診療所・助産所の開設者が、病院・診療所・助産所の管理者の有資格者である。⇒自ら病院・診療所・助産所の管理者にならなければならない。
例外:所在地の都道府県知事の許可を受けた場合は、他の者に管理させることができる。
許可の要件:
- 自ら管理できない理由がある。
- 管理予定者に適切な資格がある。
許可申請書の記載事項:医療法施行規則第8条に掲げる事項
◇管理者の兼任制限(第2項)
内容:病院・診療所・助産所の管理者は、他の病院・診療所・助産所の管理者であってはならない。
例外:所在地の都道府県知事の許可を受けた場合は、他の病院・診療所・助産所を既に管理している者であってよい。
例外の条件:新たに管理しようとしている医療施設が、第12条第2項各号のいずれかである。
- 医師の確保を特に図るべき区域内に開設する診療所を管理しようとする場合
- 介護老人保健施設その他の医療法施行規則第9条第2項で定める施設に開設する診療所を管理しようとする場合
- 事業所等に従業員等を対象として開設される診療所を管理しようとする場合
- 地域における休日又は夜間の第30条の3第1項に規定する医療提供体制の確保のために開設される診療所を管理しようとする場合
- 医療法施行規則第9条第3項で定める場合
許可の要件:
- 新たに管理しようとしている医療施設の規模が、現に管理している医療施設の規模を踏まえて適切である。
- 兼任の理由が適切である。
- 現に管理している医療施設と新たに管理しようとしている医療施設との間の距離・連絡所要時間が適切である。
許可申請書の記載事項:医療法施行規則第9条第1項に掲げる事項
■病院・診療所・助産所の院内表示(法第14条の2)
◇病院・診療所の院内表示(第1項)
表示の掲示義務者:病院・診療所の管理者
表示の内容:管理者の氏名、医師・歯科医師の氏名・診療日・診療時間、建物の内部に関する案内(病院の場合のみ)
表示の掲示場所:病院・診療所の入口・受付・待合所付近の見やすい場所
◇助産所の院内表示(第2項)
表示の掲示義務者:助産所の管理者
表示の内容:管理者の氏名、助産師の氏名・就業日時、提携医師・病院・診療所の情報
表示の掲示場所:助産所の入口・受付・待合所付近の見やすい場所
■清潔・安全の確保義務(法第20条)
内容:病院・診療所・助産所は下記の事項を確保しなければならない。
- 清潔の保持
- 構造設備の衛生・防火・保安上の安全性
■構造設備基準の省令への委任(法第23条)
◇構造設備の基準に関する委任(第1項)
内容:病院・診療所・助産所の構造設備の基準は、厚生労働省令で定める。
基準の目的:換気・採光・照明・防湿・保安・避難・清潔その他衛生上問題が生じないようにするため。
基準を定める条項:
◇基準違反への罰則(第2項)
内容:厚生労働省令で定める基準に違反した者について、政令で20万円以下の罰金の刑を科する旨の規定を設けることができる。
管理者の責務
■病院・診療所・助産所の管理者の責務(法第15条)
◇病院・診療所の管理者の責務(第1項)
内容:病院・診療所の管理者は、下記の手段により医療法に定める管理者の責務を果たす必要がある。
- 病院・診療所に勤務する医師・歯科医師・薬剤師その他の従業者の監督
- 病院・診療所の管理運営についての必要な注意
◇助産所の管理者の責務(第2項)
内容:助産所の管理者は、下記の手段により医療法に定める管理者の責務を果たす必要がある。
- 助産所に勤務する助産師その他の従業者の監督
- 助産所の管理運営についての必要な注意
◇診療用エックス線装置等を設置した際の届出(第3項)
届出義務者:病院・診療所の管理者
届出の場面:病院・診療所に診療用エックス線装置を備えたときその他医療法施行規則第24条に規定する場合
届出先:病院・診療所所在地の都道府県知事
届出規定:
- 医療法施行規則第24条の2:管電圧10kV以上・エネルギー1MeV未満の「エックス線装置」の届出
- 医療法施行規則第25条:エネルギー1MeV以上の「診療用高エネルギー放射線発生装置」の届出
- 医療法施行規則第25条の2:「診療用粒子線照射装置」の届出
- 医療法施行規則第26条:「診療用放射線照射装置」の届出
- 医療法施行規則第27条:「診療用放射線照射器具」の届出
- 医療法施行規則第27条の2:「放射性同位元素装備診療機器」の届出
- 医療法施行規則第27条の3:「診療用放射性同位元素使用器具」の届出
