アメリカに入国できる犬の要件が2024年8月1日に変わりました

ペットの犬猫をアイルランドへ連れて行くための準備と手続き

ペットと海外移住

コモントラベルエリアを利用してイギリスへ入国できるか?

 以前の記事で説明したように、現時点ではペットと一緒に飛行機でイギリスまで直接移動することはできません。ペットと一緒にイギリスに入国するためにはユーロトンネルを使用するか、又はフェリーでイギリスに渡るしかありません。そんなとき、ダブリンからイギリスまでの距離が魅力的に見えてしまいます。

 アイルランドとイギリスの市民はアイルランドとイギリスの間の協定に基づいて自由にアイルランドとイギリスとの間を行き来することができます。これは、コモントラベルエリアと呼ばれているイギリスのEU脱退前から存在していた制度です。外国人もコモントラベルエリアの恩恵を受けてアイルランドとイギリスとの間を行き来することができます。この制度を利用してアイルランド経由でイギリスまでペットを連れて行くことができればペット連れのイギリス渡航が非常に楽になると考えて調べてみました。

 アイルランドのダブリンとイギリスはウェールズのホリーヘッドまでフェリーが運航しています(地図に見られるように、アイルランドとイギリスの間にあるアイルランド海は、イギリスとフランスの間にあるドーバー海峡よりも広いけれどもダブリンからホリーヘッドまでの距離は104kmであり、パリからカレー(ドーバー海峡に面しているフランスの街)までの距離は236kmです)。ただ、このホリーヘッドでの入国審査が簡易なもので、入国審査が入国審査官ではなく警察官によって行われています。観光目的でダブリンを経由してイギリスへ入国し、数日してアイルランドへ戻る予定だったらこのような簡易な入国審査でもよいのでしょうが、長期滞在を目的としてイギリスのビザを取得してイギリスへ入国するのにホリーヘッドで簡易な審査を受けるのはどうなのでしょうか。

 ある人は、外国人がコモントラベルエリアを経由して長期滞在のためにイギリスに入国することはやめた方がいいと言い、別の人(あるイギリスの大学)は、外国人留学生がコモントラベルエリアを経由して留学のためにイギリスに入国することに問題はないと言っており、人によって意見が異なります。外国人もコモントラベルエリアの恩恵を実際に受けていますが、正式にはコモントラベルエリアはアイルランドとイギリスの市民のための制度であるため、筆者は、外国人がコモントラベルエリアを経由して長期滞在のためにイギリスに入国することは控えた方がよいのではないかと考えます。

日本に帰国するとき

 ペットと一緒にアイルランドから日本に帰国するための日本側の検疫の手続きについてはこちらの記事をご覧ください。日本に帰国するときに輸出前健診を受け、健康証明書にアイルランド政府の獣医官の裏書をもらいます。実際には、アイルランド国内のかかりつけ獣医師に健康証明書を作成してもらい、その健康証明書を所轄のRegional Veterinary Officeへ持参して公印を押してもらいます。日本に向けてアイルランドを出国する少なくとも2か月前にRegional Veterinary Officeに連絡することが必要であるとされています。

 こうして裏書を得た健康証明書が日本の動物検疫所に提出する輸出国政府機関発行の証明書になります。

 以上、アイルランド農業食料海洋省のホームページに記載されている情報を基に説明しました。アイルランドへの移住にペットを連れていきたいのだけれども自分で渡航準備の全てを行う時間がない、助けを必要としている、という方は行政書士渡邉光一事務所にご相談ください。

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