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臨床検査技師法(令和7年版)をわかりやすく解説|資格・業務・衛生検査所の登録まで

医療等
この記事は約22分で読めます。

 医療の高度化が進む中で、診断の精度を支える臨床検査の重要性はますます高まっています。臨床検査の質を支えているのが臨床検査技師であり、その業務範囲を定めるのが臨床検査技師法です。本記事では、この法律の要点を簡潔に整理し、制度の位置づけをわかりやすく紹介します。

第一部:総則

■法律の目的(第1条)

内容:本法律の目的は下記のとおりである。

  • 臨床検査技師の資格等を定めること
  • 臨床検査技師の資格等を定めることで医療及び公衆衛生の向上に寄与すること

■臨床検査技師の定義(第2条)

定義:厚生労働大臣の免許を受けて、臨床検査技師の名称を用いて、医師・歯科医師の指示の下に、人体から排出され、又は採取された検体の検査として厚生労働省令で定めるもの及び厚生労働省令で定める生理学的検査を行うことを業とする者

■法第2条の厚生労働省令で定めるもの(施行規則第1条)

  1.  微生物学的検査
  2.  免疫学的検査
  3.  血液学的検査
  4.  病理学的検査
  5.  生化学的検査
  6.  尿・糞便等一般検査
  7.  遺伝子関連・染色体検査

■法第2条の厚生労働省令で定める生理学的検査(施行規則第1条の2)

  1.  心電図検査(体表誘導によるものに限る。)
  2.  心音図検査
  3.  脳波検査(頭皮誘導によるものに限る。)
  4.  筋電図検査(針電極による場合の穿刺を除く。)
  5.  運動誘発電位検査
  6.  体性感覚誘発電位検査
  7.  基礎代謝検査
  8.  呼吸機能検査(マウスピース及びノーズクリップ以外の装着器具によるものを除く。)
  9.  脈波検査
  10.  熱画像検査
  11.  眼振電図検査(冷水若しくは温水、電気又は圧迫による刺激を加えて行うものを除く。)
  12.  重心動揺計検査
  13.  持続皮下グルコース検査
  14.  超音波検査
  15.  磁気共鳴画像検査
  16.  眼底写真検査(散瞳薬を投与して行うものを除く。)
  17.  毛細血管抵抗検査
  18.  経皮的血液ガス分圧検査
  19.  聴力検査(気導により行われる定性的な検査であつて次に掲げる周波数及び聴力レベルによるものを除いたものに限る。)
    • イ 周波数1000ヘルツ及び聴力レベル30デシベルのもの
    • ロ 周波数4000ヘルツ及び聴力レベル25デシベルのもの
    • ハ 周波数4000ヘルツ及び聴力レベル30デシベルのもの
    • ニ 周波数4000ヘルツ及び聴力レベル40デシベルのもの
  20.  基準嗅覚検査及び静脈性嗅覚検査(静脈に注射する行為を除く。)
  21.  電気味覚検査及びろ紙ディスク法による味覚定量検査
  22.  直腸肛門機能検査

第二部:免許及び試験

2-1.免許

臨床検査技師免許(法第3条)

内容:臨床検査技師の免許は、臨床検査技師国家試験の合格者に与えられる。

欠格事由(第4条)

内容:次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えない場合がある。

  1.  心身の障害により臨床検査技師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
  2.  麻薬、あへん又は大麻の中毒者
  3.  第2条に規定する検査の業務に関し、犯罪又は不正の行為があった者

法第4条第1号の厚生労働省令で定める者(施行規則第1条の3)

内容:視覚・精神の機能の障害により臨床検査技師の業務を適正に行うにために必要な認知・判断・意思疎通を適切に行うことができない者

障害を補う手段等の考慮義務(施行規則第1条の4)

義務者:厚生労働大臣

義務の場面:臨床検査技師の免許の申請をした者が施行規則第1条の3に規定する者に該当すると認める場合

義務の内容:免許付与の可否判断に際し、申請者が現に利用している障害を補う手段又は現に受けている治療等により障害が補われ、又は障害の程度が軽減している状況を考慮する。

臨床検査技師名簿(法第5条)