- 医療法施行規則第28条:「診療用放射性同位元素・陽電子断層撮影診療用放射性同位元素」の届出
■検体検査業務実施における基準適合義務(法第15条の2)
義務者:病院・診療所・助産所の管理者
義務の内容:検体検査業務を行う施設の構造設備・管理組織・検体検査の精度の確保方法その他の事項を医療法施行規則第9条の7で定める基準に適合させなければならない。
基準適合義務の対象:臨床検査技師法に規定する検体検査業務
目的:検体検査業務の適正な実施のため
精度管理:医療法施行規則第9条の7の2の規定に従って、精度管理に努める。
■病院・診療所・助産所における業務委託時の基準適合義務(法第15条の3)
◇検体検査の業務委託(第1項)
義務者:病院・診療所・助産所の管理者
内容:検体検査業務を委託するときは、次に掲げる者に委託しなければならない。
- 臨床検査技師法の登録を受けた衛生検査所の開設者
- 病院・診療所・衛生検査所において検体検査の業務を行う者であって、医療法施行規則第9条の8で定める基準に適合する施設において検体検査業務を実施するもの
◇検体検査業務以外の業務委託(第2項)
義務者:病院・診療所・助産所の管理者
内容:診療等に著しい影響を与えるものとして医療法施行令第4条の8で定める業務を委託するときは、当該業務ごとに厚生労働省令で定める基準に適合する者に委託しなければならない。
| 業務 | 基準 |
|---|---|
| 医療機器・医療用繊維製品の滅菌・消毒業務 (医療法施行令第4条の8第1号) | 医療法施行規則第9条の9に掲げる基準 |
| 入院者への食事の提供業務 (医療法施行令第4条の8第2号) | 医療法施行規則第9条の10に掲げる基準 |
| 医師・歯科医師を同乗させる患者等の搬送業務 (医療法施行令第4条の8第3号) | 医療法施行規則第9条の11に掲げる基準 |
| 薬機法に規定する特定保守管理医療機器の保守点検業務 (医療法施行令第4条の8第4号) | 医療法施行規則第9条の12に掲げる基準 |
| 医療用ガス供給設備の保守点検業務 (医療法施行令第4条の8第5号) | 医療法施行規則第9条の13に掲げる基準 |
| 入院患者等の寝具・貸与衣類の洗濯業務 (医療法施行令第4条の8第6号) | 医療法施行規則第9条の14に掲げる基準 |
| 医療施設の清掃業務 (医療法施行令第4条の8第7号) | 医療法施行規則第9条の15に掲げる基準 |
■遵守事項制定の省令への委任(法第17条)
内容:病院・診療所・助産所の管理者が下記の項目について遵守すべき事項は、医療法に加えて、医療法施行規則に定める。
構造設備・医薬品等の物品の管理並びに患者・妊婦・産婦・褥婦の入院・入所について病院・診療所・助産所の管理者が遵守すべき事項を定める条項:
- 構造設備
- 医薬品等の物品の管理
- 患者・妊婦・産婦・褥婦の入院・入所(医療法施行規則第10条)
診療用エックス線装置等に関する管理規定
エックス線装置等の防護規定:
- 医療法施行規則第30条:エックス線装置の防護
- 医療法施行規則第30条の2:診療用高エネルギー放射線発生装置の防護
- 医療法施行規則第30条の2の2:診療用粒子線照射装置の防護
- 医療法施行規則第30条の3:診療用放射線照射装置の防護
エックス線診療室等の構造設備規定:
- 医療法施行規則第30条の4:エックス線診療室
- 医療法施行規則第30条の5:診療用高エネルギー放射線発生装置使用室
- 医療法施行規則第30条の5の2:診療用粒子線照射装置使用室
- 医療法施行規則第30条の6:診療用放射線照射装置使用室
- 医療法施行規則第30条の7:診療用放射線照射器具使用室
- 医療法施行規則第30条の7の2:放射性同位元素装備診療機器使用室
- 医療法施行規則第30条の7の3:診療用放射性同位元素使用器具使用室
- 医療法施行規則第30条の8:診療用放射性同位元素使用室
- 医療法施行規則第30条の8の2:陽電子断層撮影診療用放射性同位元素使用室
- 医療法施行規則第30条の9:貯蔵施設
- 医療法施行規則第30条の10:運搬容器
- 医療法施行規則第30条の11:廃棄施設
- 医療法施行規則第30条の12:放射線治療病室
管理者の義務規定:
- 医療法施行規則第30条の13:注意事項の掲示
- 医療法施行規則第30条の14:使用の場所等の制限
- 医療法施行規則第30条の14の2:医療用放射性汚染物の廃棄の委託
