令和6年4月19日の報道において政府は、身寄りのない高齢者等支援事業者が守るべき指針の案(「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン(案)」)をまとめたことが発表されました。今回の記事は、このような高齢者支援事業に興味を持っている方にも自分には関係ないと思っている方にも読んでもらいたい内容です。
ただし、本記事では「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン(案)」の解説をしていますが、当ブログ主は、このような事業者の利用を肯定も否定もしていないことをご理解ください。
背景
高齢者の単独世帯の増加が見込まれている
令和6年4月12日に国立社会保障・人口問題研究所が公表した日本の世帯数の将来推計において、独り身の高齢者(65歳以上)のみから構成される世帯の数が2020年の738万世帯から2050年には1084万世帯にまで増加することが推計されていると発表されました。2050年の日本の総人口は1億51万人であり、65歳以上の人口は3888万人であることが予想されています。つまり、65歳以上の高齢者の4人に1人以上が単身で生活している予想です。
単身生活者の年齢別の割合は、男性よりも女性の方が長命のため、年齢と共に男性では低下していきますが(26%→22%)、女性では逆に上昇していく(29%→32%)ことが予測されており、これは夫との死別後に単身で暮らす女性の増加を表していると考えられます。
高齢者の長命化が高齢者支援事業者を必要とする
日本の産業構造の変化による都会への人口移動だけでなく、親世代と子世代との間での価値観の違いも親と子が別世帯を持って暮らすことを促進しました。親が高齢化して介護を必要とするようになっても子が遠方に住んでいてなかなか親の家まで通えないという話はよく聞かれる話です。さらに、長命化の結果として子の方が先に亡くなってしまい、親に身寄りが無くなってしまうという事態も多くなりつつあります。さらに年齢を重ね、入院したり介護施設に入居したりしようとしたときに病院や介護施設から身元保証人を求められることがあります。身元保証人になってくれる子が周りにいない高齢者はどうしたらいいのでしょうか?このような高齢者のニーズに応える形で「身元保証事業」という事業が誕生しました。