内容:厚生労働省に臨床検査技師名簿を備え、免許に関する事項を登録する。

登録及び免許証の交付(法第6条)

◇免許証(第1項・第2項)

内容:免許は、臨床検査技師国家試験の合格者は、臨床検査技師名簿への登録を申請し、厚生労働大臣から免許を与えられ、臨床検査技師免許証を交付される。

免許不交付時の意見聴取義務(法第7条)

義務者:厚生労働大臣

義務の場面:免許を申請した者について、第4条第1号に掲げる者に該当すると認め、同条の規定により免許を与えないことにするとき

義務の内容:あらかじめ、当該申請者に免許を与えない旨を通知し、その求めがあったときは、厚生労働大臣の指定する職員にその意見を聴取させなければならない。

免許の取消等(法第8条)

◇免許の取消(第1項)

権限者:厚生労働大臣

権限の適用場面:臨床検査技師が第4条各号のいずれかに該当するに至ったとき

権限の内容:臨床検査技師免許を取り消し、又は期間を定めて臨床検査技師の名称の使用の停止を命ずることができる。

◇都道府県知事の役割(第2項)

内容:臨床検査技師について第1項の処分が行われる必要があるときは、都道府県知事がその旨を厚生労働大臣に具申しなければならない。

◇再免許(第3項)

再免許の場面:下記のいずれかの場面

  • 第1項の規定による取消処分を受けた者であっても、その者がその取消しの理由となった事項に該当しなくなったとき
  • その他その後の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められるに至ったとき

処分に係る聴聞等の方法の特例(法第9条)

適用場面:第8条第1項の規定による処分をするとき

内容:当該処分に係る行政手続法第15条第1項又は第30条の通知は、聴聞の期日又は弁明を記載した書面の提出期限の2週間前までにしなければならない。

例外:口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、通知期限は弁明の日時の2週間前までにしなければならない。

政令への委任(法第10条)

内容:臨床検査技師法第2章に規定するもののほか、免許の申請・臨床検査技師名簿の登録、訂正、消除・臨床検査技師免許証の交付、書換交付、再交付、返納、提出に関して必要な事項は、政令で定める。

臨床検査技師名簿への登録・臨床検査技師免許証に関する事務規定

免許の申請(施行令第1条)

内容:臨床検査技師免許の申請者は、申請書に厚生労働省令で定める書類を添え、住所地の都道府県知事を経由して、これを厚生労働大臣に提出する。

臨床検査技師名簿の登録事項(施行令第2条)

  1.  登録番号及び登録年月日
  2.  本籍地都道府県名(日本の国籍を有しない者については、その国籍)、氏名、生年月日及び性別
  3.  臨床検査技師国家試験合格の年月
  4.  免許の取消又は名称の使用の停止に関する事項
  5.  その他臨床検査技師法施行規則第2条で定める事項
    •  再免許の場合には、その旨
    •  免許証を書換交付し、又は再交付した場合には、その旨並びにその理由及び年月日
    •  登録の消除をした場合には、その旨並びにその理由及び年月日

名簿の訂正(施行令第3条)

◇登録内容の訂正義務(第1項)

義務者:臨床検査技師

内容:施行令第2条第2号の登録事項に変更を生じたときは、30日以内に、名簿の訂正を申請しなければならない。

◇訂正の申請方法(第2項)

内容:第1項の申請をするときは、申請書に申請の原因たる事実を証する書類を添え、住所地の都道府県知事を経由して、厚生労働大臣に提出しなければならない。

登録の消除(施行令第4条)

◇名簿の登録の消除申請(第1項)

内容:名簿の登録の消除を申請するには、住所地の都道府県知事を経由して、申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない。

◇死亡・失踪時の登録抹消義務(第2項)

義務者:死亡・失踪の届出義務者

内容:臨床検査技師が死亡し、又は失踪の宣告を受けたときは、臨床検査技師名簿の登録の消除を申請しなければならない。

申請期間:臨床検査技師の死亡・失踪から30日以内

免許証の書換交付(施行令第5条)

◇書換交付申請(第1項)

内容:臨床検査技師は、免許証の記載事項に変更が生じたときは、免許証の書換交付を申請することができる。

◇申請手続(第2項)