- 医療法施行規則第30条の14の3:廃棄物詰替施設の基準
- 医療法施行規則第30条の15:患者の入院制限
- 医療法施行規則第30条の16:管理区域
- 医療法施行規則第30条の17:敷地の境界等における防護
- 医療法施行規則第30条の18:放射線診療従事者等の被ばく防止
- 医療法施行規則第30条の19:患者の被ばく防止
- 医療法施行規則第30条の20:取扱者の遵守事項
- 医療法施行規則第30条の21:エックス線装置等の測定
- 医療法施行規則第30条の22:放射線障害が発生するおそれのある場所の測定
- 医療法施行規則第30条の23:記帳
- 医療法施行規則第30条の24:廃止後の措置
- 医療法施行規則第30条の25:事故の場合の措置
濃度限度・線量限度規定:
- 医療法施行規則第30条の26:濃度限度
- 医療法施行規則第30条の27:線量限度
第三部:医療施設に対する行政の監督等
医療法第4章第3節は、医療施設に対して行政がどのように監督し、必要な措置をとるかを定めた条文を含む章です。
改善命令・業務停止命令・許可取消しなどの是正措置
■人員増員・業務停止の命令(法第23条の2)
一言サマリー:医療施設における人員配置が適正な医療の提供に必要な基準を満たしていない場合において、その人員の増員・業務の停止を命令できることを定める条文。
権限者:都道府県知事
対象施設:病院・療養病床を有する診療所
内容:期限を定めて、人員の増員・業務の全部もしくは一部の停止を命ずることができる。
受命者:開設者
命令の場面:
- 医療法施行規則第19条第1項、医療法施行規則第21条の2第1項、又は都道府県の条例で定める基準に照らして人員の配置が著しく不十分、かつ
- 適正な医療の提供に著しい支障が生ずる場合として医療法施行規則第22条の4の2で定める場合に該当する
■医療施設の使用制限・修繕・改築の命令(法第24条)
一言サマリー:医療施設の構造設備が基準を満たしていない場合において、その施設の使用の制限・修繕・改築を命令できることを定める条文。
◇病院・診療所・助産所に対する命令(第1項)
権限者:都道府県知事
対象施設:病院・診療所・助産所
内容:期限を定めて、施設の全部もしくは一部の使用制限・使用禁止又は修繕・改築を命ずることができる。
受命者:開設者
命令の場面:
- 施設が清潔を欠くとき
- 構造設備に関する下記の厚生労働省令の規定に違反し、衛生上有害・保安上危険と認めるとき
- 病院:医療法施行規則第16条および医療法施行規則第20条の規定
- 地域医療支援病院:医療法施行規則第21条の5および医療法施行規則第22条の規定
- 診療所:医療法施行規則第16条の規定
- 療養病床を有する診療所:医療法施行規則第21条の3の規定
- 助産所:医療法施行規則第17条の規定
- 病院:医療法施行規則第16条および医療法施行規則第20条の規定
◇特定機能病院等に対する命令(第2項)
権限者:厚生労働大臣
対象施設:特定機能病院・臨床研究中核病院
内容:期限を定めて、施設の修繕・改築を命ずることができる。
受命者:開設者
命令の場面:
- 構造設備が構造設備に関する下記の厚生労働省令の規定に違反するとき
- 特定機能病院:医療法施行規則第22条の3および医療法施行規則第22条の4の規定
- 臨床研究中核病院:医療法施行規則第22条の7および医療法施行規則第22条の8の規定
■法令違反・適正に欠く運営への対応(法第24条の2)
一言サマリー:医療施設の業務が法令に違反し、その運営に関して適正を欠く場合における対応について定める条文。
◇措置命令(第1項)
権限者:都道府県知事
対象施設:病院・診療所・助産所・オンライン診療受診施設
内容:期限を定めて、医療法の施行に必要な限度において必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
受命者:開設者・設置者
命令の場面:
- 当該医療施設の業務が法令若しくは法令に基づく処分に違反するとき
- その運営が著しく適正を欠くと認めるとき
◇業務停止命令(第2項)
権限者:都道府県知事
対象施設:第1項の措置命令を受けた開設者・設置者が開設・設置した病院・診療所・助産所・オンライン診療受診施設
内容:期間を定めて、当該医療施設の業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
受命者:開設者・設置者
命令の場面:第1項の措置命令を受けた開設者・設置者がその命令に従わないとき
■許可条件未達に対する行政の対応(法第27条の2)
一言サマリー:病床数の管理のために許可に付された条件が達成されていないときの行政の対応について定めた条文。
◇勧告(第1項)
権限者:都道府県知事
対象施設:病院・診療所
対応の場面:病院・診療所の開設者・管理者が、正当な理由がなく、第7条第5項・第6項の規定により許可に付された条件に従わないとき
対応の内容:病院・診療所の開設者・管理者に対し、都道府県医療審議会の意見を聴いて、期限を定めて、条件に従うよう勧告することができる。
◇命令(第2項)
権限者:都道府県知事
対応の場面:正当な理由なく、第1項の勧告に係る措置がとられなかったとき
対応の内容:勧告を受けた病院・診療所の開設者・管理者に対し、都道府県医療審議会の意見を聴いて、期限を定めて、当該勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
◇公表(第3項)
権限者:都道府県知事
対応の場面:第2項の命令に係る措置がとられなかったとき
対応の内容:命令を受けた病院・診療所の開設者・管理者がこれに従わなかったことを公表することができる。
■管理者変更の命令(法第28条)
一言サマリー:病院・診療所・助産所の管理者の変更に関して都道府県知事がする命令について定める条文。
権限者:都道府県知事
対象施設:病院・診療所・助産所
命令の場面:下記のいずれかの場合
- 病院・診療所・助産所の管理者に犯罪・医事に関する不正行為があるとき
- 病院・診療所・助産所の管理者が管理をなすのに適しないと認めるとき
内容:期限を定めて、管理者の変更を命ずることができる。
受命者:開設者
■都道府県知事・厚生労働大臣による処分(法第29条)
一言サマリー:病院・診療所・助産所・オンライン診療受診施設に対して都道府県知事・厚生労働大臣がする処分について定める条文。
◇開設許可取消・閉鎖命令(第1項)
対象施設:病院・診療所・助産所・オンライン診療受診施設
処分の場面:第29条第1項各号のいずれかに該当する場合
処分内容:都道府県知事は、下記の処分を行うことができる。
- 病院・診療所・助産所の開設許可の取消
- 病院・診療所・助産所の開設者・オンライン診療受診施設の設置者に対する施設の閉鎖命令
◇病床変更・病床設置の許可取消(第2項)
対象施設:病院・診療所・助産所
処分の場面:第7条第2項又は第3項の規定による許可を受けた後、正当な理由がなく、6月以上その許可に係る業務を開始しないとき
処分内容:都道府県知事は、当該許可を取り消すことができる。
◇地域医療支援病院の承認取消(第3項)
対象施設:地域医療支援病院
処分の場面:第29条第3項各号のいずれかに該当する場合
処分内容:都道府県知事は、地域医療支援病院の承認を取り消すことができる。
◇特定機能病院の承認取消(第4項)
対象施設:特定機能病院
処分の場面:第29条第4項各号のいずれかに該当する場合
処分内容:厚生労働大臣は、特定機能病院の承認を取り消すことができる。
◇臨床研究中核病院の承認取消(第5項)
対象施設:臨床研究中核病院
処分の場面:第29条第5項各号のいずれかに該当する場合
処分内容:厚生労働大臣は、臨床研究中核病院の承認を取り消すことができる。
◇都道府県医療審議会の意見聴取義務(第6項)
義務者:都道府県知事
内容:第3項の規定による処分を行うには、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない。
◇社会保障審議会の意見聴取義務(第7項)
義務者:厚生労働大臣
内容:第4項又は第5項の規定による処分を行うには、あらかじめ、社会保障審議会の意見を聴かなければならない。
■厚生労働大臣の知事に対する指示(法第29条の2)
一言サマリー:緊急の必要性が認められるときに厚生労働大臣が都道府県知事に指示をすることを定める条文。
権限者:厚生労働大臣
対応の場面:国民の健康を守るため緊急の必要があると認めるとき
対応の内容:都道府県知事に対し、下記のいずれかの処分を行うべきことを指示することができる。
■不利益処分における例外的手続時の義務(法第30条)
一言サマリー:緊急の必要性から意見陳述の機会を与えずに処分をしたときに事後的に弁明の機会を与えることを定める条文。
義務者:都道府県知事