内容:臨床検査技師は、書換交付を申請するときは、申請書に免許証を添え、住所地の都道府県知事を介して厚生労働大臣に提出する。

免許証の再交付(施行令第6条)

◇再交付申請(第1項)

内容:臨床検査技師は、免許証を失くしたり棄損したりしたときは、免許証の再交付を申請することができる。

◇申請手続(第2項)

内容:臨床検査技師は、再交付を申請するときは、住所地の都道府県知事を介して厚生労働大臣に申請書を提出する。

◇棄損の場合の再交付申請(第4項)

内容:棄損した免許証の代わりを申請をする場合には、申請書にその棄損した免許証を添える。

◇古い免許証の返納(第5項)

内容:失した免許証が見つかったときは、5日以内に、住所地の都道府県知事を介して古い免許証を厚生労働大臣に返納する。

免許証の返納(施行令第7条)

◇臨床検査技師名簿登録消除申請時の返納(第1項)

内容:臨床検査技師は、住所地の都道府県知事を介して免許証を厚生労働大臣に返納する。臨床検査技師死亡・失踪時の届出義務者が登録の消除を申請する場合も同様である。

◇免許取消処分時の返納(第2項)

内容:臨床検査技師は、5日以内に、住所地の都道府県知事を介して免許証を厚生労働大臣に返納する。

2-2.試験

試験の目的(法第11条)

内容:臨床検査技師国家試験は、第2条に規定する検査に必要な知識・技能について行う。

知識・技能の範囲:下記の行為に必要な知識・技能を含む。

  • 第2条に規定する検査のための血液を採取する行為で政令で定める採血
  • 第2条に規定する検査のための検体(血液を除く。)を採取する行為で政令で定める検体採取

法第11条の採血(施行令第8条)

内容:法第11条の採血は、下記の部分から血液を採取する行為とする。

  • 耳朶、指頭及び足蹠の毛細血管
  • 肘静脈、手背及び足背の表在静脈
  • その他の四肢の表在静脈

法第11条の検体採取(施行令第8条の2)

内容:法第11条の検体採取は、下記に掲げる行為とする。

  1.  鼻腔拭い液、鼻腔吸引液、咽頭拭い液その他これらに類するものを採取する行為
  2.  医療用吸引器を用いて鼻腔、口腔又は気管カニューレから喀痰を採取する行為
  3.  表皮並びに体表及び口腔の粘膜を採取する行為(生検のためにこれらを採取する行為を除く。)
  4.  皮膚並びに体表及び口腔の粘膜の病変部位の膿を採取する行為
  5.  鱗屑、痂皮その他の体表の付着物を採取する行為
  6.  綿棒を用いて肛門から糞便を採取する行為
  7.  内視鏡用生検鉗子を用いて消化管の病変部位の組織の一部を採取する行為

試験の実施(法第12条)

内容:厚生労働大臣が毎年少くとも1回の臨床検査技師国家試験行う。

試験委員(法第13条)

省略

試験委員等の不正行為の禁止(法第14条)

省略

受験資格(法第15条)

内容:下記の各号のいずれかに該当する者は、受験資格を有する。

  1.  下記に掲げる者であって、文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した臨床検査技師養成所において3年以上第2条に規定する検査に必要な知識・技能を修得した者
    • 高等学校の卒業者
    • 中等教育学校の卒業者
    • 通常の課程による12年の学校教育を修了した者
    • 上記の卒業者・修了者と同等以上の学力があると文部科学大臣によって認められた者
  2.  学校教育法に基づく大学又は旧大学令に基づく大学において医学、歯学、獣医学又は薬学の正規の課程を修めた卒業者その他検体検査に必要な知識・技能を有すると認められる者で、政令で定めるところにより第1号に掲げる者と同等以上の知識・技能を有すると認められる者
  3.  外国の第2条に規定する検査に関する学校若しくは養成所を卒業し、又は外国で臨床検査技師の免許に相当する免許を受けた者で、厚生労働大臣が第1号に掲げる者と同等以上の知識・技能を有すると認めた者

不正行為の禁止(法第16条)