義務の内容:公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、弁明の機会の付与又は聴聞を行わずに下記の規定による処分をしたときは、処分を受けた者に対して弁明の機会を付与しなければならない。
弁明の機会の期間:処分から3日以内
処分の内容:下記の処分のいずれか
- 法第23条の2の規定による処分(増員命令、業務停止命令)
- 法第24条第1項の規定による処分(使用制限命令、使用禁止命令、修繕・改築命令)
- 法第24条の2の規定による処分(措置命令、業務停止命令)
- 法第28条の規定による処分(管理者変更命令)
- 法第29条第1項、第3項の規定による処分(開設許可取消・閉鎖命令、地域医療支援病院の承認取消)
報告徴収・立入検査などの調査権限
■医療施設への立入検査等(法第25条)
一言サマリー:必要性の認識・法令違反等の疑い・不適切な運営の疑いがある場合の報告命令・立入検査・物件提出命令について定めた条文。
◇立入検査等(第1項)
権限者:都道府県知事・保健所設置市の市長・特別区の区長
対象施設:病院・診療所・助産所・オンライン診療受診施設
内容:都道府県・保健所設置市・特別区の首長は下記の措置を取ることができる。
- 必要な報告を命ずる。
- 職員に、当該医療施設へ立ち入り、人員・清潔保持の状況、構造設備・診療録・助産録・帳簿書類その他の物件を検査させる。
受命者:
- 病院・診療所・助産所の開設者・管理者
- オンライン診療受診施設の設置者
命令の場面:必要があると認めるとき
◇医療施設の法令違反等の疑惑に基づく立入検査等(第2項)
権限者:都道府県知事・保健所設置市の市長・特別区の区長
対象施設:病院・診療所・助産所・オンライン診療受診施設
内容:都道府県・保健所設置市・特別区の首長は、医療法の施行に必要な限度において、下記の措置を取ることができる。
- 診療録・助産録・帳簿書類その他の物件の提出を命ずる。
- 職員に、当該医療施設の開設者・設置者の事務所などの当該医療施設の運営に関連する場所へ立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させる。
受命者:
- 病院・診療所・助産所の開設者・管理者
- オンライン診療受診施設の設置者
命令の場面:
- 当該医療施設の業務が法令・法令に基づく処分に違反している疑いがあるとき。
- その運営が著しく適正を欠く疑いがあると認めるとき。
◇特定機能病院等の立入検査等(第3項)
権限者:厚生労働大臣
対象施設:特定機能病院・臨床研究中核病院(以下「特定機能病院等」)
内容:厚生労働大臣は下記の措置を取ることができる。
- 必要な報告を命ずる。
- 職員に、特定機能病院等へ立ち入り、人員・清潔保持の状況、構造設備・診療録・助産録・帳簿書類その他の物件を検査させる。
受命者:開設者・設置者
命令の場面:必要があると認めるとき
◇特定機能病院等の法令違反等の疑惑に基づく立入検査等(第4項)
権限者:厚生労働大臣
対象施設:特定機能病院・臨床研究中核病院(以下「特定機能病院等」)
内容:厚生労働大臣は、診療録・助産録・帳簿書類その他の物件の提出を命ずることができる。
受命者:開設者・設置者
命令の場面:
- 特定機能病院等の業務が法令・法令に基づく処分に違反している疑いがあるとき。
- その運営が著しく適正を欠く疑いがあると認めるとき。
◇条項の準用(第5項)
省略
■行政処分に関する通知(施行令第4条の4)
一言サマリー:保健所設置市・特別区の首長が法第25条に基づく立入検査等の結果として医療法の規定による処分を行うときにする通知について定めた条文。
通知者:保健所設置市の市長・特別区の区長
内容:保健所設置市の市長・特別区の区長は、下記の1、2のいずれかに該当するとき、理由とともにその旨を都道府県知事に通知する。
処分の種類:
- 法第23条の2の規定による処分(増員命令、業務停止命令)
- 法第24条第1項の規定による処分(使用制限命令、使用禁止命令、修繕・改築命令)
- 法第24条の2の規定による処分(措置命令、業務停止命令)
- 法第28条の規定による処分(管理者変更命令)
- 法第29条第1項、第2項、第3項の規定による処分(開設許可取消・閉鎖命令、病床変更・病床設置の許可取消、地域医療支援病院の承認取消)
■基礎自治体から広域自治体への通知(法第25条の2)