内容:試験に関して不正の行為があった場合には、その不正行為に関係のある者について、下記の対応をとることができる。

  • 受験を停止させる。
  • 試験を無効にする。
  • 期間を定めて試験を受けることを許さない。

政令及び厚生労働省令への委任(法第17条)

内容:臨床検査技師法第3章に規定するもののほか、第15条第1号の学校又は臨床検査技師養成所の指定に関して必要な事項は政令で、試験科目、受験手続、受験手数料その他試験に関して必要な事項は厚生労働省令で定める。

第三部:業務等

信用失墜行為の禁止(法第18条)

内容:臨床検査技師は、臨床検査技師の信用を傷つけるような行為をしてはならない。

秘密を守る義務(法第19条)

内容:臨床検査技師は、臨床検査技師である間もそうではなくなった後も、正当な理由がなく、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。

名称の使用禁止(法第20条)

内容:臨床検査技師でない者は、臨床検査技師という名称又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。

保健師助産師看護師法との関係(法第20条の2)

◇保健師助産師看護師法の規定の適用除外(第1項)

内容:臨床検査技師は、保健師助産師看護師法第31条第1項及び第32条の規定にかかわらず、診療の補助として、次に掲げる行為を業として行うことができる。

  1.  採血を行うこと。
  2.  検体採取を行うこと。
  3.  第2条の厚生労働省令で定める生理学的検査を行うこと。
  4.  前三号に掲げる行為に関連する行為として厚生労働省令で定めるものを行うこと。

特則:第1号、第2及び第4号に掲げる行為は、医師又は歯科医師の具体的な指示を受けて行う。

◇第1項の規定の適用除外(第2項)

内容:第1項の規定は、第8条第1項の規定により臨床検査技師の名称の使用の停止を命ぜられている者については、適用しない。

法第20条の2第1項第4号の厚生労働省令で定める行為(施行規則第10条の2)

内容:厚生労働省令で定める行為は、下記のとおり。

  1.  法第11条に規定する採血を行う際に静脈路を確保し、当該静脈路に接続されたチューブにヘパリン加生理食塩水を充塡する行為
  2.  採血を行う際に静脈路を確保し、当該静脈路に点滴装置を接続する行為(電解質輸液の点滴を実施するためのものに限る。)
  3.  採血を行う際に静脈路を確保し、当該静脈路に血液成分採血装置を接続する行為、当該血液成分採血装置を操作する行為並びに当該血液成分採血装置の操作が終了した後に抜針及び止血を行う行為
  4.  超音波検査のために静脈路に造影剤注入装置を接続する行為、造影剤を投与するために当該造影剤注入装置を操作する行為並びに当該造影剤の投与が終了した後に抜針及び止血を行う行為

権限の委任(法第20条の2の2)

◇厚生労働大臣の権限の委任(第1項)

内容:臨床検査技師法に規定する厚生労働大臣の権限は、地方厚生局長に委任することができる。

◇地方厚生局長の権限の委任(第項)

内容:第1項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、地方厚生支局長に委任することができる。

第四部:衛生検査所

衛生検査所の登録(法第20条の3)

「衛生検査所」とは
検体検査を業として行う場所であって、病院・診療所・助産所・厚生労働大臣が定める施設内の場所を除くもの

◇登録義務(第1項)

義務者:衛生検査所を開設しようとする者

義務の内容:衛生検査所について登録を受けなければならない。

登録者:衛生検査所の所在地の都道府県知事、保健所設置市の市長又は特別区の区長

◇登録の拒否(第2項)

拒否者:登録申請を受け取った都道府県知事、保健所設置の市長又は特別区の区長

拒否の場面:下記のいずれかの場合において、登録を拒否しなくてはならない。

  • 衛生検査所の構造設備・管理組織・検体検査の精度の確保の方法その他の事項が検体検査の業務を適正に行うために必要な基準に適合しないと認めるとき
  • 申請者が第20条の7の規定により登録を取り消され、取消しの日から2年を経過していない者であるとき

◇登録内容(第3項)

内容:次の各号に掲げる事項を登録する。

  1.  申請者の氏名及び住所(法人の場合、その名称及び主たる事務所の所在地)
  2.  衛生検査所の名称及び所在地
  3.  検体検査の業務の内容

登録の申請手続(施行規則第11条)

◇申請の方法(第1項)

内容:衛生検査所の登録申請は、所定の様式の申請書を法第20条の3第1項に掲げる登録権者に提出して行う。

◇添付書類(第2項)

内容:衛生検査所の登録申請は、第1項の申請書に下記の書類を添付して行う。

  1.  衛生検査所の図面
  2.  検体検査業務の管理者の同意書(開設者が自ら管理を行う場合を除く。)及び履歴書
  3.  医師以外の者が管理者である場合には、衛生検査所の検査業務を指導監督するために選任された医師の同意書及び当該管理者の就任に関する当該医師の承諾書
  4.  専ら精度管理を職務とする者(「精度管理責任者」)の同意書及び履歴書
  5.  遺伝子関連・染色体検査の精度の確保に係る責任者の同意書及び履歴書
  6.  次条第13号に掲げる検査案内書
  7.  次条第14号に掲げる標準作業書
  8.  次条第15号に掲げる作業日誌
  9.  次条第16号に掲げる台帳
  10.  次条第17号に掲げる組織運営規程
  11.  営業所に関する書類

衛生検査所の登録基準(施行規則第12条)

◇必要な基準(第1項)

内容:法第20条の3第2項の「必要な基準」は、各号に掲げるとおり。

  1.  検査の内容に応じて必要な検査用機械器具を有すること。
  2.  検査の内容に応じて必要な面積を有する検査室を有すること。
  3.  検査室は、検査室以外の場所から区別され、十分な照明及び換気がされること。
  4.  微生物学的検査をする検査室は、専用のものであり、かつ、他の検査室とも明確に区別されていること。
  5.  密封されていない医薬品である放射性同位元素を備える衛生検査所は、必要な構造設備を有し、管理に関して必要な措置を講じていること。
  6.  防塵・防虫のための設備を有すること。
  7.  廃水・廃棄物の処理に要する設備又は器具を備えていること。
  8.  検査業務に従事する者の消毒のための設備を有すること。
  9.  管理者として検査業務に関し相当の経験を有する医師又は臨床検査技師が置かれ、かつ、衛生検査所の検査業務を指導監督するための医師が選任されていること。
  10.  検査の内容に応じて必要な人数の医師又は臨床検査技師が置かれていること。
  11.  第9号に掲げる管理者及び第10号に掲げる者のほか、精度管理責任者として、検査業務に関し相当の経験を有し、かつ、精度管理に関し相当の知識・経験を有する医師又は臨床検査技師が置かれていること。
  12.  遺伝子関連・染色体検査の業務を実施するには、遺伝子関連・染色体検査の精度の確保に係る責任者として、遺伝子関連・染色体検査の業務に関し相当の経験を有する医師若しくは臨床検査技師又は遺伝子関連・染色体検査の業務に関し相当の知識及び経験を有する者が置かれていること。
  13.  必要事項を記載した検査案内書が作成されていること。
  14.  標準作業書が作成されていること。
  15.  標準作業書に記載された作業日誌の記入要領に従い、必要な作業日誌が作成されていること。
  16.  標準作業書に記載された台帳の記入要領に従い、必要な台帳が作成されていること。
  17.  衛生検査所の組織、運営その他必要な事項を定めた組織運営規程を有すること。
  18.  前各号に掲げるもののほか、精度管理に必要な措置が講じられていること。

◇放射性汚染物の廃棄に関する特則(第2項)

内容:衛生検査所の管理者は、検体検査用放射性同位元素又は放射性同位元素によって汚染された物の廃棄を、厚生労働省令で指定を受けた者に委託することができ、この場合には、第1項第5号の規定中の廃棄施設にかかる部分は適用しない。

登録の変更等(法第20条の4)

◇登録変更の義務(第1項)

義務者:登録を受けた衛生検査所の開設者

義務の場面:第20条の3第3項第3号に掲げる事項(「検体検査の業務の内容」)を変更しようとするとき

義務の内容:衛生検査所の所在地の都道府県知事、保健所設置市の市長又は特別区の区長の登録の変更を受けなければならない。

◇登録変更の拒否(第2項)