一言サマリー:保健所設置市・特別区の首長がする医療施設に関する基礎情報の通知について定めた条文。
権限者:保健所設置市の市長・特別区の区長
対象施設:診療所・助産所・オンライン診療受診施設
内容:各医療施設に関し、厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に通知する。
通知内容:
- 診療所:医療法施行規則第22条の5第1項で定める事項
- 助産所:医療法施行規則第22条の5第2項で定める事項
- オンライン診療受診施設:医療法施行規則第22条の5第3項で定める事項
■医療監視員の役割(法第26条)
一言サマリー:医療施設の立入検査等を担当する医療監視員について定めた条文。
◇医療監視員の任命(第1項)
権限者:厚生労働大臣・都道府県知事・保健所設置市の市長・特別区の区長
内容:厚生労働省・都道府県・保健所設置市・特別区の職員のうちから医療監視員を任命する。
目的:病院・診療所・助産所・オンライン診療受診施設への第25条第1項・第3項に規定する立入検査等のため
医療監視員の業務:医療監視員が立入検査をした場合、構造設備の改善、管理等について必要な事項の指導を行う。
◇医療監視員の適格性(第2項)
内容:下記の事項について相当の知識を有すること(医療法施行規則第41条)。
- 医療に関する法規
- 病院・診療所・助産所・オンライン診療受診施設の管理
■構造設備の検査義務(法第27条)
一言サマリー:都道府県知事の検査後に病院・診療所・助産所の構造設備の利用が許されることを定めた条文。
対象施設:
- 病院
- 入院施設を有する診療所
- 入所施設を有する助産所
内容:構造設備の利用開始には、その所在地を管轄する都道府県知事の検査を受け、許可証の交付を受けなければならない。
検査期間:検査申請から10日以内(医療法施行規則第23条)
雑則
■政令への委任(法第30条の2)
省略
第四部:罰則(医療法第4章に関係する罰則)
| 違反内容 | 条項 | 罰則 |
|---|---|---|
| 第25条第2項・第4項の規定による診療録・助産録の提出又は第25条第1項・第3項の規定による診療録・助産録の検査に従事した公務員又は公務員であった者が、業務上の秘密・個人の秘密を漏洩したとき | 第86条第1項 | 1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 |
| 職務上第86条第1項に係る秘密を知り得た他の公務員又は公務員であった者が、正当な理由がなくその秘密を漏らしたとき | 第86条第2項 | 1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 |
| 第14条の規定に違反した | 第87条第2号 | 6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金 |
| 第7条の2第3項、第23条の2、第24条、第28条又は第29条第1項の規定に基づく命令又は処分に違反した | 第87条第3号 | 6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金 |
| 第8条、第8条の2第2項、第9条、第10条、第11条、第12条、第16条、第18条、第19条第1項・第2項、第21条第1項第2号~第11号・第2項第2号、第22条第1号・第4号~第8号、第22条の2第2号・第5号、第22条の3第2号・第5号又は第27条の規定に違反した | 第89条第1号 | 20万円以下の罰金 |
| 第25条第1項~第4項の規定による報告をせず、虚偽報告をし、又は第25条第1項~第3項の規定による検査を拒み、妨げ、忌避した | 第89条第2号 | 20万円以下の罰金 |
| 第14条の2第1項又は第2項の規定による掲示を怠り、又は虚偽の掲示をした | 第89条第3号 | 20万円以下の罰金 |
終わりに
医療法第4章は、医療施設の開設・管理及び行政による監督といった、医療の質を確保する重要な枠組みを定めています。医療施設の開設者・管理者は、本法の規定に従って人員や構造設備を準備し、適切に施設を管理運営する義務を負います。
本記事が、医療施設の開設や運用を検討する医療機関の皆様にとって、制度理解の一助となれば幸いです。今後も法改正の動向を踏まえつつ、実務に役立つ情報を発信していきます。