拒否者:登録変更の申請を受け取った都道府県知事、保健所設置の市長又は特別区の区長

拒否の場面:衛生検査所・申請者が第20条の3第2項に掲げる事項に該当する場合において、登録の変更を拒否しなくてはならない。

◇行政への届出義務(第3項)

義務者:登録を受けた衛生検査所の開設者

届出の場面:

  • 衛生検査所を廃止・休止したとき
  • 休止した衛生検査所を再開したとき
  • 第20条の3第3項第1号に掲げる事項(「申請者の氏名・住所又は法人の名称・主たる事務所の所在地」)を変更したとき
  • 衛生検査所の「名称」を変更したとき
  • 衛生検査所の「構造設備」を変更したとき
  • 衛生検査所の「管理組織」を変更したとき
  • 衛生検査所の「検体検査の精度の確保の方法」を変更したとき
  • 施行規則16条第1項各号に掲げる事項を変更したとき

届出の期限:変更等から30日以内

届出先:衛生検査所の所在地の都道府県知事、保健所設置市の市長又は特別区の区長

◇放射性同位元素等の備付の届出義務(第4項)

義務者:衛生検査所を開設しようとする者又は登録を受けた衛生検査所の検体検査業務の管理者

届出の場面:

  • 衛生検査所に検体検査用放射性同位元素を備えようとするとき
  • 施行規則17条で定める場合

届出先:衛生検査所の所在地の都道府県知事、保健所設置市の市長又は特別区の区長

報告及び検査(法第20条の5)

◇立入検査等(第1項)

権限者:都道府県知事、保健所設置の市長又は特別区の区長

権限の内容:臨床検査技師法を施行するため必要があると認めるときは、登録を受けた衛生検査所の開設者に対し、次の措置を講じることができる。

  • 必要な報告の徴収
  • 職員による衛生検査所への立ち入り及び構造設備若しくは帳簿書類その他の物件の検査

◇身分証明書の提示(第2項)

内容:第1項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求に応じてこれを提示しなければならない。

◇権限の制限(第3項)

内容:第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものではない。

都道府県知事等の指示(法第20条の6)

権限者:都道府県知事、保健所設置の市長又は特別区の区長

権限の場面:登録を受けた衛生検査所の検体検査の業務が適正に行われていないため医療及び公衆衛生の向上を阻害すると認めるとき

内容:衛生検査所の開設者に対し、その構造設備、管理組織又は検体検査の精度の確保の方法の変更その他必要な指示をすることができる。

登録の取消・業務の停止(法第20条の7)

権限者:都道府県知事、保健所設置の市長又は特別区の区長

権限の場面:下記のいずれかの場合

  • 登録を受けた衛生検査所の構造設備、管理組織、検体検査の精度の確保の方法その他の事項が第20条の3第2項の厚生労働省令で定める基準に適合しなくなったとき
  • 登録を受けた衛生検査所の開設者が第20条の4第1項の規定による登録の変更を受けないとき

権限の内容:衛生検査所の登録を取り消し、又は期間を定めて、業務の全部・一部の停止を命ずることができる。

処分に係る聴聞等の方法の特例(法第20条の8)

適用場面:都道府県知事、保健所設置の市長又は特別区の区長が第20条の7の規定による処分を行う場合

内容:第9条の規定は、当該処分を行う場合に準用する。

厚生労働省令への委任(法第20条の9)

内容:臨床検査技師法第5章に規定するもののほか、衛生検査所の登録に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。

衛生検査所の登録に関する規定

衛生検査所の開設者の義務(施行規則第12条の2)

◇精度管理の確保義務(第1項)

義務者:衛生検査所の開設者

義務の内容:検体検査に係る全ての作業を通じて十分な精度管理が行われるよう配慮しなければならない。

確保手段:精度管理責任者を中心とした精度管理のための体制の整備その他

◇外部精度管理調査の義務(第2項)

義務者:衛生検査所の開設者

義務の内容:衛生検査所の検査業務について、外部精度管理調査を受けなければならない。

例外:血清分離のみを行う衛生検査所

◇遺伝子関連・染色体検査の業務における努力義務(第3項)

義務者:衛生検査所の開設者

義務の場面:衛生検査所において遺伝子関連・染色体検査の業務を行う場合

義務の目的:遺伝子関連・染色体検査の精度の確保

義務の内容:当該衛生検査所以外の一つ以上の遺伝子関連・染色体検査の業務を行う衛生検査所の開設者、病院若しくは診療所の管理者又は医療法第15条の3第1項第2号に掲げる者と連携して、それぞれが保管し、又は保有する検体を用いる等により、遺伝子関連・染色体検査の精度について相互に確認を行うよう努力する。

◇研修受講機会の確保義務(第4項)

義務者:衛生検査所の開設者

義務の内容:検査業務に従事する者に必要な研修を受けさせなければならない。

書類の保存義務(施行規則第12条の3)

義務者:衛生検査所の管理者

義務の内容:第12条第15号及び第16号に掲げる書類を2年間保存しなければならない。

登録証明書(施行規則第13条)

内容:都道府県知事は、法第20条の3第1項の登録をしたときは、申請者に登録証明書を交付する。

登録証明書の記載事項:

登録の変更(施行規則第14条)

◇登録変更の義務(第1項)

義務者:法第20条の4第1項に規定する登録の変更を受けようとする衛生検査所の開設者

義務の内容:所定の様式の申請書に第13条に規定する登録証明書を添え、衛生検査所の所在地の都道府県知事、保健所設置市の市長又は特別区の区長に提出しなければならない。

◇変更の登録証明書への記載(第2項)

省略

休廃止等の届出方法(施行規則第15条)

内容:法第20条の4第3項の規定による届出は、所定の様式による届書を提出することによって行う。

変更等の届出(施行規則第16条)

◇行政への届出が必要な変更事項(第1項)

内容:法第20条の4第3項の規定により変更の届出をしなければならない事項は、次のとおり。

  1.  第12条第9号に掲げる管理者の氏名
  2.  第12条第11号に掲げる精度管理責任者の氏名
  3.  第12条第12号に掲げる遺伝子関連・染色体検査の精度の確保に係る責任者の氏名
  4.  第12条第17号に掲げる組織運営規程

◇変更の届出方法(第2項)

内容:第1項の届出は、所定の様式による届書を提出することによって行う。

◇管理者・責任者の変更(第3項)

内容:衛生検査所の管理者・精度管理責任者の変更の場合には、下記に掲げる書類を添えなければならない。

  • 管理者の変更の場合:第11条第2項第2号及び第3号に掲げる書類
  • 精度管理責任者の変更の場合:第11条第2項第4号に掲げる書類

法第20条の4第4項の厚生労働省令で定める場合(施行規則第17条)

内容:法第20条の4第4項の「厚生労働省令で定める場合」は、次に掲げる場合である。

  1.  衛生検査所に検体検査用放射性同位元素を備えている場合
  2.  第17条の2第1項第3号又は第4号に掲げる事項を変更しようとする場合
  3.  衛生検査所に検体検査用放射性同位元素を備えなくなった場合

検体検査用放射性同位元素の届出(施行規則第17条の2)

◇放射性同位元素等の備付の届出の方法(第1項)

届出の場面:衛生検査所に検体検査用放射性同位元素を備えようとするとき

内容:法第20条の4第4項の規定による届出は、あらかじめ、下記に掲げる事項を記載した届書を提出することによって行う。

  1.  衛生検査所の名称・所在地
  2.  その年に使用を予定する検体検査用放射性同位元素の種類、形状及びベクレル単位で表わした数量
  3.  ベクレル単位で表わした検体検査用放射性同位元素の種類ごとの最大貯蔵予定数量、一日の最大使用予定数量及び三月間の最大使用予定数量
  4.  検体検査用放射性同位元素の使用室、貯蔵施設、運搬容器及び廃棄施設の放射線障害の防止に関する構造設備及び予防措置の概要

◇前条第1号に該当する場合の届出(第2項)

届出の場面:施行規則第17条第1号に該当する場合

内容:法第20条の4第4項の規定による届出は、毎年12月20日までに、翌年において使用を予定する検体検査用放射性同位元素について前項第1号及び第2号に掲げる事項を記載した届書を提出することによって行う。

◇前条第2号に該当する場合の届出(第3項)

届出の場面:施行規則第17条第2号に該当する場合

内容:法第20条の4第4項の規定による届出は、あらかじめ、その旨を記載した届書を提出することによって行う。

◇前条第3号に該当する場合の届出(第4項)

届出の場面:施行規則第17条第3号に該当する場合

内容:法第20条の4第4項の規定による届出は、10日以内にその旨を記載した届書を、30日以内にその後の措置を記載した届書を提出することによって行う。

登録証明書の書換え交付の申請(施行規則第18条)

◇書換交付申請(第1項)

申請者:衛生検査所の開設者

内容:衛生検査所の登録証明書の記載事項に変更を生じたときは、その書換え交付を申請することができる。

◇申請手続(第2項)

内容:第1項の申請は、所定の様式による申請書に衛生検査所の登録証明書を添えて、衛生検査所の所在地の都道府県知事、保健所設置市の市長又は特別区の区長に提出することによって行う。

登録証明書の再交付の申請(施行規則第19条)

◇再交付申請(第1項)

内容:衛生検査所の開設者は、衛生検査所の登録証明書を失くしたり棄損したりしたときは、登録証明書の再交付を申請することができる。

◇申請手続(第2項)

内容:衛生検査所の開設者は、再交付を申請するときは、所定の様式による申請書に棄損した登録証明書を添えて、衛生検査所の所在地の都道府県知事、保健所設置市の市長又は特別区の区長に提出する。

◇古い登録証明書の返納(第3項)

内容:衛生検査所の開設者は、衛生検査所の登録証明書の再交付を受けた後、失った登録証明書を発見したときは、直ちにこれを衛生検査所の所在地の都道府県知事、保健所設置市の市長又は特別区の区長に返納しなければならない。

登録証明書の返納(施行規則第20条)

内容:衛生検査所の開設者は、下記のいずれかの場合において、直ちに衛生検査所の所在地の都道府県知事、保健所設置市の市長又は特別区の区長に登録証明書を返納しなければならない。

  • 法第20条の7の規定による衛生検査所の登録の取消処分を受けたとき
  • 衛生検査所の業務を廃止したとき

第五部:罰則

違反内容条項罰則
(違反者)
罰則
(法人*)
第20条の3第1項の規定に違反した第22条第1号6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金
第20条の4第1項の規定に違反した第22条第2号6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金
第20条の7の規定による業務の停止命令に違反した第22条第3号6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金
第19条の規定に違反した第23条第1項50万円以下の罰金
第8条第1項の規定により臨床検査技師の名称の使用の停止を命ぜられ、当該停止期間中に臨床検査技師の名称を使用した者第24条第1号30万円以下の罰金
第20条の規定に違反した第24条第2号30万円以下の罰金
第20条の4第3項の規定に違反した第24条第3号30万円以下の罰金30万円以下の罰金
第20条の5第1項の規定による報告をせず、虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した第24条第4号30万円以下の罰金30万円以下の罰金
* 違反者が法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者である場合の当該法人又は人への罰則

終わりに

 臨床検査技師法は、一見すると専門職としての臨床検査技師及び業としての臨床検査を規定する法律に見えますが、実際には医療の安全性・信頼性を支えるものとなっています。医師の診断は検査データなしには成り立たず、検査データの質を確保するための枠組みが、この法律によって整えられているからです。

 また、近年はオンライン診療の普及や薬局の役割拡大など、医療提供体制そのものが大きく変化しています。こうした流れの中で、臨床検査技師の業務範囲が今後さらに見直される可能性があります。特に、遺伝子検査や非侵襲検査の普及に伴い、「誰がどこまで検査に関与できるのか」という議論は避けて通れません。

 臨床検査技師法は、医療提供体制の変革に関わる重要な基盤であり、今後も医療の進歩に合わせてアップデートされていくことが期待されます。

 本記事が、臨床検査技師法の理解を深める一助となれば幸いです。

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